TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024049961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156500
出願日2022-09-29
発明の名称改質ゴム粒子の製造方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C08J 3/12 20060101AFI20240403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】強度及び伸縮性が向上した、改質ゴム粒子の製造方法に関する。更に、本発明は、ゴム組成物に配合しても、得られるゴム組成物の損失正接、強度及び伸縮性の低下を抑制できる、改質ゴム粒子の製造方法に関する。
【解決手段】〔1〕架橋ゴムの粒子に、圧縮剪断応力を加える工程を有する、改質ゴム粒子の製造方法、〔2〕前記〔1〕に記載の改質ゴム粒子の製造方法により得られた改質ゴム粒子を配合する工程を有する、ゴム組成物の製造方法、及び〔3〕前記〔2〕に記載のゴム組成物の製造方法で得られたゴム組成物を加硫する工程を有する、ゴム成形体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
架橋ゴムの粒子に、圧縮剪断応力を加える工程を有する、改質ゴム粒子の製造方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記圧縮剪断応力を加える工程が、振動ミルを用いて圧縮剪断応力を加える工程である、請求項1に記載の改質ゴム粒子の製造方法。
【請求項3】
前記架橋ゴムが、使用済みゴムである、請求項1又は2に記載の改質ゴム粒子の製造方法。
【請求項4】
前記使用済みゴムが、廃タイヤである、請求項3に記載の改質ゴム粒子の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の改質ゴム粒子の製造方法により得られた改質ゴム粒子を配合する工程を有する、ゴム組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のゴム組成物の製造方法で得られたゴム組成物を加硫する工程を有する、ゴム成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、改質ゴム粒子の製造方法、ゴム組成物の製造方法及びゴム成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、循環型社会の実現に向け、より一層のサステナビリティ(持続可能性)が求められている。
例えば、廃タイヤ等の使用済みのゴムは、定期的な交換が必要な部品に使われることが多く、大量に発生している。使用済みゴムは、例えばサーマルリサイクル用燃料としての使用や、粉末状のゴム等に加工し、弾性材料等の材料としての使用等により再資源化されている。
【0003】
特許文献1には、作業効率の低下を招くことなく作業がし易い微粉砕ゴムの製法を提供することを目的とし、不要なゴムからチップ状に処理されたゴム原材料を微粉砕手段によって固着防止剤を添加しながら荒粉砕、中粉砕及び仕上げ粉砕によって荒粉砕ゴムから中粉砕ゴムを経て微粉砕ゴムに順次仕上げて行く微粉砕工程と、上記微粉砕ゴムを分級して少なくともその一部を微粉末ゴム製品として回収する分級回収工程とを具備していることを特徴とする微粉砕ゴムの製法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-176560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1により得られる微粉砕ゴムを、ゴム成形体に配合した場合、十分に混練がされず、ゴム成形体の燃費性能、強度及び伸縮性等の種々の物性が低下するという課題があった。特に、含有させた微粉砕ゴムがきっかけとなり、ゴム成形体の強度及び伸縮性を十分なものとできない場合があった。
本発明は、ゴム組成物に配合しても、得られるゴム成形体の損失正接、強度及び伸縮性の低下を抑制できる、改質ゴム粒子の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、使用済みのゴムなどから得られる架橋ゴムの粒子に、圧縮剪断応力を加えることによって、強度及び伸縮性が向上した、改質ゴム粒子を得ることができ、該改質ゴム粒子をゴム成形体に配合した際に、種々の物性低下を抑制できることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕~〔3〕に関する。
〔1〕架橋ゴムの粒子に、圧縮剪断応力を加える工程を有する、改質ゴム粒子の製造方法。
〔2〕前記〔1〕に記載の改質ゴム粒子の製造方法により得られた改質ゴム粒子を配合する工程を有する、ゴム組成物の製造方法。
〔3〕前記〔2〕に記載のゴム組成物の製造方法で得られたゴム組成物を加硫する工程を有する、ゴム成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゴム組成物に配合しても、得られるゴム成形体の損失正接、強度及び伸縮性の低下を抑制できる、改質ゴム粒子の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例B2において、シート状成形体に成形する前の、得られた未加硫のゴム組成物の表面の顕微鏡画像である。
比較例C1において、シート状成形体に成形する前の、得られた未加硫のゴム組成物の表面の顕微鏡画像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[改質ゴム粒子の製造方法]
本発明の改質ゴム粒子の製造方法は、架橋ゴムの粒子に、圧縮剪断応力を加える工程を有する。
【0010】
本発明によれば、ゴム組成物に配合しても、得られるゴム成形体の損失正接、強度及び伸縮性の低下を抑制できる、改質ゴム粒子を得ることができる。更に、本発明によれば、強度及び伸縮性が向上した、改質ゴム粒子を得ることができる。
従来、使用済みゴム等の架橋ゴムをリサイクルする際に、カッターミルやハンマーミルなどの衝撃剪断応力を加えることにより、粒子状に加工し、新たなゴム成形体の原料の一部として用いていた。このような衝撃剪断応力を加える方法の場合、架橋ゴムは、単に粒子化されるのみであり、すなわち、形状が変化されるのみであった。
一方、本発明は、架橋ゴムの粒子に、圧縮剪断応力を加えることによって、いわゆるメカノケミカル処理を施すことができ、圧縮剪断応力及び、当該応力により発生したラジカルの作用により、架橋ゴムの架橋点及び主鎖の結合を部分的に切断することができ、架橋ゴムが改質されると考えられる。その結果、得られる改質ゴム粒子は、従来の架橋ゴムの粒子と比較して、強度及び伸縮性が向上したものと考えられる。
更に、本発明により得られる改質ゴム粒子は、改質前の架橋ゴムの粒子よりも、脱架橋された状態であるため、ゴム組成物に配合する際に、架橋前のゴム成分等の他の材料と馴染みやすくなる。このため、本発明で得られる改質ゴム粒子は、ゴム組成物に配合しても、従来の架橋ゴムの粒子を配合した場合と比較して、得られるゴム成形体の損失正接、強度及び伸縮性の低下を抑制できると考えられる。
また、本発明により得られる改質ゴム粒子は、前述の通り、これを配合したゴム成形体の物性の低下を抑制できることから、従来の架橋ゴムの粒子と比較して、より多量にゴム組成物に配合することが可能となる。すなわち、本発明により得られるゴム粒子は、従来の架橋ゴムの粒子よりも、リサイクル性に優れるものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日本触媒
組成物
2か月前
東レ株式会社
多孔質フィルム
1か月前
株式会社ナリス化粧品
構造体
5日前
三菱ケミカル株式会社
積層体
1か月前
株式会社コバヤシ
成形体
2か月前
株式会社きもと
障子用フィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物
28日前
株式会社松風
光硬化性組成物
1か月前
株式会社日本触媒
無機粒子含有分散体
1か月前
AGC株式会社
水性分散液
1か月前
テクノUMG株式会社
物品
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
19日前
株式会社カネカ
樹脂組成物およびフィルム
1か月前
ユニチカ株式会社
多孔質ポリアミドイミド
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
20日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
13日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
19日前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
25日前
株式会社日本製鋼所
プリプレグ製造装置
1か月前
帝人株式会社
樹脂組成物および光学部材
1か月前
東レ株式会社
重合装置および重合体の製造方法
1か月前
日本ユピカ株式会社
成形材
22日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
東ソー株式会社
両親媒性ポリマー溶液の調液方法
12日前
住友電気工業株式会社
成形体
2か月前
株式会社コバヤシ
成形体及びその製造方法
1か月前
東ソー株式会社
廃プラスチックのリサイクル方法
28日前
三和化工株式会社
発泡体の製造方法
1か月前
松本油脂製薬株式会社
ポリマー粒子及びその用途
19日前
株式会社カネカ
樹脂組成物、成形体およびフィルム
1か月前
東京応化工業株式会社
熱硬化性組成物
今日
東京応化工業株式会社
熱硬化性組成物
今日
三菱ケミカル株式会社
フィルム
14日前
アキレス株式会社
農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
19日前
東レ株式会社
プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
19日前
続きを見る