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公開番号2024030298
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022133077
出願日2022-08-24
発明の名称成形用樹脂組成物、および成形体
出願人artience株式会社
代理人
主分類C08F 220/10 20060101AFI20240229BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、耐熱性に優れ、様々な樹脂との相溶性が良好で、透明性が良好な成形体を形成できる、従来よりも簡易に合成できる成形用樹脂の提供を目的とする。
【解決手段】紫外線吸収性単量体単位、主鎖を構成するN置換環状イミド単位、および環含有(メタ)アクリレート単位(ただし、紫外線吸収部位を有さない)を含み、重量平均分子量5,000~60,000である成形用樹脂。なお、メチルメタクリレート単位は、全単量体単位中、20質量%以下であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紫外線吸収性単量体単位、主鎖を構成するN置換環状イミド単位、および環含有(メタ)アクリレート単位(ただし、紫外線吸収部位を有さない)を含み、重量平均分子量5,000~60,000である成形用樹脂。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
さらにメチルメタクリレート単位を含有し、前記メチルメタクリレート単位は、全単量体単位中、20質量%以下である、請求項1に記載の成形用樹脂。
【請求項3】
さらにチオール系連鎖移動剤残基を含む、請求項1に記載の成形用樹脂。
【請求項4】
前記チオール系連鎖移動剤残基を全単量体単位100質量部に対して、0.01~5質量部含む、請求項3に記載の成形用樹脂。
【請求項5】
主鎖を構成するN置換環状イミド単位を全単量体単位中、3~25質量%含む、請求項1に記載の成形用樹脂。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の成形用樹脂、および熱可塑性樹脂を含む、成形用樹脂組成物。
【請求項7】
請求項6記載の成形用樹脂組成物を成形してなる、成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用樹脂組成物、および成形体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子部材や包装容器は、軽量・小型化が進み、特に透明性が要求されるような用途では、従来ガラスが使用されていた部材から透明性が良好な樹脂への置き換えが進んでいる。例えば、ポリメタクリル酸メチルやポリカーボネートを代表とする透明性樹脂は、成形性、加工性が良好で、割れにくい、さらに軽量、安価という特徴などから、液晶ディスプレイや光ディスクなどへの展開が検討されている。また、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などは、成形性や視認性から包装容器や包装フィルムなどに使用されている。しかし、これらの樹脂材料は、紫外線によって劣化が生じるため、用途によっては紫外線吸収剤を配合して使用される。しかし、一般的な紫外線吸収剤は分子量が低く、耐熱性が劣っており、単に配合しただけでは、これらの透明性樹脂を成形する際の熱によって紫外線吸収剤が揮散して押出機のベント、排気系などでの紫外線吸収剤の詰まりが発生する問題があった。またTダイでの製膜工程においても、Tダイから吐出された時に溶融状態のフィルムから紫外線吸収剤が揮散して冷却ロールへ付着したり、メヤニとなり、フィルム欠陥の原因となっていた。さらに、透明性樹脂種によっては、紫外線吸収剤との相溶性が悪く、透明性の低下やフィルム表面への溶出なども問題となっており、透明樹脂種によって紫外線吸収剤を使い分ける必要があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、特許文献1には、紫外線吸収性モノマーおよびアクリル系モノマー等を共重合した成形用樹脂が開示されている。特許文献2には、紫外線吸収性モノマー、3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドエチルアクリレートおよびアクリル系モノマー等を共重合した成形用樹脂が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-127549号公報
特開2004-143344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の成形用樹脂は、紫外線吸収剤に起因する問題は解決したものの、耐熱性が不足し成形体が黄変する問題があった。また、アクリル系樹脂以外の樹脂と相溶性が悪く、様々な樹脂を使用して成形体を作製できない問題があった。さらに、特許文献1の成形用樹脂は、塊状重合で合成するため製造コストが高く、製造スケールを拡大し難い問題があった。
【0006】
本発明は、耐熱性に優れ、様々な樹脂との相溶性が良好で、透明性が良好な成形体を形成できる、従来よりも簡易に合成できる成形用樹脂の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の成形用樹脂は、紫外線吸収性単量体単位、主鎖を構成するN置換環状イミド単位、および環含有(メタ)アクリレート単位(ただし、紫外線吸収部位を有さない)を含み、重量平均分子量5,000~60,000である。
【発明の効果】
【0008】
上記の本発明によれば、耐熱性に優れ、様々な樹脂との相溶性が良好で、透明性が良好な成形体を形成でき、従来よりも簡易に合成できる成形用樹脂を提供できる。また、本発明は、成形用樹脂組成物および成形体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書等の用語を定義する。本明細書等において、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」「(メタ)アクリロイル」等は、「アクリル又はメタクリル」、「アクリレート又はメタクリレート」「アクリロイル又はメタクリロイル」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。また、単量体は、エチレン性不飽和基含有化合物を意味する。重合後の単量体を単量体単位、重合前を単量体という。
【0010】
本発明の成形用樹脂は、紫外線吸収性単量体単位、主鎖を構成するN置換環状イミド単位、および環含有(メタ)アクリレート単位(ただし、紫外線吸収部位を有さない)を含み、重量平均分子量5,000~60,000である。本発明の成形用樹脂は、熱可塑性樹脂を含む、成形用樹脂組成物として使用することが好ましい。成形用樹脂は、主鎖を構成するN置換環状イミド単位、および環含有(メタ)アクリレート単位を有することでアクリル樹脂以外のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂と共に成形するとこれら樹脂の透明性を損なわない成形体を形成できる。この理由として、本発明の成形用樹脂は、主鎖にN置換環状イミド由来の環構造単位を含むので、ガラス転移温度や軟化温度が高くなり耐熱性が向上する。そのため、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂などの高温成形が必要な樹脂と共に使用する場合、成形用樹脂の加熱劣化が少なく、透明性が良好な成形体を形成できる。また、成形用樹脂が疎水性で耐熱性が高い環含有(メタ)アクリレート単位を含むため、ポリオレフィン樹脂などの低極性樹脂との相溶性が高く、透明性が良好な成形体を形成できると推測する。このように本発明の成形用樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂等性状が異なる樹脂と共に使用できる汎用特性を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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