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公開番号2024014592
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2022117541
出願日2022-07-22
発明の名称樹脂被膜及び摺動部材
出願人サンデン株式会社
代理人個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240125BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本件出願に係る発明は、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(MPA)を溶媒として用いることに伴い、低分子量のバインダー樹脂を採用した場合であっても、高分子量のバインダー樹脂を採用したものと同等の強度、耐久性及び潤滑性を発揮する摺動部材用の樹脂被膜、及び基材表面にこれを備えた摺動部材を提供することを課題とする。
【解決手段】この課題を解決するために、本件出願に係る発明は、MPAとバインダー樹脂とフッ素樹脂粒子とを含み、当該フッ素樹脂粒子の粒径は、7μm~25μmであり、当該摺動部材を構成する基材の摺動面を覆う当該樹脂被膜の表面についてEDX分析でのフッ素元素マッピング図におけるフッ素元素検出部位の総面積の割合(%)が4%~8%であることを特徴とする摺動部材用の樹脂被膜、及び基材の摺動面にこれを備える摺動部材を採用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
摺動部材用の凝着防止のための樹脂被膜であって、
3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(MPA)とバインダー樹脂とフッ素樹脂粒子とを含み、
当該フッ素樹脂粒子の粒径は、7μm~25μmであり、
当該摺動部材を構成する基材の摺動面を覆う当該樹脂被膜の表面についてEDX分析でのフッ素元素マッピング図におけるフッ素元素検出部位の総面積の割合(%)が4%~8%であることを特徴とする樹脂被膜。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記樹脂被膜の膜厚は、前記フッ素樹脂粒子の粒径以上である請求項1に記載の樹脂被膜。
【請求項3】
前記樹脂被膜の膜厚は、10μm~25μmである請求項1又は請求項2に記載の樹脂被膜。
【請求項4】
前記樹脂被膜は、更にグラファイトを含み、
当該グラファイトの含有量は、1質量%~10質量%である請求項1に記載の樹脂被膜。
【請求項5】
前記バインダー樹脂は、ポリアミドイミド樹脂又はポリイミド樹脂である請求項1に記載の樹脂被膜。
【請求項6】
請求項1に記載の樹脂被膜を基材の摺動面に備え、
当該基材の摺動面は、予め粗化処理されていることを特徴とする摺動部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本件出願は、摺動部材用の凝着防止のための樹脂被膜及び、基材の摺動面にこれを備えた摺動部材に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
コンプレッサー等の機械装置に備わる摺動部材には、耐摩耗性、耐焼付き性、潤滑性等を改善する目的で、その摺動面に樹脂被膜が設けられている場合がある。そして、この樹脂被膜には、様々な成分のものが提案されている。ここで、樹脂被膜の成分であるバインダー樹脂を検討する際に重要となるものの一つが、当該バインダー樹脂を溶解するために用いる溶媒の種類である。従来、この溶媒には、主にN-メチル-2-ピロリドン(NMP)が採用されてきた。その理由は、N-メチル-2-ピロリドンは、様々なバインダー樹脂に対して優れた溶解性を有する極性溶媒であることから、これを用いることで好適な摺動部材用の塗料を得ることができるためである。
【0003】
ここで、環境規制等の観点から、このNMPの代替として提案されている溶媒の一つが、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(MPA)である。しかし、MPAの溶解度はN-メチル-2-ピロリドンと比較して低いため、溶解できるバインダー樹脂の分子量が低くなる。低分子量のバインダー樹脂による樹脂被膜の強度及び耐久性は、高分子量のバインダー樹脂と比較して一般的に低い。
【0004】
特許文献1には、「ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドイミド樹脂及びフィラーと、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミドとを含む、カーエアコンコンプレッサーピストン用の樹脂組成物から形成した塗膜」が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、「バインダー樹脂とフッ素樹脂粒子とを含む配合物を3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミドに混合及び分散させてなる摺動用塗料を基材に塗布し、前記基材上の前記摺動用塗料を加熱により硬化させることで形成される摺動皮膜を摺動部に備える斜板式圧縮機」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-15680
特開2020-203243
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、例えば、車載用コンプレッサーでは、まれに液圧縮での運転が必要となる場合があり、樹脂被膜に対してより高い耐久性が求められている。そのため、この特許文献1及び特許文献2の塗膜及び斜板式圧縮機は、いまだ改善の余地があり、市場要求を十分に満たすものではなかった。
【0008】
本件出願に係る発明は、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(MPA)を溶媒として用いることに伴い、低分子量のバインダー樹脂を採用した場合であっても、高分子量のバインダー樹脂を採用したものと同等の強度、耐久性及び潤滑性を発揮する摺動部材用の樹脂被膜、及び基材の摺動面にこれを備えた摺動部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本件発明者は、鋭意研究の結果、以下の手段を採用することにより、上述の課題を解決するに至った。
【0010】
A.本件出願に係る樹脂被膜
本件出願に係る樹脂被膜は、摺動部材用の凝着防止のためのものであって、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(MPA)とバインダー樹脂とフッ素樹脂粒子とを含み、当該フッ素樹脂粒子の粒径は、7μm~25μmであり、当該摺動部材を構成する基材の摺動面を覆う当該樹脂被膜の表面についてEDX分析でのフッ素元素マッピング図におけるフッ素元素検出部位の総面積の割合(%)が4%~8%であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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