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公開番号2024052711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2024028589,2021195644
出願日2024-02-28,2021-12-01
発明の名称偏光子の製造方法および偏光板の製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240404BHJP(光学)
要約【課題】画像表示装置における表示ムラを抑制できる偏光子および偏光板を製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性物質で染色する染色工程と;染色工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に接触させる架橋工程と;架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸浴中で延伸する延伸工程と;を含む。染色工程後かつ架橋工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_bに対する、架橋工程後かつ延伸工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_cの比率が、0.91以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性物質で染色する染色工程と、
前記染色工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に接触させる架橋工程と、
前記架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸浴中で延伸する延伸工程と、を含み、
前記染色工程後かつ前記架橋工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_bに対する、前記架橋工程後かつ前記延伸工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_cの比率が、0.91以上である、偏光子の製造方法。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
単体透過率が42%以上45%以下の偏光子を製造する、請求項1に記載の偏光子の製造方法。
【請求項3】
ポリビニルアルコール系樹脂とハロゲン化物とを含む塗布液を長尺状の熱可塑性樹脂基材上に塗布して、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムとしてのポリビニルアルコール系樹脂層と前記熱可塑性樹脂基材とを備える積層体を作製する積層体作製工程と、
前記積層体を空中延伸する補助延伸工程と、
前記染色工程と、
前記架橋工程と、
前記延伸工程と、
前記延伸工程後のポリビニルアルコール系樹脂層を、長尺方向に搬送しながら前記長尺方向と直交する幅方向に収縮させる乾燥収縮工程と、をこの順に含む、請求項1または2に記載の偏光子の製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項3に記載の偏光子の製造方法。
【請求項5】
厚みが12μm以下である偏光子を製造する、請求項3または4に記載の偏光子の製造方法。
【請求項6】
前記延伸浴が、ホウ酸水溶液である、請求項1~5のいずれか一項に記載の偏光子の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の偏光子の製造方法によって製造される偏光子に、保護フィルムを貼り合わせることを含む、偏光板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子の製造方法および偏光板の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
画像表示装置には、代表的には偏光子が用いられている。そのような偏光子は、例えば、樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を生成した後、樹脂基材とポリビニルアルコール系樹脂層とを備える積層体をホウ酸水溶液に浸漬して、ポリビニルアルコール系樹脂層を不溶化した後、そのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質で染色し、その後、積層体をホウ酸水溶液中で延伸することにより、樹脂基材上に形成される(例えば、特許文献1)。
近年、偏光子を用いた画像表示装置の高精細化が求められており、画像表示装置の表示ムラのますますの低減が望まれている。しかし、特許文献1に記載の偏光子を備える画像表示装置では、表示ムラの低減に改善の余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2010/100917号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的とするところは、画像表示装置における表示ムラを抑制できる偏光子および偏光板を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による偏光子の製造方法においては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性物質で染色する染色工程と;前記染色工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に接触させる架橋工程と;前記架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸浴中で延伸する延伸工程と;を含む。前記染色工程後かつ前記架橋工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_bに対する、前記架橋工程後かつ前記延伸工程前のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_cの比率が、0.91以上である。
1つの実施形態においては、単体透過率が42%以上45%以下の偏光子を製造する。
1つの実施形態においては、上記偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂とハロゲン化物とを含む塗布液を長尺状の熱可塑性樹脂基材上に塗布して、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムとしてのポリビニルアルコール系樹脂層と前記熱可塑性樹脂基材とを備える積層体を作製する積層体作製工程と;前記積層体を空中延伸する補助延伸工程と;前記染色工程と;前記架橋工程と;前記延伸工程と;前記延伸工程後のポリビニルアルコール系樹脂層を、長尺方向に搬送しながら前記長尺方向と直交する幅方向に収縮させる乾燥収縮工程と;をこの順に含む。
1つの実施形態においては、上記熱可塑性樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
1つの実施形態においては、厚みが12μm以下である偏光子を製造する。
1つの実施形態においては、上記延伸浴が、ホウ酸水溶液である。
本発明の別の局面による偏光板の製造方法は、上記偏光子の製造方法によって製造される偏光子に、保護フィルムを貼り合わせることを含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、画像表示装置における表示ムラを抑制できる偏光子および偏光板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光子の製造方法を説明するための概略図である。
図2(a)は、図1に示すポリビニルアルコール系樹脂フィルムの1つの実施形態の概略断面図である。図2(b)は、図1に示すポリビニルアルコール系樹脂フィルムの別の実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
A.偏光子の製造方法の概要
本発明の1つの実施形態による偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、PVA系樹脂フィルムとする。)を二色性物質で染色する染色工程と;染色工程後のPVA系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に接触させる架橋工程と;架橋工程後のPVA系樹脂フィルムを延伸浴中で延伸する延伸工程と;を含む。染色工程後かつ架橋工程前のPVA系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_bに対する、架橋工程後かつ延伸工程前のPVA系樹脂フィルムの波長580nmにおける直交吸光度A580_cの比率(A580_c/A580_b)が、0.91以上、好ましくは0.92以上、より好ましくは0.97以上、とりわけ好ましくは0.99以上である。
二色性物質で染色された偏光子を用いる画像表示装置では、偏光子における染色の不均一性が、画像表示装置の表示ムラの原因となり得る。そこで、本発明者らは、偏光子における染色の均一性の向上について鋭意検討したところ、架橋工程前後における直交吸光度の比率を特定範囲に調整すると、偏光子において生じ得るスジ状の染色ムラを抑制でき、偏光子における染色の均一性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。より詳しくは、上記したA580_c/A580_bが上記下限以上であると、偏光子における染色ムラを顕著に抑制できる。
1つの実施形態において、A580_c/A580_bの上限は、代表的には2.5以下であり、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.15以下である。A580_c/A580_bが上記上限以下であると、偏光子における染色ムラをより一層顕著に抑制できる。
また、直交吸光度は、後述する直交透過率Tcに基づいて、下記式により求められる。
直交吸光度=log10(100/Tc)
【0010】
1つの実施形態において、PVA系樹脂フィルムは、染色工程の前にホウ酸水溶液と接触することなく、染色工程において染色浴(染色液)と接触する。PVA系樹脂フィルムをホウ酸水溶液と接触させると、ホウ酸が架橋を形成してPVA系樹脂フィルムに耐水性が付与される。そのため、偏光子の製造方法では、一般に、染色工程の前にPVA系樹脂フィルムをホウ酸水溶液と接触させ、染色液に対するPVA系樹脂フィルムの溶解を抑制する。
しかし、PVA系樹脂フィルムを予めホウ酸水溶液に接触させると、染色工程において、PVA系樹脂フィルムからホウ酸が脱離して染色液に溶出するので、染色工程で形成される二色性物質とPVA系樹脂との錯体の分布に影響する可能性がある。そのため、偏光子における染色の均一性に悪影響を与えると推察される。
一方、PVA系樹脂フィルムを、染色工程の前にホウ酸水溶液と接触させることなく染色液に接触させると、二色性物質とPVA系樹脂との錯体を均一に分布させることができ、偏光子における染色ムラを安定して抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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