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公開番号2024048918
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155084
出願日2022-09-28
発明の名称ノイズ対策部材の製造方法
出願人北川工業株式会社
代理人名古屋国際弁理士法人
主分類B29C 45/14 20060101AFI20240402BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】薄型の機器や狭い場所へ取り付け可能なノイズ対策部材を製造でき、その製造時に磁性体コアの破損を抑制可能な製造方法を提供する。
【解決手段】ノイズ対策部材は、磁性体コアと、モールド部材と、を備える。磁性体コアは、肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部を有する。モールド部材を成形する際には、磁性体コアに保持ピンを接触させて、磁性体コアを保持する。薄肉部に接触する位置にある保持ピンについては、充填体積Cとモールド部材の体積Dとに基づいて算出可能な充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100が、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ノイズ対策部材の製造方法であって、
前記ノイズ対策部材は、
磁性材料の焼結体によって構成され、内周側を貫通する位置に導体を配置可能な形状とされる磁性体コアと、
樹脂材料によって形成され、前記磁性体コアをモールドするように構成されるモールド部材と、
を備え、
前記磁性体コアは、内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部を有し、
前記モールド部材は、前記薄肉部の内周側をモールドする部分と前記薄肉部の外周側をモールドする部分とが、前記樹脂材料によって一体成形された一体成形品とされており、
前記モールド部材を成形する際には、
金型内へ前記樹脂材料を射出する前に、前記金型内に配置された前記磁性体コアに保持ピンを接触させて、前記磁性体コアを前記金型内で保持し、
前記金型内へ前記樹脂材料を射出する際、少なくとも前記薄肉部に接触する位置にある前記保持ピンについては、前記金型に充填された前記樹脂材料の体積である充填体積Cと前記モールド部材の体積Dとに基づいて算出可能な充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100が、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、前記薄肉部から離れる位置へと退避させる、
ノイズ対策部材の製造方法。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
請求項1に記載のノイズ対策部材の製造方法であって、
前記金型内へ前記樹脂材料を射出する際、少なくとも前記薄肉部に接触する位置にある前記保持ピンについて、前記充填体積率Eが、60≦E≦80を満たす値となる期間内に、前記薄肉部から離れる位置へと退避させる、
ノイズ対策部材の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のノイズ対策部材の製造方法であって、
射出成形機が備えるスクリューの軸方向に垂直な断面の面積A、スクリューの軸方向への移動速度に相当する射出速度B、及びスクリューの軸方向への移動時間に相当する射出時間tに基づいて、前記充填体積C=A×B×tが算出される、
ノイズ対策部材の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のノイズ対策部材の製造方法であって、
前記保持ピンは、前記薄肉部に接触する際、前記薄肉部の外周側にある、前記薄肉部の肉厚方向に垂直な面に対して接触するように構成されている、
ノイズ対策部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ノイズ対策部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
磁性体コアを備えるノイズ対策部材において、樹脂製のモールド部材によって磁性体コアをモールドする技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなノイズ対策部材では、磁性体コアとして、フェライト焼結体が利用される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-005043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにフェライト焼結体を樹脂モールドする場合、磁性体コアの内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚は、概ね5mm以上とされるのが一般的である。しかし、このようなフェライト焼結体を利用して、磁性体コアの内周側及び外周側に樹脂モールドが付加されると、ノイズ対策部材全体としては、相応にかさ高い構造になる。そのため、このようなノイズ対策部材では、薄型の機器や狭い場所に取り付けることが難しい場合がある。
【0005】
そこで、本件発明者は、磁性体コアの肉厚を5mm未満にすることを検討している。しかし、磁性体コアの肉厚を5mm未満にする場合、磁性体コアを配置した金型内に溶融樹脂が射出されると、磁性体コアに作用する圧力により、磁性体コアに亀裂が生じる等、磁性体コアの破損を招くことがあった。磁性体コアが破損した場合、ノイズ対策部材としての性能が低下するおそれがある。
【0006】
本開示の一局面においては、薄型の機器や狭い場所へ取り付け可能なノイズ対策部材を製造でき、その製造時に磁性体コアの破損を抑制可能な製造方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本開示の構成について説明する。
(1)本開示の一態様は、ノイズ対策部材の製造方法であって、ノイズ対策部材は、磁性体コアと、モールド部材と、を備える。磁性体コアは、磁性材料の焼結体によって構成され、内周側を貫通する位置に導体を配置可能な形状とされる。モールド部材は、樹脂材料によって形成され、磁性体コアをモールドするように構成される。磁性体コアは、内周側と外周側との間の寸法に相当する肉厚が1.5mm~4.0mmとされる薄肉部を有する。モールド部材は、薄肉部の内周側をモールドする部分と薄肉部の外周側をモールドする部分とが、樹脂材料によって一体成形された一体成形品とされている。モールド部材を成形する際には、金型内へ樹脂材料を射出する前に、金型内に配置された磁性体コアに保持ピンを接触させて、磁性体コアを金型内で保持する。金型内へ樹脂材料を射出する際、少なくとも薄肉部に接触する位置にある保持ピンについては、金型に充填された樹脂材料の体積である充填体積Cとモールド部材の体積Dとに基づいて算出可能な充填体積率E=(1-(D-C)/D)×100が、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させる。
【0008】
このように構成されるノイズ対策部材の製造方法によれば、上述のようなノイズ対策部材を製造することができる。特に、この製造方法では、金型内へ樹脂材料を射出する際、少なくとも薄肉部に接触する位置にある保持ピンについては、充填体積率Eが、60≦E≦90を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させる。そのため、保持ピンを退避させないまま、薄肉部の内周側への樹脂材料の充填を完了する場合に比べ、薄肉部において磁性体コアに亀裂が生じるのを抑制することができる。
【0009】
なお、本開示のノイズ対策部材の製造方法は、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
(2)本開示の一態様では、金型内へ樹脂材料を射出する際、少なくとも薄肉部に接触する位置にある保持ピンについて、充填体積率Eが、60≦E≦80を満たす値となる期間内に、薄肉部から離れる位置へと退避させてもよい。
【0010】
(3)本開示の一態様では、射出成形機が備えるスクリューの軸方向に垂直な断面の面積A、スクリューの軸方向への移動速度に相当する射出速度B、及びスクリューの軸方向への移動時間に相当する射出時間tに基づいて、充填体積C=A×B×tが算出されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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