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公開番号2024023312
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-21
出願番号2023194432,2020542758
出願日2023-11-15,2019-02-11
発明の名称神経変性疾患及び障害の治療のためのキメラ抗原受容体
出願人ザ トラスティーズ オブ ダートマス カレッジ
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類A61K 35/12 20150101AFI20240214BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】神経変性疾患または病態からなる対象者を治療する方法を提供する。
【解決手段】本開示は一般的に、新規のキメラ抗原受容体(「CAR」)、そのようなCARを発現する改変された調節性T細胞(「Treg」)、及び/または神経変性疾患を改変する分子、例えば酸化/炎症活性を防止する分子、または神経成長因子もしくは非古典的神経栄養因子のような神経細胞の成長/生存を促進する分子を発現するように設計されたTregに関するものである。また、本開示は一般的に、そのような改変されたTregを含む組成物、並びに特に神経変性疾患及びそれに関連する症状を治療及び予防するための、そして/または特に遺伝的因子によってリスクを有する人またはそのような神経変性疾患を発症する初期徴候を示す人において、そのような神経変性疾患の発症を遅らせるための治療薬としての、使用方法に関するものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
神経変性疾患または病態の発症に関連する1つ以上の危険因子を示し、および/または神経変性疾患または病態の診断に関連する1つ以上の兆候または症状を示す、神経変性疾患または病態からなる対象者を治療する方法であって、
少なくとも1つの(i)特定の神経変性疾患に関連する神経変性の部位に発現し、前記の特定の神経変性疾患または病態の症状に関連する異常タンパク質、及び/または(ii)特定の神経変性疾患に関連する神経変性の部位で異常発現(例えば過剰発現)しているタンパク質及び/または前記の特定の神経変性疾患または病態の症状に関連しているタンパク質を標的とする、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように設計された細胞、またはそれに加えて、神経変性疾患修飾分子(NDMM)を発現するように設計された細胞を有効量投与することを含み、
前記のCAR及びNDMMは、同一または異なる細胞によって発現されていてもよく、前記のCAR及びNDMM発現細胞は、前記の標的タンパク質を含む神経変性部位と接触する条件下で投与され、それによって、前記の異常または過剰発現タンパク質の発現に関連する神経変性疾患または病態、及び/または神経変性疾患または病態に関連する1つ以上の症状を予防、抑制、または治療する、方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記の神経変性の部位が中枢神経系に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の神経変性の部位が末梢神経系に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の神経変性部位が末梢神経系及び中枢神経系に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記CARを発現する細胞が免疫細胞を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記CARを発現する免疫細胞が、T細胞またはT細胞前駆細胞、好ましくはFOXP3

TregなどのT調節細胞(Treg)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記投与される細胞が、神経変性の部位で発現された少なくとも1つの異常なタンパク質を認識するCARを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記CARが、神経変性の部位で発現される少なくとも1つの異常なタンパク質または異常に発現されたタンパク質を認識するscFVまたはリガンドを含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記投与される細胞に含まれるCARが、DG01(配列番号:1)、DG02(配列番号:2)、DG03(配列番号:3)、DG04(配列番号:4)、DG05(配列番号:5)、DG06(配列番号:6)、及び/またはDG07(配列番号:7)、DG08(配列番号:8)、DG09(配列番号:9)、DG10(配列番号:10)、DG11(配列番号:11)、および/または前記構成物のいずれか1つ以上に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する構成物を含む、前記の請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記投与される細胞が、以下の構成物のうちの1つ以上を発現するように設計されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法:DG05-CD28-CD3ζ(DG05-28-3ζとも呼ばれる)(配列番号:24)、DG05-CD28tm-DAP10-CD3ζ(DG05-28tm-10-3ζとも呼ばれる)(配列番号:40)、DG05-CD28tm-CD44-CD3ζ(DG05-28tm-44-3ζとも呼ばれる)(配列番号:41)、DG05-CD28tm-CD3ζ(DG05-28tm-3ζとも呼ばれる)(配列番号:42)、DG05-CD28(DG05-28とも呼ばれる)(配列番号:43)、DG05-CD28tm(DG05-28tmとも呼ばれる)(配列番号:44)及び/または前記の構成物のいずれか1つ以上に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する構成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年2月9日に提出された62/628,632に優先権を主張し、参照までに、全内容がそのまま盛り込まれている。
助成金
続きを表示(約 6,000 文字)【0002】
本出願は、国立衛生研究所(以下、「NIH」)から授与された助成金番号R21 NS102556に基づく政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に対して一定の権利を有する。
シーケンスの開示
【0003】
本出願には、EFS-Webを介してASCII形式で提出されたシーケンスリストが含まれており、参照までに、全内容がそのままここに盛り込まれている。2019年2月6日に製造された前記のASCIIコピーは43252o2613と名付けられ、サイズは203,529バイトである。
【0004】
本開示は一般的に、新規のキメラ抗原受容体(以下、「CAR」)、そのようなCARを符号化する核酸、及び神経変性疾患を改変するように操作されたCAR及び/またはTregを発現するよう改変された調節性T細胞(以下、「Treg」)を含む構成物、例えば、酸化/炎症活動を防止する分子、または神経成長因子または非古典的神経栄養因子などの神経成長/生存を促進する神経変性疾患修飾分子を発現するように工学的に改変されている。また、本開示は概して、そのような改変されたTregを含む組成物、並びに特に神経変性疾患及びそれに関連する症状を治療及び予防するための、そして/または特に遺伝的因子によってリスクを有する人またはそのような神経変性疾患を発症する初期徴候を示す人において、そのような神経変性疾患の発症を遅らせるための治療薬としての、使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0005】
一般的に神経変性疾患は、ゆっくりと進行する中枢神経系(CNS)のニューロンの喪失によって特徴付けることができ、影響を受けるCNS領域によって実行される特定の脳機能(例:記憶、運動、認知)の障害をもたらすことがよくある。これらの神経変性疾患には、例えば、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、ハンチントン病、及び多系統萎縮症が含まれる。神経変性疾患は通常10年以上に及び、神経変性の実際の発症は臨床症状よりも何年も前に起こる可能性がある。
【0006】
アルツハイマー病(AD)は進行性の神経変性疾患であり、60歳以降の記憶障害と認知症の主な原因の1つとなっている。ミクログリアが媒介する神経炎症と異常なタンパク質の凝集体及び原線維の形成と共に、前頭皮質と海馬における神経細胞の機能不全と死が、ADの特徴である。高齢になるとその有病率は上昇し、米国では65歳以上で臨床ADと共存している人が450万人と推定されている。この数は、2050年までに1,300万人以上、さらには世界で1億3千万人以上に達すると予測されている(Hebert et al., Alzheimer disease in the United States (2010-2050) estimated using the 2010 census. Neurology 2013, 80:1778-83)
【0007】
散発性及び家族性のADの形態は、細胞外アミロイドベータ(Aβ)ペプチドの過剰産生及び/またはクリアランスの低下、並びにねじれたタウタンパク質繊維のニューロン内のもつれを有する。早期発症型ADの遺伝性常染色体優性の遺伝的基盤には、Aβ産生、凝集、またはクリアランスを変化させる遺伝子の変異を伴う。これらの遺伝子には、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、プレセニリン-1(PS1)、及びプレセニリン-2(PS2)が含まれる。Aβペプチドは自己オリゴマー化して小さな凝集体となり、びまん性プラークに発展する場合がある。Aβを単量体、オリゴマー形態、プラーク形態で結合する複数の抗体が製造されている(Montoli-Gaya L, Villegas S: Aβ-Immunotherapeutic strategies: a wide range of approaches for Alzheimer's desease treatment. Expert reviews in molecular medicine 2016, 18:e13)。神経炎症はADで発生することが知られており、Aβプラークの近くに関連する場合、より大きな神経変性がある(Heneka MT, et al.: Neroinflammation in Alzheimer's disease. The Lancet Neurology 2015, 14:388-405; Kreisl WC, et al: Distinct Patterns of increased translocator protein in Posterior cortical atrophy and amnestic Alxheimer's deases. Neurobial. Aging 2017, 51:132-40)。炎症性ミクログリア(中枢神経系の常駐マクロファージ)が神経変性や認知機能の低下に関与していることを示唆するデータがある(Kreisl WC et al.: Distinct patterns of increased tranlocator protein in posterior cortical atrophy and amnestic Alzheimer's disease. Neurobiol Aging 2017, 51: 132-40; Paolicelli RC, et al.: TDP43- Depletion in Microglia Promotes Amyloid Clearance but Also Induces Synapse Loss. Neuron 2017, 95:297,308.e6)。
【0008】
パーキンソン病の人は世界中に約750万人おり、罹患率は年齢が上がるにつれて次第に増加する(Hebert LE et al: Alzheimer disease in the United States (2010-2050) estimated using the 2010 census. Neurology 2013, 80:1778-83)。2030年までにPDと共存する人が900万人になると予想されている。この神経変性疾患の臨床症状は、安静時の振戦、筋肉の硬直、動きの鈍さ、姿勢の不安定などがある。これらの障害は、中脳の黒質緻密部におけるドーパミン産生ニューロンの慢性死によって引き起こされる。一般的に標準的な治療は、化学的前駆体である薬剤(レボドパ)またはその固有の分解をブロックする薬剤(モノアミン酸化酵素B阻害剤)を使用して、残りのニューロンによって生成される神経伝達物質ドーパミンの量を増強することである。また、いくつかのドーパミンアゴニストもまた、PDの治療における使用が承認されている。これらの3種類の薬剤は一過性の症状改善をもたらすが、PDの長期転帰にはほとんど影響を与えない(Montoliu-Gya L, Villegas S: Aβ-Immunotherapeutic strategies: a wide range of approaches for Alzheimer's disease treatment. Expert reviews in molecular medicine 2016,18:e13)。PDの治療戦略として考えられるのは、ドーパミンニューロンの継続的な死を防ぐことであるが、現在のところそのような治療法はない。
【0009】
PDにおけるドーパミンニューロン喪失の正確な病因はよく分かっていない。中枢神経系の常在マクロファージであるミクログリアによって媒介される異常に処理されたタンパク質と炎症は、ニューロンの喪失と一致する。タンパク質α-シヌクレインを含むレビー小体は、散発性及び家族性PDのドーパミンニューロンに見られる封入体である。細胞内封入体で発見されることに加えて、異常なα-シヌクレインは細胞外でも検出される(El-Agnaf OM, Salem SA, Paleologou KE, Curran MD, Gibson MJ, Corut JA, Schlossmacher MG, Allsop D: Detection of oligomeric forms of alpha-synuclein protein in human plasma as potential biomarker for Parkinson's disease. FASEB J 2006, 20:419-25; Alvarez-Erviti L, Couch Y, Richrdson J, Cooper JM, Wood MJ: Alpha-synuclein release by neurons activates the inflammatory response in a microglial cell line. Neurosci Res 20111, 69:337-42; Tokuda T, Quereshi MM, Ardah MT, Varghese S, Shehab SA, Kasai T, Ishigami N, Tamaoka A, Nakagawa M, El-Agnaf OM: Detection of elevated levels of alpha-synuclein oligomers in CSF from patients with Parkinson disease. Neurology 2010, 75:1766-72)。単量体α-シヌクレインの生理学的役割はよく分かっていない。しかし、異常なα-シヌクレインオリゴマーの形成は、PDの病因において重要であると考えられている。これは、タンパク質の自己凝集を引き起こし、遺伝性のPDを引き起こすα-シヌクレイン遺伝子の突然変異によってさらに支持されている。異常なα-シヌクレインがドーパミンニューロンの死をもたらすという1つの仮説は、有毒な神経炎症を引き起こすか、または増強することによるものである。オリゴマーα-シヌクレインフィブリルはミクログリアを活性化してフリーラジカルや炎症誘発性サイトカインを産出し、神経変性を引き起こす(Reynolds AD, Stone DK, Mosley RL, Gendelman HE: Nitrated {alpha}-synuclein-induced alterations in microglial innumity are regulated by CD4+ T cell subsets. J Immunol 2009, 182:4137-49; Alvarez-Erviti L, Couch Y, Richrdson J, Cooper JM, Wood MJ: Aspha-synuclein release by neurons activates the inflammatory response in a microglial cell line. Neurosci Res 2011, 69:337-42; Theodore S, Cao S, McLean PJ, Standaert DG: Targeted overexpression of human alpha-synuclein triggers microglial activation and an adaptive immune response in a mouse model of Pakinson disease. J Neuropathol Exp Nerol 2008, 67:1149-58; Zhang W, Wang T, Pei Z, Miller DS, Wu X, Block ML, Wilson B, Zhang W, Zhou Y, Hong JS, Zhang J: Aggregated alpha-synuclein activates microglia: a process leading to desease progression in Parkinson's disease. FASEB J2005, 19:533-42)。
【0010】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者は、脳や脊髄の進行性運動ニューロン喪失の結果として致命的な麻痺を発症する。米国ではALSの新しい症例が毎年約6,000件あり、一般的な発症年齢は40歳から70歳だが、20代の人々にも発症する可能性がある。ALSは特発性または遺伝性(10%程度)のいずれかであり、診断後に5年以上生きる人は約20%にすぎない。発生率が上昇しているため、効果的な治療的介入がないという状況は特に問題である(「参照、例:Caller TA 他:1997~2009年の米国、ニューイングランド北部における筋萎縮性側索硬化症の空間分析。Muscle Nerve 2013年、48:235~41)。主に脳や脊髄(ミクログリア)の常駐マクロファージによって駆動する永続的な神経炎症を抑制することは、有望な治療戦略と考えられている。ただし、これらのプロセスを従来の抗炎症薬で調整するのは困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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