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公開番号2024040999
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145688
出願日2022-09-13
発明の名称両面粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09J 7/38 20180101AFI20240318BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】高い接着力を有することが可能で、かつ微細な凹凸変形の緩和性と加工性とを両立し得る両面粘着シートを提供する。
【解決手段】両面粘着シートは、アクリル系ポリマーを含む粘着剤層を有する。上記アクリル系ポリマーは、ヘプチルアクリレートおよびカルボキシ基含有モノマーを含むモノマー成分の重合物である。また、上記モノマー成分は、上記カルボキシ基含有モノマーを3重量%以上含む。さらに、上記粘着剤層のゲル分率が40%よりも高い。そして、上記粘着剤層は、23℃での貯蔵弾性率が0.04MPa以上であり、かつ、23℃でのtanδが0.46以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル系ポリマーを含む粘着剤層を有する両面粘着シートであって、
前記アクリル系ポリマーは、ヘプチルアクリレートおよびカルボキシ基含有モノマーを含むモノマー成分の重合物であり、
前記モノマー成分は、前記カルボキシ基含有モノマーを3重量%以上含み、
前記粘着剤層のゲル分率が40%よりも高く、
前記粘着剤層は、23℃での貯蔵弾性率が0.04MPa以上であり、かつ、23℃でのtanδが0.46以上である、ここで該tanδとは、該粘着剤層の貯蔵弾性率G’に対する損失弾性率G”の比(G”/G’)をいう、両面粘着シート。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記粘着剤層は粘着付与樹脂をさらに含む、請求項1に記載の両面粘着シート。
【請求項3】
前記粘着付与樹脂は、ロジン系粘着付与樹脂およびテルペン系粘着付与樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の両面粘着シート。
【請求項4】
前記粘着剤層はアクリル系オリゴマーをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
【請求項5】
前記粘着剤層は粘着付与樹脂およびアクリル系オリゴマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
【請求項6】
前記アクリル系オリゴマーの含有量C

に対する前記粘着付与樹脂の含有量C

の比(C

/C

)は1以上10以下である、請求項5に記載の両面粘着シート。
【請求項7】
前記粘着剤層を形成するための粘着剤組成物は、少なくともイソシアネート系架橋剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
【請求項8】
前記粘着剤層の厚さは5μm超50μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
【請求項9】
ステンレス鋼板に対する180度剥離強度が10N/25mm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
【請求項10】
電子機器において部材の固定に用いられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、両面粘着シートに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般に粘着剤(感圧接着剤ともいう。以下同じ。)は、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により被着体に接着する性質を有する。かかる性質を活かして、粘着剤は、スマートフォン等の携帯電子機器や家電製品から自動車、OA機器等の各種産業分野において、典型的には粘着剤層を含む粘着シートの形態で、部品の接合や表面保護等の目的で広く利用されている。粘着シートに関する技術文献としては、特許文献1,2が挙げられる。特許文献1,2には、ヘプチルアクリレートをモノマー成分として用いて重合されたアクリル系ポリマーを含む粘着剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/125247号
国際公開第2021/125278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粘着シートには、適用箇所や使用態様等に応じて様々な性能が求められる。例えば、両面粘着シートによる携帯電子機器内の部材固定は、サイズ、重量等の制限のため、通常、その接着面積は小さい。当該用途に用いられる両面粘着シートは、小面積でも良好な固定を実現し得る接着力を有することが必要であり、その要求性能は、軽量化、小型化の要請から、より高レベルなものとなっている。
【0005】
また、接合固定に用いられる両面粘着シートは、接着固定部分の形状に適合するよう所定の形状(外形)に加工された後、被着体に貼り付ける態様で用いられ得る。例えば、上記携帯電子機器の部材固定においては、両面粘着シートは、打ち抜き加工等の切断加工処理により帯形状や枠形状など接着固定部分の形状に加工された後、部材の固定に用いられる。このような態様で用いられる両面粘着シートでは、粘着剤が柔らかすぎると、切断加工時に粘着剤のはみ出しが生じ、粘着性能の安定性が損なわれたり、加工精度が低下し、不具合の原因となる。したがって、打ち抜き加工等の切断加工処理が施されて使用される両面粘着シートの粘着剤は、上記加工処理に対応し得る十分な硬さを有するよう設計することが望ましい。
【0006】
ところで、両面粘着シートは、通常、使用前(すなわち、被着体に貼り付けられる前)においては、生産性、取扱い性などの観点から、剥離ライナーで各粘着面が保護された剥離ライナー付き両面粘着シートの形態で取り扱われる。両面粘着シートの粘着面を剥離ライナーで保護することにより、粘着面は平滑に保持され、被着体表面によく密着して所期の粘着特性を発揮することができる。また、剥離ライナーに保護されて平滑に保持された粘着面を有する粘着シートは、被着体に均質に貼り付けられて、上記被着体表面が視認される場合に良好な外観を提供し得る。上記両面粘着シートは、例えば、2枚の剥離ライナーで各粘着面が保護された剥離ライナー付き両面粘着シートを巻回したロール体(剥離ライナー付き両面粘着シートロール)に成形されて、流通、保管され、加工に供される。
【0007】
しかし、上記両面粘着シートの製造において、例えば、剥離ライナー付き両面粘着シートをロールに巻き取るプロセスでは、2枚の剥離ライナーの間に微小な異物が混入し、ロール内の圧力のため、該異物を原因として両面粘着シートに凹みが生じることがある。このような凹みは、両面粘着シートが被着体に貼り付けられた後も微小な凹みとして残存して視認され、外観品質の低下原因となることが懸念される。そのような視認可能なサイズの凹凸変形は、被着体に貼り付けられて安定してしまうと解消しない。特に近年、電子機器の表示部など両面粘着シートの適用箇所によっては、より高度な外観品質が求められる傾向があり、従来は問題とされなかったレベルの微細な凹凸変形が抑制された両面粘着シートが求められることが想定される。粘着剤を柔らかく設計すれば、上記微細な凹凸変形はある程度緩和されると考えられるが、その反面、打ち抜き加工等の加工時における加工性が低下することが懸念される。上記微細な凹凸変形の抑制と加工性とはトレードオフの関係にあるため、両立は難しい。
【0008】
本発明者らは鋭意検討の結果、ヘプチルアクリレートをモノマー成分として含むアクリル系ポリマーを用いる構成で、接合固定用途に適した高い接着力を有することができ、かつ、上記微細な凹凸変形の緩和性と、打ち抜き加工等における加工性とを両立し得る両面粘着シートを創出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、高い接着力を有することが可能で、かつ上記微細な凹凸変形の緩和性と加工性とを両立し得る両面粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この明細書によると、両面粘着シートが提供される。この両面粘着シートは、アクリル系ポリマーを含む粘着剤層を有する。上記アクリル系ポリマーは、ヘプチルアクリレートおよびカルボキシ基含有モノマーを含むモノマー成分の重合物である。また、上記モノマー成分は、上記カルボキシ基含有モノマーを3重量%以上含む。さらに、上記粘着剤層のゲル分率は40%よりも高い。そして、上記粘着剤層は、23℃での貯蔵弾性率が0.04MPa以上であり、かつ、23℃でのtanδが0.46以上である。ここで、tanδとは、上記粘着剤層の貯蔵弾性率G’に対する損失弾性率G”の比(G”/G’)をいう。
【0010】
モノマー成分としてヘプチルアクリレートを含み、さらにカルボキシ基含有モノマーを3重量%以上含むアクリル系ポリマーを用いることで、粘着剤は高い接着力を有することができる。また、粘着剤層は、上記アクリル系ポリマーを含む組成で、ゲル分率が40%よりも高く、かつ23℃での貯蔵弾性率が0.04MPa以上であるので、打ち抜き加工等の切断加工において加工性がよい。さらに、粘着剤層は、23℃でのtanδが0.46以上であるため緩和性がよく、粘着面の凹みなど粘着剤層に生じた微細な凹凸変形は、粘着剤の緩和作用により解消するか、和らげられる。上記23℃貯蔵弾性率0.04MPa以上と23℃tanδ0.46以上との両立は、ヘプチルアクリレートをモノマー成分として含むアクリル系ポリマーの使用により好適に実現され得る。要するに、上記構成によると、高い接着力を有することができ、かつ微細な凹凸変形の緩和性と加工性とを両立することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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