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公開番号2024041560
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-27
出願番号2022146439
出願日2022-09-14
発明の名称4-ヒドロキシ安息香酸デカルボキシラーゼによるフェノール生成の阻害剤
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 31/36 20060101AFI20240319BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】摂取したときの安全性が高く、製造コストが比較的安価であり、かつ、Hadによるフェノール生成を阻害する作用を有する低分子化合物の提供。
【解決手段】以下の式(I)で表される化合物及びその生理的に許容される塩から選択される1種又は2種以上の化合物を、4-ヒドロキシ安息香酸デカルボキシラーゼによるフェノール生成の阻害剤として用いる。
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(式中、R1は、OH、酸素複素環化合物を表し、R2は、H、OH、単糖類、(1→2)二糖類、又は三糖類を表す。)式(I)で表される化合物が、セサモール、セサミノール、セサモリン、及びセサミノールモノグルコシドから選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の式(I)で表される化合物及びその生理的に許容される塩からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含む、4-ヒドロキシ安息香酸デカルボキシラーゼによるフェノール生成の阻害剤。
TIFF
2024041560000016.tif
37
139
(式中、R

は、OH、以下の式(II)又は(III)で示される基を表し、R

は、H、OH、 単糖類、(1→2)二糖類、又は三糖類を表す。)
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49
139
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2024041560000018.tif
65
139
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】


が、H、OH、又は単糖類である、請求項1に記載の阻害剤。
【請求項3】
式(I)で表される化合物が、セサモール、セサミノール、セサモリン、及びセサミノールモノグルコシドから選択される1種又は2種以上の化合物である、請求項1又は2に記載の阻害剤。
【請求項4】
式(I)で表される化合物が、4-ヒドロキシ安息香酸デカルボキシラーゼによるフェノール生成を混合阻害する、請求項1又は2に記載の阻害剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴマ種子中に含まれる特定のリグナン化合物又はその誘導体を有効成分として含有する、4-ヒドロキシ安息香酸デカルボキシラーゼ(Hydroxyarylic acid decarboxylase)(以下、「Had」ということがある)によるフェノール生成の阻害剤に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
糖尿病性腎症は、糖尿病の中でも罹患者数が多い2型糖尿病の進行に伴って発症する合併症の一つであり、腎機能が低下する疾患である。糖尿病性腎症の治療には、年間1.5兆円もの費用を要し、その最大の要因が透析治療にある。これまで、糖尿病性腎症の原因物質が多数同定されているが、未だその治療薬が開発されていないのが現状である。
【0003】
最近、糖尿病性腎症の発症リスクや病期を判定できるバイオマーカーとして、フェニル硫酸(Phenyl Sulfate)が同定され(特許文献1)、かかるフェニル硫酸は、糖尿病性腎症による腎障害に関与していることも報告されている(非特許文献1)。
【0004】
一方、フェノールは、フェニル硫酸の前駆体であり、腸に内在する腸内細菌が有するチロシンフェノールリアーゼ(TPL)により、L-チロシンから生成される。生成されたフェノールは、体内代謝を経てフェニル硫酸に変換されると考えられることから、TPLによるフェノール生成を阻害すれば、糖尿病性腎症による腎障害を改善することが予測される。実際、TPLの阻害剤である2-アザ-DL-チロシンを、腎不全モデルマウスに投与すると、血中のフェニル硫酸濃度が低下し、腎機能が改善することが報告されている(特許文献2、非特許文献1)。また、本発明者らは、ゴマ種子中に含まれる特定のリグナン化合物が、TPLによるフェノール生成を阻害する作用を有することを見いだしている(特願2022-26918)。
【0005】
また、TPL以外に、L-チロシンからフェノールが生成される経路として、L-チロシンから体内代謝により生成された4-ヒドロキシ安息香酸が、Hadにより生成される経路の存在が推定されている(非特許文献2)。しかしながら、ゴマ種子中に含まれる特定のリグナン化合物が、Hadによるフェノール生成を阻害する作用を有することは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/056498号パンフレット
国際公開第2018/079832号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
Nat Commun. 2019 Apr 23;10(1):1835.doi:10.1038/s41467-019-09735-4.
FEMS Microbiol Ecol. 2018 Sep 1;94(9):fiy125.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、摂取したときの安全性が高く、製造コストが比較的安価であり、かつ、Hadによるフェノール生成を阻害する作用を有する低分子化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ゴマ種子は、抗酸化成分を多く含むことから、飲食品や医薬品として幅広く応用されている。ゴマ種子由来の抗酸化成分の代表として、リグナンと呼ばれる代謝生成物(すなわち、ゴマリグナン化合物)が知られており、植物特化代謝産物と総称される。ゴマリグナン化合物は、2分子のフェニルプロパノイドが側鎖中央の炭素同士で結合した構造を有し、その中には、Hadの酵素反応の基質となるフェノールの基本骨格を有するものが多い。そこで、ゴマリグナン化合物に着目し、上記課題を解決すべく鋭意研究を続けた結果、特定のゴマリグナン化合物が、4-ヒドロキシ安息香酸を基質としたHad酵素によるフェノール生成を阻害する作用を有することを見いだした。さらに、上記特定のゴマリグナン化合物が、様々なHad産生菌におけるHadによるフェノール生成を阻害する作用を有することも確認した。本発明は、これらの知見に基づき、完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下の式(I)で表される化合物及びその生理的に許容される塩からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含む、4-ヒドロキシ安息香酸デカルボキシラーゼによるフェノール生成の阻害剤。
(【0011】以降は省略されています)

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