発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、距離測定装置に関する。 続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】 【0002】 従来から、微小なギャップや変位を測定するための非接触式の距離センサとして、測定プローブとワークとの間の距離に応じた静電容量を測定する静電容量型センサがある。 【0003】 図2(A)には、静電容量型センサの基本的な構成である距離測定装置900Aが示されている。図2(A)に示されるように、距離測定装置900Aは、交流定電流源910を備えている。交流定電流回路910が発生する定電流Iの角周波数をω、電極ELとワークWK間の静電容量体の静電容量をC X とすると、静電容量体にかかる電圧V m は、交流のオームの法則から、次の(1)式で与えられる。 V m =I/(ωC X ) …(1) 【0004】 ここで、理想的な平行平板コンデンサの場合、電極ELの面積をA、真空誘導率をε 0 、測定ギャップgの比誘電率をε S とすると、静電容量C X は、C X =(ε 0 ε S A)/gで与えられるため、測定ギャップgは、次の(2)式で与えられる。 g=ε 0 ε S A/C X =[(ω×ε 0 ε S A)/I]×V m …(2) 【0005】 しかしながら、距離測定装置900Aでは、図2(A)に示されるように、接地されたワークWKに対向した有限の大きさの電極の端部で電気力線が乱れて平行電場では無くなる。このため、距離測定装置900Aでは、電気力線の乱れにより、C X =(ε 0 ε S A)/gの関係が得られず、正確な測定ギャップgを測定することができない。 【0006】 こうした電気力線の乱れを解消するものとして、図2(B)に示される距離測定装置900Bがある。距離測定装置900Bは、図2(B)に示されるように、電極として中心電極EL c とガード電極EL g とを備えている。また、距離測定装置900Bは、交流定電流回路910と、インピーダンス変換回路920である電圧バッファ回路とを備えている。 【0007】 距離測定装置900Bの中心電極EL c は、ワークWKとの間の測定ギャップgを計測するためのセンシングを行う。ガード電極EL g は、中心電極EL c が行うセンシングを補助する。ガード電極EL g の電位は、後述するように、中心電極EL c の電位と等しくなるため、中心電極EL c とガード電極EL g とは、あたかも一体の電極のように振る舞う。この結果、接地されたワークWKに対向した有限の大きさの電極の端部での電気力線の乱れはガード電極EL g の外周部のみで生じ、中心電極EL c の直下では平行な電気力線が保たれる。このため、静電容量C X の逆数が測定ギャップgに比例する関係、すなわち、1/C X =g/(ε 0 ε S A)の関係が得られることになる。 【0008】 このため、(1)式と、静電容量C X の逆数が測定ギャップgに比例する関係とから、次の(3)式が得られる。 V m =I/(ωC X ) =[I/(ωε 0 ε S A)]×g …(3) このように、電圧V m は測定ギャップgに比例した値となり、電圧V m を利用することは、測定ギャップgを測定するのに都合がよい。 【0009】 また、距離測定装置900Bでは、インピーダンス変換回路920の入力は中心電極EL c に接続され、インピーダンス変換回路920の出力はガード電極EL g に接続されている。このため、中心電極EL c 及びガード電極EL g は交流的に同電位となるので、中心電極EL c からガード電極EL g へ電流が流れることはない。この結果、中心電極EL c とガード電極EL g との間の浮遊容量の影響はキャンセルされる。 【0010】 また、距離測定装置900Bでは、中心電極EL c は、シールド編組の同軸ケーブルCVの内部導体に接続され、インピーダンス変換回路920の出力に接続されたガード電極EL g は、内部導体と絶縁されている同軸ケーブルCVの外側導体に接続されている。このため、インピーダンス変換回路920は、ドリブンシールドとして作用し、同軸ケーブルCV内の内部導体と外部導体間の静電容量の影響はキャンセルされる。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する