TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024038897
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-21
出願番号2022143244
出願日2022-09-08
発明の名称内燃機関の燃料噴射制御装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 41/06 20060101AFI20240313BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】アルコール、ガソリン、アルコールとガソリンとの混合燃料のいずれかを燃料として使用可能とする内燃機関において、短時間で始動可能な燃料噴射量を導き出して、内燃機関始動時におけるバッテリー消耗を低減する内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】アルコール、ガソリン、アルコールとガソリンとの混合燃料のいずれかを燃料として使用可能とする内燃機関の燃料噴射制御装置において、3つ以上の燃料噴射量制御マップを有し、内燃機関1の停止直前燃料噴射量制御マップMxを記憶し、内燃機関1の始動時に停止直前燃料噴射量制御マップMxを選択燃料噴射量制御マップMSとして内燃機関1の始動を開始し、内燃機関1が始動不良と判定すると選択燃料噴射量制御マップMsを選択燃料噴射量制御マップMSのマップ番号順における隣り合う噴射量制御マップMS+1,MS-1のさらに隣の燃料噴射量制御マップMS+2,MS-2に切り替える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
アルコール、ガソリン、アルコールとガソリンとの混合燃料のいずれかを燃料として使用可能な内燃機関(1)に用いられ、
前記燃料のいずれかが貯留される燃料タンク(5)と、
前記燃料タンク(5)に貯留された燃料を内燃機関(1)に供給する燃料噴射装置(7)と、
前記燃料噴射装置(7)の燃料噴射量を、前記燃料のアルコール濃度に応じて制御する内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記燃料のアルコール濃度の範囲に応じて前記内燃機関(1)の燃料噴射量の制御を行う3つ以上の燃料噴射量制御マップ(M
1
,M
2
,M
3
,M
4
)を有し、
複数の前記燃料噴射量制御マップ(M
1
,M
2
,M
3
,M
4
)は、対応するアルコール濃度が低いものから高いものへと向かって、順次マップ番号が割り振られ、
複数の前記燃料噴射量制御マップ(M
1
,M
2
,M
3
,M
4
)は、前記燃料のアルコール濃度に基づいて選択された選択燃料噴射量制御マップ(M

)の前記マップ番号順における隣り合う燃料噴射量制御マップ(M
S+1
,M
S-1
)は、前記燃料のアルコール濃度に基づいて内燃機関(1)が始動可能に構成され、
前記内燃機関(1)の停止時に、前記内燃機関(1)の停止直前の停止直前燃料噴射量制御マップ(M

)を記憶し、
前記内燃機関(1)の始動時において、前記停止直前燃料噴射量制御マップ(M

)を前記選択燃料噴射量制御マップ(M
S
)とし、
前記選択燃料噴射量制御マップ(M
S
)に基づく燃料噴射量により前記内燃機関(1)の始動を開始し、
前記内燃機関(1)が始動不良と判定された場合には、前記選択燃料噴射量制御マップ(M

)を、前記選択燃料噴射量制御マップ(M
S
)の前記マップ番号順における隣り合う燃料噴射量制御マップ(M
S+1
,M
S-1
)のさらに隣の燃料噴射量制御マップ(M
S+2
,M
S-2
)に切り替えて、前記内燃機関(1)の始動を開始することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記燃料噴射量制御マップ(M
1
,M
2
,M
3
,M
4
)は、4つあることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンでもアルコールでも、これらの両方を混合した混合燃料でも運転可能なフレキシブル・フューエル機能を備えた内燃機関の始動時における燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の観点から代替燃料として、アルコール燃料、特にバイオエタノールは太陽エネルギーによる光合成により成長した植物から作るので、燃料によりエネルギーを取り出しても、大気中のCO

の総量は増加しないため、カーボンニュートラル燃料として注目されている。
そこで、従来のガソリンを燃料として使用する内燃機関を備えた車両に代わって、近年、ガソリンでもアルコールでも、またはガソリンとアルコールを混合したアルコール混合燃料でも運転可能ないわゆるフレキシブル・フューエル機能を備えた内燃機関が搭載された車両が用いられている。このようなフレキシブル・フューエル機能を備えた内燃機関では、ガソリンを使用する内燃機関とは異なる課題がある。
【0003】
アルコール燃料やアルコール混合燃料は、アルコールのみの燃料、あるいはアルコールとガソリンの混合した燃料であって、アルコールの燃焼特性により、低温時では燃料の気化が促進されず、内燃機関が始動しにくい状況となる。
【0004】
さらに、アルコール混合燃料は、その混合比が異なるものが流通されており、例えば、エタノール100%のE100、ガソリンにエタノールが85%混合されたE85、ガソリンにエタノールが50%混合されたE50、ガソリンにエタノール25%が混合されたE25などがある。
【0005】
燃料を供給する際は内燃機関を停止して行うが、内燃機関停止前と濃度が異なるアルコール混合燃料が燃料タンクに供給されると、エンジン停止直前のアルコール濃度と異なるので、エンジン停止直前に制御装置が認識している濃度における最適な燃料噴射量でエンジン始動を行うと、燃料噴射量が不足する、あるいは過剰となって内燃機関を始動することができなくなる。
【0006】
そこで内燃機関の始動時において、始動判定手段により、ECU(エンジンコントロールユニット)に記憶されているエタノール濃度推定値において始動を開始し、内燃機関が始動不良と判定されると、第1エタノール濃度推定値とは異なる第2エタノール濃度推定値を用いて燃料噴射量の補正を行い、さらに内燃機関が始動不良と判定されると、第2エタノール濃度推定値とは異なる第3エタノール濃度推定値を用いて燃料噴射量の補正を行うものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-1469831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなフレキシブル・フューエル機能を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置では、内燃機関の始動時において、ECUに記憶されているエタノール濃度推定値において始動を開始し、内燃機関が始動不良と判定されると、エタノール濃度を推定し終えるまでに、エタノール濃度推定値を複数回変更するため、内燃機関が始動するまでに時間を要し、バッテリーの電気容量を消費してしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで上記課題を解決するために、本発明は、アルコール、ガソリン、アルコールとガソリンとの混合燃料のいずれかを燃料として使用可能な内燃機関に用いられ、
前記燃料のいずれかが貯留される燃料タンクと、
前記燃料タンクに貯留された燃料を内燃機関に供給する燃料噴射装置と、
前記燃料噴射装置の燃料噴射量を、前記燃料のアルコール濃度に応じて制御する内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記燃料のアルコール濃度の範囲に応じて前記内燃機関の燃料噴射量の制御を行う3つ以上の燃料噴射量制御マップを有し、
複数の前記燃料噴射量制御マップ(M
1
,M
2
,M
3
,M
4
)は、対応するアルコール濃度が低いものから高いものへと向かって、順次マップ番号が割り振られ、
複数の前記燃料噴射量制御マップは、前記燃料のアルコール濃度に基づいて選択された選択燃料噴射量制御マップの前記マップ番号順における隣り合う燃料噴射量制御マップにおいて、前記燃料のアルコール濃度に基づいて内燃機関が始動可能に構成され、
前記内燃機関の停止時に、前記内燃機関の停止直前の停止直前燃料噴射量制御マップを前記選択燃料噴射量制御マップとし、
前記内燃機関の始動時において、前記停止直前燃料噴射量制御マップを選択し、
前記選択燃料噴射量制御マップに基づく燃料噴射量により前記内燃機関の始動を開始し、
前記内燃機関が始動不良と判定された場合には、前記選択燃料噴射量制御マップを、前記選択燃料噴射量制御マップの前記マップ番号順における隣り合う燃料噴射量制御マップのさらに隣の燃料噴射量制御マップに切り替えて、前記内燃機関の始動を開始することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置である。
【0010】
本発明によれば、アルコール、ガソリン、アルコールとガソリンとの混合燃料のいずれかを燃料として使用可能な内燃機関の燃料噴射制御装置において、複数の燃料噴射量制御マップは、燃料のアルコール濃度に基づいて選択された燃料噴射量制御マップのマップ番号順における隣り合う燃料噴射量制御マップにおいても、燃料のアルコール濃度に基づいて内燃機関が始動可能に構成され、内燃機関の始動時において、内燃機関の直前の停止時に記憶した停止直前燃料噴射量制御マップを選択燃料噴射量制御マップとし、選択燃料噴射量制御マップに基づく燃料噴射量により内燃機関の始動を開始し、内燃機関が始動不良と判定された場合には、選択燃料噴射量制御マップを、選択燃料噴射量制御マップのマップ番号順における隣り合う燃料噴射量制御マップのさらに隣の燃料噴射量制御マップに切り替えて、内燃機関の始動を開始するので、短時間で内燃機関を始動可能な燃料噴射量を導き出し、内燃機関の始動時における着火性を向上させて内燃機関の始動性を向上させ、内燃機関の始動時におけるバッテリーの消耗を低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社クボタ
エンジン
12日前
個人
水素バーナー発電機及び発電システム
2日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
2日前
本田技研工業株式会社
内燃機関
16日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
4日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の排気装置
3日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
16日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
9日前
日本製鉄株式会社
クランク軸
16日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関制御装置
16日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の点火時期制御装置
16日前
日立建機株式会社
運搬車両の管理システム
9日前
株式会社ミクニ
バルブ装置
9日前
株式会社ミクニ
バルブ装置
9日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の停止システム
12日前
株式会社セイブ・ザ・プラネット
内燃機関の制御方法
4日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関の停止システム
4日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の失火判定装置
16日前
本田技研工業株式会社
燃料供給装置
16日前
愛三工業株式会社
弁システム
9日前
株式会社筑水キャニコム
斜面除草車両
16日前
本田技研工業株式会社
燃料供給装置
16日前
トヨタ自動車株式会社
オイル回収構造
11日前
愛三工業株式会社
弁装置
3日前
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
10日前
スズキ株式会社
内燃機関の制御装置
10日前
本田技研工業株式会社
内燃機関システム
2日前
株式会社オティックス
リフタ構造
9日前
ダイハツ工業株式会社
エンジン点火装置
2日前
スズキ株式会社
内燃機関のシリンダヘッド
3日前
株式会社SUBARU
酸素発生装置
10日前
日産自動車株式会社
内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置
4日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の排気装置、内燃機関及び鞍乗型車両
16日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の制御方法および内燃機関の制御装置
16日前
本田技研工業株式会社
内燃機関の制御方法および内燃機関の制御装置
16日前
株式会社セイブ・ザ・プラネット
内燃機関の燃料供給装置および燃料供給方法
4日前
続きを見る