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公開番号2024040714
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145238
出願日2022-09-13
発明の名称フツリン酸ガラス及び光学素子
出願人HOYA株式会社
代理人個人
主分類C03C 3/247 20060101AFI20240318BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】
波長250nmの光の透過率が50%以上で、波長250nmの光の透過率が熔解条件による影響を受けにくいフツリン酸ガラスを提供することを目的とする。
【解決手段】
波長250nmにおける光の透過率が50%以上で、
Fe2O3に換算したFe成分の含有量が1質量ppm未満であり、
リンイオンに対する酸素イオンのモル比が3.50以上である、フツリン酸ガラス。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
波長250nmにおける光の透過率が50%以上で、
Fe



に換算したFeの含有量が1質量ppm未満であり、
リンイオンに対する酸素イオンのモル比が3.50以上である、フツリン酸ガラス。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
必須カチオン成分として、リン成分、アルミニウム成分、およびアルカリ土類金属成分の少なくとも一種を、必須アニオン成分として、F

およびO
2-
を含み、Na成分の含有量が10カチオン%以下である、請求項1に記載のフツリン酸ガラス。
【請求項3】
CuOに換算したCuの含有量が3質量ppm未満である、請求項1または2に記載のフツリン酸ガラス。
【請求項4】
100cm

当たりに含まれる泡の断面積の総和が0.10mm

未満である、請求項1または2に記載のフツリン酸ガラス。
【請求項5】
請求項1または2に記載のフツリン酸ガラスからなる光学素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、波長250nmの光の透過率がガラスの熔解条件によって影響を受けにくいフツリン酸ガラスに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
紫外線撮影用レンズ、水殺菌装置、紫外線硬化型樹脂の硬化装置、磁気記録媒体への書き込み装置、紫外線センサー等の深紫外域(例えば、波長域200~350nm)において高い出力を有する光源を備える装置に用いられる光学ガラスにおいて、より短波長の光をより高効率に透過する紫外線透過ガラスが望まれている。
【0003】
このような紫外線透過ガラスとして、特許文献1にはフツリン酸ガラスが開示されている。しかしながら、フツリン酸ガラスは、製造中に多量の泡が発生し、製造したガラス中に泡が残存するという問題がある。
泡の問題を解決するため、特許文献2には、フツリン酸塩ガラスにFeまたはCuの少なくとも一方を若干量加えることで、ガラス中の気泡の発生が抑制されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平3-93647公報
特開2012―91950公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、紫外線透過するフツリン酸ガラスについて詳細に検討した際に、熔解温度により、波長250nm付近の光の透過率が変動することがわかった。具体的には、図1に示すように、従来のフツリン酸ガラスでは、熔解温度を900℃から950℃にすることにより、波長200~350nm付近の光(例えば、波長250nmの光)の透過率が大きく悪化することがわかった。
本発明者らはさらに検討した結果、リンイオンに対する酸素イオンのモル比(O/P)が3.50以上であって、かつ、波長250nmの光の透過率が50%以上であるフツリン酸ガラスにおいて、Fe



に換算したFe成分の含有量を1質量ppmに抑えることで、波長250nmの光の透過率が熔解条件によって影響を受けにくいことを見出し、本発明に到達した。すなわち、」本発明は、比較的高い温度の熔解温度でも波長250nmの光の透過率が変動しにくいフツリン酸ガラスおよび前記フツリン酸ガラスからなる光学素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下を包含する。
[1] 波長250nmにおける光の透過率が50%以上で、
Fe



に換算したFe成分の含有量が1質量ppm未満であり、
リンイオンに対する酸素イオンのモル比が3.50以上である、フツリン酸ガラス。
[2] 必須カチオン成分として、リン成分、アルミニウム成分、およびアルカリ土類金属成分の少なくとも一種を、必須アニオン成分として、F

およびO
2-
を含み、Na成分の含有量が10カチオン%以下である、[1]に記載のフツリン酸ガラス。
[3] CuOに換算したCuの含有量が3質量ppm未満である、[1]または[2]に記載のフツリン酸ガラス。
[4]100cm

当たりに含まれる泡の断面積の総和が0.10mm

未満である、[1]または[2]に記載のフツリン酸ガラス。
[5] [1]または[2]に記載のフツリン酸ガラスからなる光学素子。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフツリン酸ガラスは、波長250nmの光の透過率が50%以上であって、更に波長250nmの光の透過率が熔解条件による影響を受けにくい、という特徴を有する。したがって、製造条件の変動に対して、紫外線透過率への影響が極めて少ない紫外線透過ガラスを提供できるため、ロットに関わらず紫外線透過率を一定に保つことが出来る。さらには波長250nmの透過率の変動が小さければ、必要により熔解温度を高く設定することによりガラス中に泡を減少させ、ガラスを高品質にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
比較例2として用いられたガラス3を製造するための熔解温度を900℃にして得られたガラス3の透過率曲線と、熔解温度を950℃にして得られたガラス3の透過率曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(光の透過率)
本発明の波長250nmにおける光の透過率とは、ガラス厚さ10mmにおける波長250nmの光の透過率である(以下、本明細書では、T250と表す場合がある)。
【0010】
ここで、波長250nmにおける光の透過率(T250、単位%)が熔解条件によって影響を受けにくいとは、ある一つの熔解条件(温度、時間)に対して、その熔解温度をより高い温度に設定した場合、または熔解時間をより長く設定した場合であっても、T250の値が低下しにくいことを意味する。好ましくは、熔解時間を同一にした場合(例えば熔解時間を1時間に設定した場合)、熔解温度900℃のときのT250の値(%)と、熔解温度950℃のときのT250の値(%)との差(T250
900
―T250
950
)が、4.0%未満、より好ましくは3.0%未満である。
(【0011】以降は省略されています)

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