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公開番号2024033008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2024015940,2021159011
出願日2024-02-05,2021-09-29
発明の名称ポリエステル系樹脂組成物
出願人長瀬産業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 67/02 20060101AFI20240305BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリエステル系樹脂の結晶化速度が速く、成形サイクルに優れるポリエステル系樹脂組成物であって、耐熱性、剛性等の機械的特性に優れた成形体を形成し得るポリエステル系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂と、フィラーと、フィラー分散剤および/またはフィラー結着剤とを含む、ポリエステル系樹脂組成物であって、該ポリエステル系樹脂組成物中、該フィラーの含有割合が、20重量%~70重量%である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエチレンテレフタレートと、フィラー造粒物とを溶融混練して得られるポリエステル系樹脂組成物であって、
該フィラー造粒物が、フィラーと、フィラー結着剤とを含み、
該フィラー結着剤が、ポリオレフィン系樹脂であり、
該ポリエステル系樹脂組成物中、該フィラーの含有割合が、20重量%~70重量%である、
ポリエステル系樹脂組成物。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記フィラー造粒物が、フィラー分散剤をさらに含む、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記フィラー分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリエステル系樹脂組成物中、フィラー分散剤およびフィラー結着剤の合計含有割合が、0.1重量%~10重量%である、請求項1から3のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項5】
前記フィラーとして、タルクを含む、請求項1から4のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項6】
耐衝撃改良剤をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項7】
耐加水分解性向上剤をさらに含み、
該耐加水分解性向上剤が、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物である、
請求項1から6のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項8】
23℃における曲げ弾性率が、3,000MPa以上である、請求項1から7のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項9】
荷重たわみ温度が、150℃以上である、請求項1から8のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
【請求項10】
前記ポリエチレンテレフタレートと、フィラー造粒物とを溶融混練することを含む、ポリエステル系樹脂組成物の製造方法であって、
該フィラー造粒物が、前記フィラーと、前記フィラー分散剤およびフィラー結着剤とを含み、
該フィラー結着剤が、ポリオレフィン系樹脂であり、
上記フィラー造粒物中、該フィラーの含有割合が、該フィラー造粒物100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である、
請求項1から9のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、樹脂材料のひとつとして、ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物(ポリエステル系樹脂組成物)が知られている。ポリエステル系樹脂では、結晶化速度が遅い場合があり、当該樹脂を含む樹脂組成物を溶融させた後の固化速度が遅く、ペレタイズが困難となり、さらには、ペレタイズ後、あるいはペレットの乾燥工程において、ペレット同士が融着して、ブロッキングが生じることもある。また、射出成形においては、成形サイクルが長くなるという問題もある。また、シート成形、押出成形等においては、非晶状態でしか成形できず、耐熱性が低下する等の問題もある。
【0003】
この問題を改善するために、ポリエステル系樹脂に対し、結晶化核剤となり得るフィラーを配合し、ポリエステル系樹脂の結晶化度を高める方法が知られている。結晶化度が高められたポリエステル系樹脂では、成形サイクルの短縮、耐熱性の向上、弾性率(剛性)の向上等、様々な利点をもたらす。ポリエステル系樹脂の結晶化度を高めるには、結晶核の発生頻度を高くすることが有効である。ポリエステル系樹脂組成物の中でも、特に、ポリエチレンテレフタレートのような結晶成長速度が著しく遅いポリエステル系樹脂において結晶化度を高めるには、フィラーの配合量を増やす、および/または粒子サイズを小さくする等の手法により、フィラー粒子濃度を高め、フィラー間距離を短くする必要がある。しかしながら、粉体状のフィラーは、一般に嵩比重が小さく、粉体の流動性が悪いために、高濃度のフィラーを押出機等の溶融混練装置に、精度よく、且つ、高い供給速度でフィードすることが困難となり、フィラー粒子濃度が十分に高い樹脂組成物を安定した組成精度で、且つ、高吐出で生産することが困難となるという問題が生じることがある。
【0004】
また、ポリエステル系樹脂組成物に高濃度でフィラーを配合すると、フィラーに含まれる不純物(例えば、Fe



、CaO、Al



不純物)、および/または、フィラーに付着した水分の影響により、ポリエステル系樹脂の加水分解が促進され得るという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポリエステル系樹脂の結晶化速度が速く、成形サイクルに優れるポリエステル系樹脂組成物であって、耐熱性、剛性等の機械的特性に優れた成形体を形成し得るポリエステル系樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂と、フィラーと、フィラー分散剤および/またはフィラー結着剤とを含む、ポリエステル系樹脂組成物であって、該ポリエステル系樹脂組成物中、該フィラーの含有割合が、20重量%~70重量%である。
1つの実施形態においては、上記フィラー分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記フィラー結着剤が、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアルキレングリコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂およびエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記フィラー結着剤が、ポリオレフィン系樹脂である。
1つの実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂組成物中、フィラー分散剤およびフィラー結着剤の合計含有割合が、0.1重量%~10重量%である。
1つの実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂組成物は、上記フィラーとして、タルクおよび/またはマイカを含む。
1つの実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂組成物は、耐衝撃改良剤をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂組成物は、耐加水分解性向上剤をさらに含み、該耐加水分解性向上剤が、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物である。
1つの実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂組成物は、23℃における曲げ弾性率が、3,000MPa以上である。
1つの実施形態においては、上記ポリエステル系樹脂組成物は、荷重たわみ温度が、150℃以上である。
本発明の別の局面によれば、ポリエステル系樹脂組成物の製造方法が提供される。この製造方法は、上記ポリエステル系樹脂と、フィラー造粒物とを溶融混練することを含む、ポリエステル系樹脂組成物の製造方法であって、該フィラー造粒物が、前記フィラーと、前記フィラー分散剤および/またはフィラー結着剤とを含み、上記フィラー造粒物中、該フィラーの含有割合が、該フィラー造粒物100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
本発明のさらに別の局面によれば、上記ポリエステル系樹脂組成物から形成された、射出成形体が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記ポリエステル系樹脂組成物から形成された、押出成形体が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記ポリエステル系樹脂組成物から形成された、シート状賦形物が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポリエステル系樹脂の結晶化速度が速く、成形サイクルに優れるポリエステル系樹脂組成物であって、耐熱性、剛性等の機械的特性に優れた成形体を形成し得るポリエステル系樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.ポリエステル系樹脂組成物
A-1.ポリエステル系樹脂組成物の概要
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂と、フィラーと、フィラー分散剤および/またはフィラー結着剤とを含む。ポリエステル系樹脂組成物中の上記フィラーの含有割合は、20重量%~70重量%である。「フィラーの含有割合」、ならびに、後述の「ポリエステル系樹脂の含有割合」、「フィラーの含有割合」、「フィラー分散剤の含有割合」および「フィラー結着剤の含有割合」等の各成分の含有割合はそれぞれ、ポリエステル系樹脂組成物中の全固形分を基準とした重量割合である。
【0009】
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、フィラーを高濃度で含み得るため、ポリエステル系樹脂の結晶化速度が速く、成形サイクルに優れる。また、ポリエステル系樹脂由来の特性を好ましく有し、例えば、耐熱性、剛性等の機械的特性に優れた成形体を形成し得る。また、フィラー分散剤および/またはフィラー結着剤と共にフィラーを含むことにより、当該フィラー添加の効果(例えば、結晶化核剤としての機能発揮)が、従来よりも効果的に付与され得る。
【0010】
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物は、フィラー分散剤および/またはフィラー結着剤を含むことにより、ポリエステル系樹脂の加水分解が抑制され得る。このようなポリエステル系樹脂組成物は、フィラー選択の自由度が高く、成形サイクル向上の観点からも有利である。
(【0011】以降は省略されています)

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