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公開番号2024043632
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022148722
出願日2022-09-20
発明の名称エチレン系樹脂組成物、成形体、フィルムおよび多層フィルム
出願人三井化学株式会社,株式会社プライムポリマー
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/08 20060101AFI20240326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】従来公知のエチレン系樹脂から得られるフィルムと比較して、得られる成形体が低温でヒートシール可能であり、かつ、成形性、耐ブロッキング性、および、透明性に優れるエチレン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】下記要件(1)~(4)を満たすエチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン-α-オレフィン共重合体(A)と、
下記要件(a)~(b)を満たすエチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン-α-オレフィン共重合体(B)と、を含み、前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)の質量分率(WA)が1質量%以上90質量%以下であり、前記エチレン-α-オレフィン共重合体(B)の質量分率(WB)が10質量%以上99質量%以下である(ただし、WAとおよびWBの合計を100質量%とする)エチレン系樹脂組成物(Z)、成形体、フィルムおよび多層フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記要件(1)~(4)を満たすエチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン-α-オレフィン共重合体(A)と、
下記要件(a)~(b)を満たすエチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン-α-オレフィン共重合体(B)と、
を含み、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)の質量分率(W
A
)が1質量%以上90質量%以下であり、前記エチレン-α-オレフィン共重合体(B)の質量分率(W
B
)が10質量%以上99質量%以下である(ただし、W
A
およびW
B
の合計を100質量%とする。)、エチレン系樹脂組成物(Z)。
(1)密度が890kg/m
3
以上935kg/m
3
以下の範囲にある。
(2)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上15g/10min以下の範囲にある。
(3)190℃における溶融張力MTと、200℃、角速度1.0rad/sにおけるせん断粘度η
*
との比MT/η
*
が1.20×10
-4
以上2.90×10
-4
以下の範囲にある。
(4)200℃におけるゼロせん断粘度η0とGPC-粘度検出器法により測定された重量平均分子量Mwが、下記関係式を満たす。
0.01×10
-13
≦ η
0
/Mw
3.4
≦2.5×10
-13
(a)密度が860kg/m
3
以上890kg/m
3
未満の範囲にある。
(b)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上10g/10min以下の範囲にある。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記エチレン-α-オレフィン共重合体(A)が下記要件(5)~(7)をさらに満たす、請求項1に記載のエチレン系樹脂組成物(Z)。
(5)
1
H-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのビニル、ビニリデン、2置換内部オレフィン、および、3置換内部オレフィンの合計(個/1000C)が0.1以上1.0以下の範囲にある。
(6)示差走査熱量測定(DSC)により得られた融解曲線に複数個のピークが存在する。
(7)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]とGPC-粘度検出器法により測定された重量平均分子量Mwとが下記関係式を満たす。
0.7×10
-4
×Mw
0.776
≦[η]≦1.2×10
-4
×Mw
0.776
【請求項3】
下記要件(i)~(ii)を満たすエチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン-α-オレフィン共重合体(C)を含み、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体(C)の質量分率(W
C
)が1質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載のエチレン系樹脂組成物(Z)。
(i)密度が890kg/m
3
以上930kg/m
3
以下の範囲にある。
(ii)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上10g/10min以下の範囲にある。
【請求項4】
下記要件(i)~(ii)を満たすエチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であるエチレン-α-オレフィン共重合体(C)を含み、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体(C)の質量分率(W
C
)が1質量%以上50質量%以下である、請求項2に記載のエチレン系樹脂組成物(Z)。
(i)密度が890kg/m
3
以上930kg/m
3
以下の範囲にある。
(ii)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上10g/10min以下の範囲にある。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のエチレン系樹脂組成物(Z)を含む成形体。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のエチレン系樹脂組成物(Z)を含むフィルム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のエチレン系樹脂組成物(Z)からなる層を含む多層フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン系樹脂組成物及び当該組成物を含む成形体、フィルムおよび多層フィルムに関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
包装材の構成の1つであるヒートシール層と基材層とを貼り合わせた包装材が従来より知られている。このうち、ヒートシール層には柔軟性、透明性、および、ヒートシール性に優れたポリエチレン系樹脂組成物からなるフィルムが広く使用されている。一方、基材層には剛性、耐熱性、および、機械的強度の観点からポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等からなるフィルムが使用されている。
【0003】
近年、サーキュラーエコノミーの観点から、リサイクルしやすい包装材が求められている。しかし、従来の包装材は上記したように異種の樹脂材料から構成されており、樹脂材料ごとに分離するのが難しく、現状の包装材はリサイクルすることが困難である。
リサイクルを容易にする方法として、単一材料で包装材を構成するモノマテリアル化が挙げられる。
【0004】
現状ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等が使用されている基材層をポリエチレン系樹脂組成物へ変更するためには、剛性と機械的強度に優れるポリエチレン系樹脂組成物が求められるが、ポリエチレン系樹脂組成物では耐熱性が低くなってしまう傾向がある。
このような事情より、ヒートシール層に用いる樹脂組成物としては、より低温でヒートシール可能なポリエチレン系樹脂組成物が必要とされている。
【0005】
低温でヒートシール可能とするためにはポリエチレン系樹脂の密度を低下させることが考えられるが、低密度ポリエチレンのみ含む樹脂組成物では成形加工性に劣る傾向がある。
成形加工性をさらに向上させる方法として、低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンのブレンドが考えられるが、このようなブレンドした樹脂組成物より得られたフィルムをインフレーション成形した場合、フィルムがブロッキングしてしまう場合がある。
【0006】
成形加工性を向上させる他の方法として、メタロセン触媒を用いて長鎖分岐を導入したエチレン系重合体として、例えば、特許文献1には、メタロセン触媒を用いて得られたエチレン系重合体を用いた組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2013/099927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されたエチレン系樹脂組成物は、フィルム表面の微小な凹凸により耐ブロッキング性に優れるものの、この凹凸により外部ヘイズが上昇し透明性が不十分となる。また、内容物の視認性やフィルム中の欠点検査の観点から、得られる成形体の透明性と耐ブロッキング性のバランスに優れるエチレン系樹脂組成物の改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の溶融特性と分子構造をもつエチレン系重合体を含む組成物が、成形加工性に優れ、低温でヒートシールが可能で、耐ブロッキング性と透明性のバランスに優れる成形体(たとえばフィルム、及び該フィルムを有する多層フィルム)を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、従来公知のエチレン系樹脂から得られるフィルムと比較して、得られる成形体が低温でヒートシール可能であり、かつ、成形性、耐ブロッキング性、および、透明性に優れるエチレン系樹脂組成物を提供することである。
(【0011】以降は省略されています)

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