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公開番号2024045503
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2024019300,2023508732
出願日2024-02-13,2022-02-01
発明の名称電子部品包装用樹脂シート及びそれを用いた電子部品包装容器
出願人デンカ株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C08L 25/14 20060101AFI20240326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】透明性を有し、耐折強度に優れ、かつ低温ヒートシール性にも優れる電子部品包装用樹脂シート、及びそれを用いてなる電子部品包装容器の提供。
【解決手段】連続マトリックス樹脂(X)中に、ゴム状重合体(Y)を分散粒子として含有し、下記(1)~(2)を満たすゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂から構成されている、電子部品包装用樹脂シート;
(1)前記連続マトリックス樹脂(X)が、一種以上の芳香族ビニル系化合物(x1)53~63質量%と、一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)37~47質量%との共重合体であり、
(2)前記ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の総質量に対する、前記ゴム状重合体(Y)の割合が、5質量%以上10質量%未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
連続マトリックス樹脂(X)中に、ゴム状重合体(Y)を分散粒子として含有し、下記(1)~(2)を満たすゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂から構成されている、電子部品包装用樹脂シート;
(1)前記連続マトリックス樹脂(X)が、一種以上の芳香族ビニル系化合物(x1)53~63質量%と、一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)37~47質量%との共重合体であり、
(2)前記ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の総質量に対する、前記ゴム状重合体(Y)の割合が、5質量%以上10質量%未満である。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)が、メタクリル酸メチル(x2-1)と、炭素数4~8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2-2)とを含む、請求項1に記載の電子部品包装用樹脂シート。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)の総質量に対する、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2-2)の割合が、5~50質量%である、請求項2に記載の電子部品包装用樹脂シート。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2-2)が、アクリル酸ブチルを含む、請求項2または3に記載の電子部品包装用樹脂シート。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品包装用樹脂シートを用いてなる、電子部品包装容器。
【請求項6】
キャリアテープである、請求項5に記載の電子部品包装容器。
【請求項7】
トレイである、請求項5に記載の電子部品包装容器。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の電子部品包装容器を含む、電子部品包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品包装用樹脂シート及びそれを用いた電子部品包装容器に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ICマガジン、又はICキャリアテープ等の電子部品包装容器においては、従来、透明性、耐衝撃性、剛性、表面硬度等の諸物性に優れる観点から、硬質塩化ビニル(PVC)が使用されていた。しかし、廃棄物の焼却時に発生する酸性の腐食性ガス、あるいは有毒物質の発生等の点から、PVC代替材料が求められている。これらの欠点を解決する代替材料として、ポリスチレン及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選択される少なくとも1つの樹脂と、スチレン-ブタジエンブロック共重合体とのブレンド系樹脂が知られている(例えば、特許文献1等)。しかしながら、このブレンド系樹脂は電子部品包装容器に求められる剛性及び耐衝撃性の両立が難しい。すなわち、このブレンド系樹脂は、剛性を上げると耐衝撃性が低下し、耐衝撃性を上げると剛性が低下するといった二律背反の関係にあるため、電子部品包装容器に求められる、剛性と耐衝撃性とを同時達成できるバランスの良い材料とは言い難い。またその他のPVC代替材料として、ポリカーボネート樹脂、透明なABS樹脂等が知られているが、コストが高く、低価格のPVC代替材料としての実用性に欠ける。
【0003】
特許文献2には、強度が高く、透明性、剛性に優れ、表面硬度も高い、透明な電子部品包装用成形体が得られる、ゴム変性スチレン系樹脂組成物が提案されている。特許文献2には、スチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びブタジエン系ゴム質重合体からなる混合溶液を重合させて得られるゴム変性スチレン系樹脂と、テルペン系樹脂又はテルペン系水素添加樹脂と、からなるゴム変性スチレン系樹脂組成物から形成された、透明な電子部品包装用成形体が記載されている。しかし、このようなゴム変性スチレン系樹脂組成物から形成された成形体は、強度や透明性等の諸物性、及び表面硬度が不十分である。
【0004】
これに対して、特許文献3には、強度や透明性等の諸物性に優れ、十分に高い表面硬度を有する電子部品包装用成形体が得られる、ゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂が提案されている。特許文献3には、芳香族ビニル系化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の混合物とグラフト共重合でき、特に前記混合物と強い親和性を有する特定の構造のスチレン-ブタジエンブロック共重合体をゴム状重合体として、前記混合物中に分散させた樹脂組成物を異型押出成形することにより、強度が高く、透明性や剛性に優れ、かつ表面硬度も高い、透明な電子部品包装用成形体が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-12847号公報
特開平9-301479号公報
特開2002-193378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子部品包装容器においては、近年、電子部品の高速充填性の観点から、短いシール時間で高い剥離強度を得ることができる、低温ヒートシール性も求められている。また、内容物である電子部品を外から目視可能な高い透明性を維持しつつ、耐折強度、成形性等の物性をバランスさせることも求められている。
そこで本発明は、透明性を有し、耐折強度に優れ、かつ低温ヒートシール性にも優れる電子部品包装用樹脂シート、及びそれを用いてなる電子部品包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に対して、本願発明者らは鋭意検討した結果、驚くべきことに、芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを共重合してなる連続マトリックス樹脂中に、ゴム状重合体を分散粒子として含むゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂から構成された樹脂シートであって、前記芳香族ビニル系化合物を53~63質量%、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを37~47質量%で共重合させ、かつ前記ゴム状重合体をゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の総質量に対して、5質量%以上10質量%未満とすることにより、透明性、耐衝撃度、及び剛性に優れ、さらには低温ヒートシール性にも優れる樹脂シートが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]連続マトリックス樹脂(X)中に、ゴム状重合体(Y)を分散粒子として含有し、下記(1)~(2)を満たすゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂から構成されている、電子部品包装用樹脂シート;
(1)前記連続マトリックス樹脂(X)が、一種以上の芳香族ビニル系化合物(x1)53~63質量%と、一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)37~47質量%との共重合体であり、
(2)前記ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の総質量に対する、前記ゴム状重合体(Y)の割合が、5質量%以上10質量%未満である。
[2]前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)が、メタクリル酸メチル(x2-1)と、炭素数4~8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2-2)とを含む、[1]に記載の電子部品包装用樹脂シート。
[3]前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)の総質量に対する、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2-2)の割合が、5~50質量%である、[2]に記載の電子部品包装用樹脂シート。
[4]前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2-2)が、アクリル酸ブチルを含む、[2]または[3]に記載の電子部品包装用樹脂シート。
[5][1]から[4]のいずれか一項に記載の電子部品包装用樹脂シートを用いてなる、電子部品包装容器。
[6]キャリアテープである、[5]に記載の電子部品包装容器。
[7]トレイである、[5]に記載の電子部品包装容器。
[8][5]から[7]のいずれか一項に記載の電子部品包装容器を含む、電子部品包装体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透明性を有し、耐折強度に優れ、かつ低温ヒートシール性にも優れる電子部品包装用樹脂シート、及びそれを用いてなる電子部品包装容器を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」の記号は、「以上」、「以下」を意味する。例えば、「5~10質量%」とは「5質量%以上10質量%以下」を意味する。
[電子部品包装用樹脂シート]
本発明に係る電子部品包装用樹脂シート(以下、単に「樹脂シート」と記載することもある)は、連続マトリックス樹脂(X)中に、ゴム状重合体(Y)を分散粒子として含有し、下記(1)~(2)を満たすゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂から構成されている。
(1)前記連続マトリックス樹脂(X)が、一種以上の芳香族ビニル系化合物(x1)53~63質量%と、一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)37~47質量%との共重合体であり、
(2)前記ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の総質量に対する、前記ゴム状重合体(Y)の割合が、5質量%以上10質量%未満である。
このような特徴的な組成を有するゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂から構成された本発明に係る電子部品包装用樹脂シートは、透明性を有し、耐折強度に優れ、かつ低温ヒートシール性にも優れている。
【0010】
<ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂>
本発明に係るゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂(以下、単に「共重合体樹脂」と記載する)は、連続マトリックス樹脂(X)中に、ゴム状重合体(Y)を分散粒子として含有し、下記(1)~(2)を満たすことを特徴とする。
(1)前記連続マトリックス樹脂(X)が、一種以上の芳香族ビニル系化合物(x1)53~63質量%と、一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x2)37~47質量%との共重合体であり、
(2)前記ゴム変性芳香族ビニル系共重合体樹脂の総質量に対する、前記ゴム状重合体(Y)の割合が、5質量%以上10質量%未満である。
上記(1)、(2)を満たすことにより、低温ヒートシール性に優れ、かつ透明性、耐折強度に優れる樹脂シートが得られる。
(【0011】以降は省略されています)

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