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公開番号2024026999
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-29
出願番号2022129661
出願日2022-08-16
発明の名称ブロック共重合体
出願人三菱ケミカル株式会社,国立大学法人広島大学
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 63/60 20060101AFI20240221BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐低温特性が優れた熱可塑性エラストマーの提供。
【解決手段】ソフトセグメント及びハードセグメントを有するブロック共重合体であって、前記ソフトセグメントが炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位及び脂肪族ジオールに由来するジオール単位からなる脂肪族ポリエステルセグメントであり、前記ハードセグメントがヒドロキシ酸に由来するヒドロキシ酸単位からなるポリエステルセグメントであり、前記脂肪族ジオールが側鎖置換基を持ちヒドロキシ基がいずれも第一級である脂肪族ジオールである、ブロック共重合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ソフトセグメント及びハードセグメントを有するブロック共重合体であって、
前記ソフトセグメントが炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸単位及び脂肪族ジオールに由来するジオール単位からなる脂肪族ポリエステルセグメントであり、
前記ハードセグメントがヒドロキシ酸に由来するヒドロキシ酸単位からなるポリエステルセグメントであり、
前記脂肪族ジオールが側鎖置換基を持ちヒドロキシ基がいずれも第一級である脂肪族ジオールである、
ブロック共重合体。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記ハードセグメントの割合が前記ソフトセグメント及び前記ハードセグメントの合計に対して5~70質量%である、請求項1に記載のブロック共重合体。
【請求項3】
前記脂肪族ジオールが、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,7-ヘプタンジオール、3-メチル-1,7-ヘプタンジオール、及び4-メチル-1,7-ヘプタンジオールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項4】
前記ヒドロキシ酸が1分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基をそれぞれ1個有するヒドロキシ酸である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項5】
前記ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸、及び4-ヒドロキシ酪酸からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項6】
前記炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸が炭素数7以上10以下の脂肪族ジカルボン酸である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項7】
前記炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸が、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項8】
トリブロック共重合体又はマルチブロック共重合体である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項9】
数平均分子量が8,000以上である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
【請求項10】
ガラス転移温度が-50℃以下である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はブロック共重合体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)は、常温ではゴム弾性を示し、加熱すると流動化して熱可塑性プラスチックと同様に成形できる性質を持った弾性材料である。TPEは、一般的な加硫ゴムと比較して、加工性及びリサイクル性に優れている。しかし、ほとんどのTPEは石油などの化石資源を原料として合成され、自然環境中で分解しにくい材料であることから、より環境負荷の低い材料の開発が望まれている。
TPEは、ガラス転移温度(T

)が低く柔軟なソフトセグメント(S)と、ガラス転移温度(T

)又は融点(T

)が高く塑性変形を防止する剛直なハードセグメント(H)とから構成され、H-S-H型トリブロック共重合体、多ブロック共重合体、又はグラフト共重合体などの構造を持つ。
一方、ポリ乳酸(PLA:polylactic acid)が環境にやさしい高分子材料として注目されている。PLAの原料である乳酸は糖類の乳酸発酵により再生可能資源から得られる。また、PLAはコンポスト中で高い生分解性を示す。一般的に生産されているPLAは、L-乳酸から合成されるポリ(L-乳酸)(PLLA:poly(L-lactic acid)であり、170℃程度の融点(T

)及び60℃程度のガラス転移温度(T

)を有する半結晶性高分子であり、室温では比較的硬質なプラスチックである。
TPEのハードセグメントとして、PLAを用いることにより、少なくとも部分生分解性を有するTPEとなる。ソフトセグメントも生分解性であれば、完全生分解性TPEを構築できる。いくつかのPLA-b-(ソフトセグメント)-b-PLA型のトリブロック共重合体が合成されている。
【0003】
非特許文献1には、バイオマス由来のメントン(M:menthone)から合成されるポリメンチド(PM:polymenthide)をソフトセグメント、ポリ乳酸(PLA)をハードセグメントとするトリブロック共重合体PLA-b-PM-b-PLAが高い破断伸度(~960%)を示したことが開示されている。
【0004】
非特許文献2には、ポリ(6-メチル-ε-カプロラクトン)(PMCL:poly(6-methyl-ε-caplolactone)をソフトセグメント、ポリ乳酸(PLA)をハードセグメントとするトリブロック共重合体PLA-b-PMCL-b-PLAがさらに高い破断伸度(~1880%)を示したことが開示されている。
【0005】
しかし、PMの単量体であるメントン(M)やPMCLの単量体である6-メチル-ε-カプロラクトン(MCL)は入手しやすいとはいえないことから、工業生産されており比較的入手しやすい原料から合成可能なソフトセグメントを用いることが検討されている。
【0006】
ε-カプロラクトン(CL)の重合により得られるポリ(ε-カプロラクトン)(PCL:poly(ε-caplolactone))は、生分解性高分子の一つである。PCLは、-60℃程度の低いT

を有するが、T

が60℃程度の半結晶性高分子である。TPEのソフトセグメントとしては非晶性であることが好ましい。
【0007】
非特許文献3には、ε-カプロラクトン(CL)をDL-ラクチド(DLLA:DL-lactide)と共重合することにより非晶性ランダム共重合体(P(CL-r-DLLA))を合成し、これを高分子開始剤としてL-乳酸(LLA:L-lactic acid)をブロック共重合することにより、PLLA-b-P(CL-r-DLLA)-b-PLLAを合成したこと(下式)が記載されている。また、得られたトリブロック共重合体PLLA-b-P(CL-r-DLLA)-b-PLLAは、LAブロック由来の高いTm及びP(CL-r-DLLA)ブロック由来の低いTg(-30℃前後)を有していたこと、並びに長いソフトセグメント及び短いハードセグメントを持つサンプル(75-600-75)は報告されているPLA含有TPEの中で最も高い破断伸度(2800%)を有していたこと、が開示されている。
【0008】
TIFF
2024026999000001.tif
61
170
【0009】
非特許文献4~6には、入手しやすい2-メチル-1,3-プロパンジオール(MP:2-methyl-1,3-propanediol)とコハク酸(SA:succinic acid)(非特許文献4)、グルタル酸(GA:glutaric acid)(非特許文献5)、又はアジピン酸(AA:adipic acid)(非特許文献6)との重縮合により生成する非晶性脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとして用いたPLLAとのトリブロック共重合体を合成したこと(下式)が開示されている。また、合成した非晶性脂肪族ポリエステルは、低いT

(PMPS,-44~-24℃;PMPG,-51~-46℃;PMPA,-53~-46℃)を有していたこと、PMPAは海水中で高い生分解性を示すこと、が開示されている。
【0010】
TIFF
2024026999000002.tif
75
170
【先行技術文献】
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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