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公開番号2024021708
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022124738
出願日2022-08-04
発明の名称距離計測装置
出願人株式会社デンソーウェーブ
代理人個人,個人
主分類G01S 17/894 20200101AFI20240208BHJP(測定;試験)
要約【課題】距離計測に関して、遠距離での距離分解能を低下させることなく、近距離での距離分解能を高め得る。
【解決手段】制御部は、全ての投光素子からそれぞれ同じ第1発光タイミングT1fで第1発光パルスP1fを発光させた後に、投光素子を特定可能に少なくとも一部の他の投光素子と異なる第2発光タイミングT2fで第2発光パルスP2fを発光させるように投光部を制御し、受光素子ごとに、第1パルス応答時間ΔT1に基づいてTOF計測したTOF計測距離と、第2パルス応答時間ΔT2が第1発光タイミングT1fとの時間差に等しくなる第2発光タイミングT2fから特定される投光素子と受光素子との紐付けによりステレオ計測したステレオ計測距離とのうち、計測距離が所定の距離閾値以上になる場合に、TOF計測距離を計測距離結果として出力し、計測距離が所定の距離閾値未満になる場合に、ステレオ計測距離を計測距離結果として出力する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
所定の計測対象領域に対して個別に所定の発光パルスを投光可能な投光素子が複数配置される投光部と、
複数の受光素子を備えて、複数の前記発光パルスが前記対象領域内の物体で反射した反射光をそれぞれ受光パルスとして受光する受光部と、
前記投光部を制御する制御部と、
前記受光部により受光された複数の受光パルスに基づいて前記計測対象領域内での距離計測を行う計測部と、
を備える距離計測装置であって、
前記制御部は、全ての前記投光素子からそれぞれ同じ第1発光タイミングで第1発光パルスを発光させた後に、当該投光素子を特定可能に少なくとも一部の他の投光素子と異なる第2発光タイミングで第2発光パルスを発光させるように前記投光部を制御し、
前記第1発光タイミングと前記第1発光パルスに応じて生じた受光パルスを受光した第1受光タイミングとの時間差を第1パルス応答時間、前記第1受光タイミングと前記第2発光パルスに応じて生じた受光パルスを受光した第2受光タイミングとの時間差を第2パルス応答時間とするとき、
前記計測部は、前記受光素子ごとに、前記第1パルス応答時間に基づいてTOF計測したTOF計測距離と、前記第2パルス応答時間が前記第1発光タイミングとの時間差に等しくなる前記第2発光タイミングから特定される前記投光素子と当該受光素子との紐付けにより算出される投光角及び受光角に基づいてステレオ計測したステレオ計測距離とのうち、計測距離が所定の距離閾値以上になる場合に、前記TOF計測距離を計測距離結果として出力し、計測距離が前記所定の距離閾値未満になる場合に、前記ステレオ計測距離を計測距離結果として出力することを特徴とする距離計測装置。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記受光素子は、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)であることを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項3】
前記計測部は、前記TOF計測距離と前記ステレオ計測距離との差が所定の距離差以上となる前記受光素子について計測結果を出力しないことを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項4】
前記計測部は、前記TOF計測距離と前記ステレオ計測距離との差に関する情報を前記計測距離結果の信憑性に関する情報として前記受光素子ごとに出力することを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、計測対象から受光した反射光を利用して計測対象までの距離を計測する距離計測装置に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、計測対象領域内の物体から受光した反射光を利用してその物体までの距離を計測する装置として、その物体に照射した光の反射光を検出したタイミング、すなわち、物体までを往復する光の飛行時間(TOF:Time of Flight)を利用する光学式の距離計測装置が採用されている。このような光学式の距離計測装置に関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される光学式測距センサが知られている。この光学式測距センサでは、受光素子としてSPAD(Single Photon Avalanche Diode)が採用されており、複数のSPADからそれぞれ出力される出力信号を合計した合成信号が所定の閾値以上になるタイミングで検出信号が生成されて、この生成タイミングと検出開始タイミングとの間の測定期間が計測される。そして、合成信号が増加するタイミング情報をさらに考慮して、1回の投受光において複数のSPADが反応した複数のタイミングを得ることで、光学式測距センサにおける光検出精度の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-158737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のSPADを使ったTOF計測方式では、光の飛来速度に基づいて距離を計算する必要があるが、その光の飛来速度は十分に高速なため、例えば、サンプリング間隔を1GHzとしたとしても、片道15cm程度の距離計測精度が原理的に限度となる。また、研究レベルにおけるSPAD単体でのサンプリングでは、より高速なサンプリング周波数の適用が可能(カスタム)であっても、例えば、アレイ状に配置した複数のSPADでは、同様の高サンプリング周波数化が困難になる。そのため、複数のSPADが採用されるTOF計測方式の測距センサでは、サンプリング周波数制約が距離分解能を決定する主要因になり、計測距離の遠近に関わらず距離分解能が一定となる一方で、近距離での距離分解能を向上させることが困難という問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、距離計測に関して遠距離での距離分解能を低下させることなく近距離での距離分解能を高め得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
所定の計測対象領域に対して個別に所定の発光パルスを投光可能な投光素子が複数配置される投光部(20,21)と、
複数の受光素子を備えて、複数の前記発光パルスが前記対象領域内の物体で反射した反射光をそれぞれ受光パルスとして受光する受光部(30,31)と、
前記投光部を制御する制御部(11)と、
前記受光部により受光された複数の受光パルスに基づいて前記計測対象領域内での距離計測を行う計測部(40)と、
を備える距離計測装置(10)であって、
前記制御部は、全ての前記投光素子からそれぞれ同じ第1発光タイミングで第1発光パルスを発光させた後に、当該投光素子を特定可能に少なくとも一部の他の投光素子と異なる第2発光タイミングで第2発光パルスを発光させるように前記投光部を制御し、
前記第1発光タイミングと前記第1発光パルスに応じて生じた受光パルスを受光した第1受光タイミングとの時間差を第1パルス応答時間(ΔT1)、前記第1受光タイミングと前記第2発光パルスに応じて生じた受光パルスを受光した第2受光タイミングとの時間差を第2パルス応答時間(ΔT2)とするとき、
前記計測部は、前記受光素子ごとに、前記第1パルス応答時間に基づいてTOF計測したTOF計測距離と、前記第2パルス応答時間が前記第1発光タイミングとの時間差に等しくなる前記第2発光タイミングから特定される前記投光素子と当該受光素子との紐付けにより算出される投光角(α)及び受光角(β)に基づいてステレオ計測したステレオ計測距離とのうち、計測距離が所定の距離閾値(Zth)以上になる場合に、前記TOF計測距離を計測距離結果として出力し、計測距離が前記所定の距離閾値未満になる場合に、前記ステレオ計測距離を計測距離結果として出力することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、制御部は、全ての投光素子からそれぞれ同じ第1発光タイミングで第1発光パルスを発光させた後に、当該投光素子を特定可能に少なくとも一部の他の投光素子と異なる第2発光タイミングで第2発光パルスを発光させるように投光部を制御する。計測部は、受光素子ごとに、第1パルス応答時間に基づいてTOF計測したTOF計測距離と、第2パルス応答時間が第1発光タイミングとの時間差に等しくなる第2発光タイミングから特定される投光素子と当該受光素子との紐付けにより算出される投光角及び受光角に基づいてステレオ計測したステレオ計測距離とのうち、計測距離が所定の距離閾値以上になる場合に、TOF計測距離を計測距離結果として出力し、計測距離が所定の距離閾値未満になる場合に、ステレオ計測距離を計測距離結果として出力する。
【0008】
これにより、計測距離が所定の距離閾値未満になる場合、すなわち、近距離では、近距離ほど距離分解能が高くなるステレオ計測での計測距離結果が出力され、計測距離が所定の距離閾値以上になる場合、すなわち、遠距離では、遠距離でも距離分解能が低下しないTOF計測での計測距離結果が出力される。特に、投光部から投光される第1発光パルス及び第2発光パルスの受光部での受光タイミングを利用するため、TOF計測用の投受光部とステレオ計測用の投受光部とを個別に設けることなく、1つの投光部と1つの受光部とでTOF計測とステレオ計測とを実施することができる。したがって、距離計測に関して遠距離での距離分解能を低下させることなく近距離での距離分解能を高め得る距離計測装置を、一組の投光部及び受光部で実現することができる。
【0009】
請求項2の発明では、受光素子は、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)であり、SPADは、応答特性が高く画素サイズを小さくできるので、距離計測に関する距離分解能を更に高めてその計測精度を向上させることができる。
【0010】
請求項3の発明では、計測部は、TOF計測距離とステレオ計測距離との差が所定の距離差以上となる受光素子について計測結果を出力しない。
(【0011】以降は省略されています)

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