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公開番号2024047906
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153674
出願日2022-09-27
発明の名称ガラス溶解方法およびガラス物品の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人
主分類C03B 5/193 20060101AFI20240401BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】均質性の高い高品質なガラス物品を製造する、技術の提供。
【解決手段】ガラス溶解方法は、ガラス溶解窯1でガラス原料を溶解させることを有する。ガラス溶解窯1は、第1室10と第2室20と障壁5とを備える。ガラス溶解窯1は、第1室10の底部に、ガラス溶解窯1の幅方向にわたって複数のバブラー16を有する。第1室10の上流端と下流端との流れ方向距離L1が0.5L0~0.75L0であり、第1室10の上流端と複数のバブラー16の列との流れ方向距離LFが0.65L1~0.9L1である。複数のバブラー16よりも上流側に形成される溶融ガラスGの上流側循環流100は、第1室10の上流端からの流れ方向距離が0.8LF~0.95LFにおける、第1室10の幅方向中央付近の上流側表層流101の平均流速V1Cが-8[m/h]~0[m/h]である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス原料が投入される第1室と、前記第1室の上部空間に火炎を形成する第1室バーナと、前記ガラス原料を溶解させてなる溶融ガラスが前記第1室から供給される第2室と、前記第2室の上部空間に火炎を形成する第2室バーナと、前記第1室と前記第2室の間に設けられる障壁と、を備えたガラス溶解窯で前記ガラス原料を溶解させることを有する、ガラス溶解方法であって、
前記ガラス溶解窯は、前記第1室の底部に、前記ガラス溶解窯の幅方向にわたって複数のバブラーを有し、
前記第1室の上流端と前記第2室の下流端との流れ方向距離をL

として、前記第1室の上流端と下流端との流れ方向距離L

が0.5L

~0.75L

であり、前記第1室の上流端と前記複数のバブラーの列との流れ方向距離L

が0.65L

~0.9L

であり、
前記複数のバブラーよりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流は、溶融ガラスの表面付近に前記第1室の上流方向に移動する上流側表層流を有し、前記第1室の上流端からの流れ方向距離が0.8L

~0.95L

における、前記第1室の幅方向中央付近の前記上流側表層流の平均流速V
1C
が-8[m/h]~0[m/h]であることを特徴とする、ガラス溶解方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記第1室の幅方向中央付近は、前記ガラス溶解窯の幅方向距離をWとして、前記第1室の側端から幅方向の内側に0.4W~0.6Wの位置である、請求項1に記載のガラス溶解方法。
【請求項3】
前記複数のバブラーと前記第1室の下流端との間に形成される溶融ガラスの下流側循環流は、溶融ガラスの表面付近に前記第1室の下流方向に移動する下流側表層流を有し、前記第1室の幅方向中央付近の前記下流側表層流の平均流速V
2C
が0[m/h]~+10[m/h]である、請求項1に記載のガラス溶解方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の溶解方法でガラス原料を溶解させることで溶融ガラスを得ることと、前記溶融ガラスを成形することで成形ガラスを得ることと、前記成形ガラスを徐冷することと、を有する、ガラス物品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス溶解方法およびガラス物品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス溶解窯は、その下部または上部に障壁を備える。障壁は、溶融ガラスと接触し、溶融ガラスの流れを遮る。障壁を備えるガラス溶解窯は、溶融ガラスの溶解性に優れており、特にガラス生産量を増加させるのに好適である。但し、障壁によって遮られた溶融ガラスが滞留すると、溶融ガラスの均質性が低下し、最終的に得られるガラス物品の均質性が低下するおそれがある。
【0003】
特許文献1では、均質性の高い高品質なガラス物品を製造するために、ガラス溶解窯の底部に、ガラス溶解窯の幅方向にわたって複数のバブラーが設けられる。複数のバブラーよりも上流側と下流側とのそれぞれに、溶融ガラスの循環流が形成される。特許文献1には、溶融ガラスの表層流の流速を制御するガラス溶解方法が提案されている。表層流は、溶融ガラスの表面付近の流れである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2015/033931号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のガラス溶解窯は、障壁を備えていない。障壁を備えていないガラス溶解窯と、障壁を備えるガラス溶解窯とは、溶融ガラスの溶解条件が大きく異なる。それゆえ、障壁を備えるガラス溶解窯に、特許文献1のガラス溶解方法をそのまま適用することはできない。また、特許文献1のガラス溶解窯は、ガラス生産量を増加させた場合、ある生産量以上だとガラス原料を溶解しきれなくなる。その結果、溶融ガラスの溶解性が悪くなるおそれがある。
【0006】
本発明の一態様は、上記課題に鑑みてなされたものであって、障壁を備えるガラス溶解窯を用いて、均質性の高い高品質なガラス物品を製造する、技術の提供を主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、ガラス原料が投入される第1室と、前記第1室の上部空間に火炎を形成する第1室バーナと、前記ガラス原料を溶解させてなる溶融ガラスが前記第1室から供給される第2室と、前記第2室の上部空間に火炎を形成する第2室バーナと、前記第1室と前記第2室の間に設けられる障壁と、を備えたガラス溶解窯で前記ガラス原料を溶解させることを有する、ガラス溶解方法であって、
前記ガラス溶解窯は、前記第1室の底部に、前記ガラス溶解窯の幅方向にわたって複数のバブラーを有し、
前記第1室の上流端と前記第2室の下流端との流れ方向距離をL

として、前記第1室の上流端と下流端との流れ方向距離L

が0.5L

~0.75L

であり、前記第1室の上流端と前記複数のバブラーの列との流れ方向距離L

が0.65L

~0.9L

であり、
前記複数のバブラーよりも上流側に形成される溶融ガラスの上流側循環流は、溶融ガラスの表面付近に前記第1室の上流方向に移動する上流側表層流を有し、前記第1室の上流端からの流れ方向距離が0.8L

~0.95L

における、前記第1室の幅方向中央付近の前記上流側表層流の平均流速V
1C
が-8[m/h]~0[m/h]であることを特徴とするガラス溶解方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ガラス生産量を増加させても溶融ガラスの溶解性に優れ、均質性の高い高品質なガラス物品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態によるガラス溶解窯の断面図である。
図1に示すガラス溶解窯の平面図である。
本発明の別の一実施形態によるガラス溶解窯の断面図である。
本発明の一実施形態によるガラス物品の製造方法を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態による上流側表層流の平均流速と天然ガス流量比との関係を示す図である。
本発明の一実施形態による上流側表層流の平均流速とガラス板のうねり指標との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一のまたは対応する構成には、同一のまたは対応する符号を付して説明を省略する。本明細書において、数値範囲を表す「~」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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