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公開番号2024042658
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2023139744
出願日2023-08-30
発明の名称オキソ酸金属塩の製造方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C01G 1/00 20060101AFI20240321BHJP(無機化学)
要約【課題】物質設計の自由度が高いとともに量産性に優れた、オキソ酸金属塩の製造方法を提供すること。
【解決手段】オキソ酸金属塩の製造方法であって、オキソ酸塩とアルカリ非含有金属塩とを水及び/又はアルコールを含有する溶媒中で反応させて沈殿物を得、得られた沈殿物を固液分離にて回収する工程、及び回収した前記沈殿物を50℃以上1600℃以下の温度で熱処理して熱処理物を得る工程、を含み、前記オキソ酸塩は、オキソ酸アルカリ金属塩及びオキソ酸アンモニウム塩のいずれか一方又は両方であり、前記アルカリ非含有金属塩に含まれる金属元素は、典型元素、遷移元素、及び希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種であり、前記アルカリ非含有金属塩は、そのアニオンの共役酸の最終pKaが7.0以下であり、前記反応を0.8気圧以上1.2気圧以下の圧力下で0℃以上100℃未満の温度で行う、方法。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
オキソ酸金属塩の製造方法であって、
オキソ酸塩とアルカリ非含有金属塩とを水及び/又はアルコールを含有する溶媒中で反応させて沈殿物を得、得られた沈殿物を固液分離にて回収する工程、及び
回収した前記沈殿物を50℃以上1600℃以下の温度で熱処理して熱処理物を得る工程、を含み、
前記オキソ酸塩は、オキソ酸アルカリ金属塩及びオキソ酸アンモニウム塩のいずれか一方又は両方であり、
前記アルカリ非含有金属塩に含まれる金属元素は、典型元素、遷移元素、及び希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種であり、
前記アルカリ非含有金属塩は、そのアニオンの共役酸の最終pKaが7.0以下であり、
前記反応を0.8気圧以上1.2気圧以下の圧力下で0℃以上100℃未満の温度で行う、方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記オキソ酸塩は、その水素数xが0以上2以下であり、前記アルカリ非含有金属塩は、硝酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、及びカルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱処理をアルゴン(Ar)及び/又は水素(H

)ガス雰囲気下で行い、それにより前記沈殿物を還元する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オキソ酸塩は、その水素数xが0超であり、前記熱処理を行い、それにより前記沈殿物を脱水する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記オキソ酸塩は、その水素数xが0超であり、前記熱処理を酸化性ガス雰囲気下で行い、それにより前記沈殿物を酸化する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記オキソ酸金属塩は、誘電体材料、発光材料、固体電解質材料、光学材料、磁性材料、電気伝導性材料、半導体材料、電気絶縁性材料、熱電変換材料、構造材料、耐熱材料、生体材料、及び触媒からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オキソ酸金属塩の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
オキソ酸金属塩は、オキソ酸から生じるイオンを構成イオンとして含む金属塩であり、典型的にはリン酸金属塩が挙げられる。オキソ酸金属塩は、電池、圧電素子、及び蛍光素子を含む幅広い分野で使用されている。また、水熱合成法、高温固相合成法、又はゾルゲル法などの手法でオキソ酸金属塩を合成することが従来から提案されている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、リチウムイオン電池のLiMnPO

系正極材料の製造方法がまとめられており、ゾルゲル法、固相法、水熱合成法、スプレー熱分解法、及びポリオール合成法が紹介されている(非特許文献1の第21~38頁)。非特許文献2には、高性能固体電解質Li

Zr

Si

PO
12
の合成に関して、NASICON型超イオン導電体Na

Zr

Si

PO
12
のNaをイオン交換することが開示されている(非特許文献2の要約)。
【0004】
非特許文献3には、オルトリン酸ガリウム(GaPO

)単結晶を水熱合成すること、GaPO

単結晶は圧電特性を示す有望な材料であることが開示されている(非特許文献3の要約、第275頁左欄)。非特許文献4には、Ce
3+
やTb
3+
をドープしたLaPO

をゾルゲル法とエレクトロスピニング法を組み合わせた手法で合成すること、LaPO

:Ce
3+
,Tb
3+
蛍光材料は高い光強度を示すことが開示されている(非特許文献4の要約)。
【0005】
また特許文献1には、LiMPO

(M=Mn、Fe、Co、Ni)の製造方法として、水溶性金属塩に対して水溶性Li塩とリン酸を多量に加える溶液合成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5245084号公報
【非特許文献】
【0007】
T.A. Wani, et al., Journal of Energy Storage, 44 (2021) 103307
L. Zhu, et al., Science Advances, 8, eabj7698 (2022) 18 March 2022
S. Hirano et al., Bulletin of the Chemical Society of Japan, 62, 275-278 (1989)
Z. Hou, et al., Journal of Solid State Chemistry, 182 (2009), 698-708
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、オキソ酸金属塩の開発が各分野で進められているものの、いずれの材料も水熱合成や高温合成といったコストが高く且つ複雑な手法で製造されている。そのため合成や均一反応が困難な場合があり、材料設計性に劣るという問題がある。
【0009】
例えば、非特許文献1で開示されるゾルゲル法は、アルコキシド原料などの高価な原料を用いる必要があり、量産性に劣る。非特許文献2で提案されるNaからLiへのアルカリ金属イオン交換法では、予めNa型の固体電解質を作製するとともに過剰のLi塩を用いる必要がある。その上、工程時間が長く、量産性に乏しいという問題がある。固相法では原料を高温焼成する必要があるため、得られた材料が粗粒化しやすい。また反応が不均一化しやすく、複数の金属元素置換反応では副生成物が生じやすいという問題がある。水熱法は、オートクレーブ等の高価で複雑な装置を用いる必要があり、量産性に劣る。さらに特許文献1に開示される製造方法では、過剰の原料を使用するため、コスト面で課題がある。このように、従来の手法では、材料の物質設計性と量産性を両立させることは困難であった。
【0010】
本発明者らは、このような従来の問題点に鑑みて鋭意検討を行った。その結果、アルカリ非含有金属塩のアニオンの共役酸の酸解離定数とオキソ酸の酸解離定数の差による酸塩基反応を利用することで、物質設計の自由度が高いとともに量産性に優れた方法でオキソ酸金属塩を得ることができるとの知見を得た。
(【0011】以降は省略されています)

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