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公開番号2024030759
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022133859
出願日2022-08-25
発明の名称ガラス積層体とその製造方法
出願人AGC株式会社
代理人個人
主分類C03C 17/30 20060101AFI20240229BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】耐初期クラック性およびアルカリ液接触後の耐摩耗性に優れた被膜を備えた、車両サイドガラス用のガラス積層体の提供。
【解決手段】ガラス基材(10)と、シロキサン結合および有機成分を含む被膜(20)とを有し、被膜は、ガラス積層体が窓開口部を完全に閉じた状態で窓開口部を含む領域に形成されており、平面視にて、車両のベルトライン(BL)を被膜の表面に沿って2.5cm上方に平行移動させた第1の仮想線(IL1)上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、被膜の膜厚(T[μm])とSi/Cモル比(R[-])とを測定したとき、式(1A)、(2A)および(3A)を充足する、ガラス積層体(1)。T≦8.3741×R-1.871・・・(1A)、T≧5.0120×R-0.290・・・(2A)、R≧0.4・・・(3A)。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス基材と、当該ガラス基材の一方の表面上に形成された、シロキサン結合と、Si原子に結合した有機基および有機化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機成分とを含む被膜とを有し、車両の窓開口部に開閉自在に取り付けられる車両サイドガラス用のガラス積層体であって、
前記被膜は、前記ガラス基材の前記表面上において、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で前記窓開口部を含む領域に形成されており、
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、平面視にて、前記車両のベルトラインを前記被膜の表面に沿って2.5cm上方に平行移動させた第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(1A)、(2A)および(3A)を充足する、ガラス積層体。
T≦8.3741×R
-1.871
・・・(1A)
T≧5.0120×R
-0.290
・・・(2A)
R≧0.4・・・(3A)
(式中、Tは被膜の膜厚[μm]であり、RはSi/Cモル比[-]である。)
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記被膜はさらに、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜のSi/Cモル比を測定したとき、下式(4A)を充足する、請求項1に記載のガラス積層体。
R≦0.8・・・(4A)
【請求項3】
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(1B)を充足する、請求項1または2に記載のガラス積層体。
T≦7.3741×R
-1.871
・・・(1B)
【請求項4】
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(2B)を充足する、請求項1または2に記載のガラス積層体。
T≧5.1714×R
-0.378
・・・(2B)
【請求項5】
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(2C)を充足する、請求項1または2に記載のガラス積層体。
T≧5.6000×R
-0.340
・・・(2C)
【請求項6】
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記ベルトライン上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(1A)、(2A)および(3A)を充足する、請求項1に記載のガラス積層体。
T≦8.3741×R
-1.871
・・・(1A)
T≧5.0120×R
-0.290
・・・(2A)
R≧0.4・・・(3A)
【請求項7】
前記被膜はさらに、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記ベルトライン上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜のSi/Cモル比を測定したとき、下式(4A)を充足する、請求項6に記載のガラス積層体。
R≦0.8・・・(4A)
【請求項8】
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、平面視にて、前記ベルトラインを前記被膜の表面に沿って5.0cm上方に平行移動させた第2の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(1A)、(2A)および(3A)を充足する、請求項1または6に記載のガラス積層体。
T≦8.3741×R
-1.871
・・・(1A)
T≧5.0120×R
-0.290
・・・(2A)
R≧0.4・・・(3A)
【請求項9】
前記被膜はさらに、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第2の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜のSi/Cモル比を測定したとき、下式(4A)を充足する、請求項8に記載のガラス積層体。
R≦0.8・・・(4A)
【請求項10】
前記被膜は、1つ以上の加水分解性基を有し、同種間または異種間で部分的に加水分解縮合していてもよい1種以上の加水分解性シリコン化合物を含む組成物の硬化物からなる、請求項1または2に記載のガラス積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラス積層体とその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の車両等の用途では、ガラス基材の表面に、紫外線および/または赤外線の遮蔽等の機能を有する機能膜を形成したガラス積層体が知られている。
特許文献1には、加水分解性シリコン化合物と、紫外線吸収剤および/または赤外線吸収剤とを含む液状組成物、並びに、この液状組成物を用いて形成された被膜を有するガラス物品が開示されている(請求項1、6、7、10)。
この文献にはまた、基材の表面に上記の液状組成物を塗布し塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱して硬化させる工程とを有する被膜の形成方法が開示されている(請求項15)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/129563号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機能膜は、初期状態で良好な機能を有し、かつ、長期使用後も良好な機能を維持できる耐久性を有することが好ましい。耐久性の1つとして、耐摩耗性が挙げられる。
車両サイドガラスの用途では、ガラス基材と機能膜とを含むガラス積層体を昇降させて、窓の開閉を行うことができる。かかる用途では、機能膜は、繰返し表面が擦られても、機能の低下が少ない耐摩耗性を有することが好ましい。
上記用途では、ガラス基材と機能膜とを含むガラス積層体の表面が、重曹等のアルカリ性の洗浄剤を用いて洗浄される場合がある。アルカリ性の洗浄剤を用いて洗浄された後で、繰返し表面が擦られた機能膜には、擦傷が生じる恐れがある。
【0005】
上記用途では、機能膜は、成膜性が良好で、成膜された時点でのクラック(初期クラックとも言う。)の生成が抑制される耐初期クラック性を有し、さらに、アルカリ液に接触した後で繰返し表面が擦られても、擦傷の生成が抑制される耐摩耗性を有することが好ましい。
特許文献1には、耐アルカリ性および耐摩耗性に優れる被膜を形成できることが記載されているが、耐アルカリ性の評価と耐摩耗性の評価とはそれぞれ独立した評価であり、被膜のアルカリ液接触後の耐摩耗性については、記載がない。
【0006】
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐初期クラック性およびアルカリ液接触後の耐摩耗性に優れた被膜を備えた、車両サイドガラス用のガラス積層体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下のガラス積層体とその製造方法を提供する。
[1] ガラス基材と、当該ガラス基材の一方の表面上に形成された、シロキサン結合と、Si原子に結合した有機基および有機化合物からなる群より選ばれる1種以上の有機成分とを含む被膜とを有し、車両の窓開口部に開閉自在に取り付けられる車両サイドガラス用のガラス積層体であって、
前記被膜は、前記ガラス基材の前記表面上において、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で前記窓開口部を含む領域に形成されており、
前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、平面視にて、前記車両のベルトラインを前記被膜の表面に沿って2.5cm上方に平行移動させた第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(1A)、(2A)および(3A)を充足する、ガラス積層体。
T≦8.3741×R
-1.871
・・・(1A)
T≧5.0120×R
-0.290
・・・(2A)
R≧0.4・・・(3A)
(式中、Tは被膜の膜厚[μm]であり、RはSi/Cモル比[-]である。)
【0008】
[2] 前記被膜はさらに、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜のSi/Cモル比を測定したとき、下式(4A)を充足する、[1]のガラス積層体。
R≦0.8・・・(4A)
【0009】
[3] 前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(1B)を充足する、[1]または[2]のガラス積層体。
T≦7.3741×R
-1.871
・・・(1B)
【0010】
[4] 前記被膜は、前記ガラス積層体が前記窓開口部を完全に閉じた状態で、前記第1の仮想線上にある、互いに隣接する2つの測定点の間隔が5.0cm以上である任意の複数の測定点において、前記被膜の膜厚とSi/Cモル比とを測定したとき、下式(2B)を充足する、[1]~[3]のいずれかのガラス積層体。
T≧5.1714×R
-0.378
・・・(2B)
(【0011】以降は省略されています)

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