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公開番号2024015996
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-06
出願番号2023118609
出願日2023-07-20
発明の名称ハイドロゲル及びその製造方法
出願人公立大学法人大阪
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 99/00 20060101AFI20240130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】DNAの有する強靭性、剛直性、伸縮性、環境応答性などの特性を有効に活用することができるハイドロゲル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一実施態様のハイドロゲルは、DNAと、第3族元素~第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンと、水とを含み、前記DNAが前記金属のイオンにより架橋されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
DNAと、第3族元素~第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンと、水とを含み、前記DNAが前記金属のイオンにより架橋されている、ハイドロゲル。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記金属のイオンが、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンである、請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項3】
前記DNAが二重らせん構造を有する、請求項1又は2に記載のハイドロゲル。
【請求項4】
水分含有量が、前記DNA及び前記金属のイオンの合計100質量部を基準として、0.01質量部~20,000質量部である、請求項1又は2に記載のハイドロゲル。
【請求項5】
前記DNAの平均分子量が5,000~20,000,000である、請求項1又は2に記載のハイドロゲル。
【請求項6】
前記DNAの塩基又は塩基対あたりの前記金属のイオンのモル当量が0.001~100当量である、請求項1又は2に記載のハイドロゲル。
【請求項7】
DNAを含む第1水溶液と、第3族元素~第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の塩を含む第2水溶液とを混合することを含む、請求項1又は2に記載のハイドロゲルの製造方法。
【請求項8】
前記混合が、前記第1水溶液の中に前記第2水溶液を射出すること、前記第2水溶液の中に前記第1水溶液を射出すること、又は前記第1水溶液及び前記第2水溶液を共射出することを含む、請求項7に記載のハイドロゲルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ハイドロゲル及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
高分子ゲルは、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、周囲の環境に応答してその形状を変化させるソフトアクチュエータなどの材料として注目されている。
【0003】
資源管理、環境保全などの観点から、石油などの化石資源から作られる高分子材料を、生物資源由来のものに置き換えることが検討されている。デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)は、海洋生物の残渣などから得られる天然資源として、豊富に入手可能な高分子材料であり、高い環境親和性及び生体親和性を有する。そのため、DNAを高分子ゲルの材料として使用することが検討されている。
【0004】
非特許文献1(D. Wang et al., J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 22, 10114-10124)は、DNAのグアニン残基をポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)で架橋することにより、バイマオスDNAをゲル、膜及びプラスチックを含む多様な材料に直接変換する方法を記載している。
【0005】
非特許文献2(Z. Meng et al., Adv. Mater. 2022, 34, 3, 2106208)は、DNAの静電相互作用部位を利用した、DNA及びカチオン性界面活性剤を含むDNA系ネマチック液晶有機ゲルを記載している。非特許文献2のDNA系ネマチック液晶有機ゲルでは、DNAとカチオン性界面活性剤との間に生じる静電相互作用、及びカチオン性界面活性剤同士の間に生じる疎水性相互作用により、三次元ネットワークが形成されている。
【0006】
非特許文献3(S. B. Mitta et al., Adv. Mater. Interfaces 2022, 9, 14, 2200133)は、遺伝子DNAに過剰量の塩を添加して加熱する又は遺伝子DNAを融点まで加熱することにより一本鎖DNAに解離し、その後、冷却することにより一本鎖DNAを他の一本鎖DNAに水素結合を介して物理的に絡み合わせることで、DNAゲル電解質が形成されることを記載している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
D. Wang et al., J. Am. Chem. Soc. 2020, 142, 22, 10114-10124
Z. Meng et al., Adv. Mater. 2022, 34, 3, 2106208
S. B. Mitta et al., Adv. Mater. Interfaces 2022, 9, 14, 2200133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
2本鎖DNAは、水素結合、π-π相互作用、静電相互作用などにより高度に構造制御された二重らせん構造を有する。二重らせん構造は、強靭性、剛直性、及び伸縮性をDNAに付与することから、2本鎖DNAはゲルの材料として有望である。また、二重らせん構造は、水素結合、π-π相互作用、静電相互作用などの弱い相互作用によって安定化されているため、DNAの形状は周囲の温度、pH、イオン濃度等に応じて三次元的に大きく変化する。このように、2本鎖DNAは、周囲の温度、pH、イオン濃度等に対する環境応答性を示すことから、膨張率の異なる材料と組み合わせたソフトアクチュエータへの応用も期待される。
【0009】
非特許文献1では、DNAは架橋剤を介した共有結合で架橋されていることから、その二重らせん構造の少なくとも一部は失われる。そのため、DNAの本来有する強靭性、剛直性、及び伸縮性を有効に活用することができない。非特許文献2及び非特許文献3では、静電相互作用、疎水性相互作用又は水素結合を介してDNA鎖の三次元ネットワークを形成することによりDNAはゲル化される。静電相互作用、疎水性相互作用及び水素結合は弱い相互作用であることから、ハイドロゲルの強靭さを高めることは難しい。
【0010】
本開示は、DNAの有する強靭性、剛直性、伸縮性、環境応答性などの特性を有効に活用することができるハイドロゲル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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