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公開番号2024033936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022137863
出願日2022-08-31
発明の名称車両用フロントガラスとその製造方法
出願人AGC株式会社
代理人個人
主分類C03C 27/12 20060101AFI20240306BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】導電体と端子とを無鉛半田を用いて接合した部分を含み、端子付け後のガラス板の破壊強度を高めることが可能な車両用フロントガラスの提供。
【解決手段】第1ガラス板(11)と、銀とガラスフリットとを含む材料からなり、端子接合部(20T)を有する導電体(20)と、導電体の端子接合部上に無鉛半田(101)を介して接合された端子(102)とを有する端子付きガラス板(11X)を含み、端子付きガラス板(11X)は、第1ガラス板(11)と端子接合部(20T)との間に、1つ以上の金属化合物層を含み、少なくとも最表面は絶縁性を有し、全体厚みが1000nm以下の、単層構造または積層構造の無機薄膜(30)を含む、車両用フロントガラス(1)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1ガラス板と第2ガラス板とが中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスを含む車両用フロントガラスであって、
前記合わせガラスは、前記第1ガラス板と、当該第1ガラス板の車内面の上に形成され、銀とガラスフリットとを含む材料からなり、端子が接合される端子接合部を有する導電体と、当該導電体の前記端子接合部上に無鉛半田を介して接合された端子とを有する端子付きガラス板を含み、
前記導電体は、電気的機能部を含むか、電気的機能部に電気的に接続されており、
前記導電体は、前記電気的機能部に給電するための給電部を含み、当該給電部が前記端子接合部を含み、
前記端子付きガラス板は、前記第1ガラス板と前記端子接合部との間に、1つ以上の金属化合物層を含み、少なくとも最表面は絶縁性を有し、全体厚みが1000nm以下の、単層構造または積層構造の無機薄膜を含む、車両用フロントガラス。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記無機薄膜は、気相成長膜である、請求項1に記載の車両用フロントガラス。
【請求項3】
前記端子接合部は、前記無機薄膜の直上に形成され、
前記第1ガラス板の前記車内面と前記導電体の前記端子接合部を除く少なくとも一部との間に、第1遮光層が形成され、
前記第1ガラス板の車外面、および、前記第2ガラス板の2つの表面のうちの少なくとも1つの表面の上に、平面視にて、前記導電体の前記端子接合部を覆う第2遮光層が形成された、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項4】
前記無機薄膜は、B、Al、Si、Ti、Cr、Ni、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、In、Sn、Hf、TaおよびWからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の、酸化物、窒化物および酸窒化物からなる群より選ばれる1種以上の金属化合物を含む1つ以上の金属化合物層を含む、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項5】
前記無機薄膜は、B、Al、Si、Ti、Cr、Ni、Ga、Y、Zr、Nb、Hf、TaおよびWからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の、酸化物、窒化物および酸窒化物からなる群より選ばれる1種以上の絶縁性金属化合物を含む1つ以上の絶縁性金属化合物層を含み、
前記無機薄膜が積層構造である場合、当該無機薄膜の少なくとも最表層が前記絶縁性金属化合物層である、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項6】
前記無機薄膜は、1つ以上の絶縁性金属化合物層と、金属および導電性金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む1つ以上の導電体層とを含み、
前記無機薄膜の少なくとも最表層が前記絶縁性金属化合物層である、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項7】
前記無機薄膜は、低反射機能、低放射機能、撥水機能、電熱機能、防曇機能、防汚機能、赤外線遮蔽機能、紫外線遮蔽機能およびp偏光反射機能からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能膜である、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項8】
前記第1ガラス板の前記車内面は、前記第1ガラス板の前記中間膜側の表面であり、かつ、前記第2ガラス板に覆われない露出部を有し、当該露出部に、前記導電体の前記端子接合部が形成された、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項9】
前記第1ガラス板の前記車内面は、前記第1ガラス板の前記中間膜側と反対側の表面である、請求項1または2に記載の車両用フロントガラス。
【請求項10】
前記第1ガラス板の前記車内面と前記導電体の前記端子接合部を除く少なくとも一部との間に、第1遮光層が形成され、
前記第2ガラス板の前記中間膜側の表面上に、平面視にて、前記導電体の前記端子接合部を覆う第2遮光層が形成された、請求項9に記載の車両用フロントガラス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用フロントガラスとその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の車両用の窓ガラスには、複数のガラス板が貼り合わされた合わせガラス、または強化ガラスが好ましく用いられる。一般的に、車両用フロントガラスの材料のガラス板は、周縁領域に遮光層が形成され、熱成形により曲面を有する形状に加工される。
電気的機能部を含むか、電気的機能部に接続される導電体と、ハーネスおよびケーブル等の給電用部材とを含む車両用フロントガラスが知られている。電気的機能部としては、電熱線、電熱層、アンテナ、調光層、発光素子およびこれらの組合せ等が挙げられる。導電体は、電気的機能部に給電するための給電部を含むことができる。
本明細書において、導電体を有するガラス板を「導電体付きガラス板」と言う。
【0003】
車両用フロントガラスでは、ワイパーに付着した霜、雪、および氷等を融かし、ワイパーの凍結を防止するために、フロントガラスの下端部および側端部等に、1本以上の電熱線からなる電気的機能部と、一対の給電用電極(バスバーとも言う。)等からなる給電部とを含む導電体が形成される場合がある。
【0004】
また、車両用フロントガラスの内面には、自動運転および衝突事故の防止等のために、車両前方の情報を取得する、ADAS(Advanced Driver Assistance systems)カメラ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、レーダーおよび光センサ等の光学機器と、これを収容するブラケット等と呼ばれる筐体とを含む光学装置が設置される場合がある。かかる構成では、光学装置によるセンシング精度を高めるために、光学機器の前方のガラス部分に、曇り、霜、雪および氷等の除去および付着を防止する1本以上の電熱線からなる電気的機能部と、一対の給電用電極(バスバー)等からなる給電部とを含む導電体が形成される場合がある。
【0005】
上記のような車両用フロントガラスでは、給電部の各給電用電極に、ハーネスおよびケーブル等の給電用部材が接合される。給電部は、発熱を目的としたものではなく、また、給電用部材を接合するための面積を必要とするため、電熱線よりも太く設計される。そのため、従来は、給電部は、車外にいる人に視認されないように、遮光層上に形成されることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2011/138600号
国際公開第2020/150324号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
遮光層は例えば、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストの塗工および焼成により形成できる。導電体は例えば、銀粉とガラスフリットとを含む銀含有ペーストの塗工および焼成により形成できる。セラミックペーストおよび銀含有ペーストの焼成は、ガラス板の熱成形と同時に実施できる。
【0008】
従来、給電部と給電用部材との接合は、半田を用いて行われている。
例えば、ワイヤーハーネス等の給電用部材の先端部に端子を固定し、この端子を給電部に半田を用いて接合している。半田としては、有鉛半田と無鉛半田がある。近年、鉛の環境への影響が懸念され、有鉛半田の法的規制が広がりつつあるため、無鉛半田を用いることが望まれている。
【0009】
一般的に、無鉛半田の融点は有鉛半田の融点より高く、例えば220℃程度であり、より高い温度(例えば300℃程度)で半田接合を行う必要がある。導電体付きガラス板において、導電体と端子とを無鉛半田によって接合する場合、ガラス板に局所的な高温加熱と高温から常温への降温とが起こる。降温の際には、ガラス板の熱膨張係数と無鉛半田の熱膨張係数との差に起因して、ガラス板と無鉛半田に熱収縮量の差が生じ、ガラス板と無鉛半田との間に歪みが生じ、導電体付きガラス板に応力(具体的には、引張応力)が発生する。そして、降温後にもこの応力が残留する場合がある。この残留応力が原因となり、車両用フロントガラスの製造後に、ガラス板にクラックが生じる恐れがある。また、無鉛半田は弾性率の低い鉛を含まないため、有鉛半田に比べ弾性率が高く、変形しにくい。よって、導電体付きガラス板に発生した残留応力が緩和しにくい。これら理由から、導電体と端子とを無鉛半田によって接合する場合、接合後のガラス板への残留応力の発生、およびそれによる製造後のクラック発生の問題が起こり得る。
本明細書において、導電体と端子とを有するガラス板を「端子付きガラス板」と言う。
【0010】
端子付け後のガラス板の破壊強度が低い場合、ガラス板に外力が加わった際に、ガラス割れが発生する恐れがある。特に、遮光層上に形成された給電部に対して、無鉛半田を用いて端子を接合する場合、端子付け後のガラス板の破壊強度が低下する傾向がある。
本明細書において、「端子付け前または端子付け後のガラス板の破壊強度」は、端子付け前または端子付け後のガラス板に荷重を加え、破壊した時点の荷重であり、後記[実施例]の項に記載の方法にて測定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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