TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024012142
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2023113415
出願日2023-07-11
発明の名称熱可塑性樹脂組成物
出願人日本エイアンドエル株式会社
代理人
主分類C08L 69/00 20060101AFI20240118BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、耐衝撃性、耐熱性、耐候性、寸法安定性及び熱安定性のバランスに優れる熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂、グラフト共重合体、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む共重合体、及びタルクを特定量含有する熱可塑性樹脂組成物、並びに、ポリカーボネート樹脂、グラフト共重合体、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む共重合体、タルク及びリン酸化合物を特定量含有する熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、及びタルク(D)を含み、下記条件(1)~(7)を満足する熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に40~80質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む単量体成分(b-2)とがグラフト重合して成るグラフト共重合体。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~45質量%。
(4)共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して成る共重合体。
(5)共重合体(C)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に0~39質量%。
(6)タルク(D)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~30質量%。
(7)熱可塑性樹脂組成物の樹脂pHが5.0~6.8である。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
リン酸化合物(E)を(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、0.01~1.5質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、タルク(D)及びリン酸化合物(E)を含み、下記条件(1)~(8)を満足する熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に40~80質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む単量体成分(b-2)とがグラフト重合して成るグラフト共重合体。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~45質量%。
(4)共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して成る共重合体。
(5)共重合体(C)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に0~39質量%。
(6)タルク(D)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~30質量%。
(7)リン酸化合物(E)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、0.01~1.5質量部。
(8)熱可塑性樹脂組成物の樹脂pHが6.8以下である。
【請求項4】
ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、タルク(D)及びリン酸化合物(E)を含み、下記条件(1)~(8)を満足する熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に40~80質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む単量体成分(b-2)とがグラフト重合して成るグラフト共重合体。
(3)グラフト共重合体(B)の樹脂pHが3~6.6である。
(4)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~45質量%。
(5)共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して成る共重合体。
(6)共重合体(C)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に0~39質量%。
(7)タルク(D)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~30質量%。
(8)リン酸化合物(E)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、0.01~1.5質量部。
【請求項5】
リン酸エステルを(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、3~13質量部含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐衝撃性、耐熱性、耐候性、寸法安定性及び熱安定性のバランスに優れる熱可塑性樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂とABS系樹脂からなる組成物(以下、PC/ABS系樹脂と記す)は、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性に優れることから、車両用部品、家庭電化製品、事務機器部品をはじめとする多様な用途に使用されている。特に、車両用部品等は大型化の傾向が見られ、形状がより複雑なデザインになる傾向にある。また、車両重量の軽量化のために、成形品肉厚は薄肉化に設計される傾向にあるため、成形加工性、耐衝撃性、及び耐熱性などの性能に優れている材料が求められている。その選択肢の一つとしてPC/ABS系樹脂が採用されるケースが見られる。
【0003】
PC/ABS系樹脂において、剛性や寸法安定性を向上させるべくガラス繊維やカーボン繊維等を配合した場合、耐衝撃性が低下し、更には成形品外観が低下する問題がある。これに対してタルクを配合した場合、成形品外観は良好になるものの熱安定性が低下し、射出成形の工程において成形品表面にシルバーと呼ばれる外観不良が発生するといった問題がある。
【0004】
そして、タルクを配合した場合の熱安定性を改善する方法として、例えば、特許文献1にはポリカーボネート樹脂、グラフト重合体、タルク及び燐酸エステル系化合物を含む樹脂組成物が開示されており、特許文献2には、芳香族ポリカーボネート樹脂を必須成分とした樹脂に顆粒状有機リン酸エステル化合物含有タルクとゴム性重合体を含む樹脂組成物が開示されており、特許文献3には、芳香族ポリカーボネート樹脂、乳化重合された熱可塑性樹脂及び構造式を規定した酸性リン酸エステルを含む樹脂組成物が開示されている。
【0005】
しかしながら、近年にみられる成形部品の大型化、形状デザインの複雑化や軽量化による薄肉化の傾向から成形温度も高くなる傾向にあり、より一層の熱安定性が求められており、未だ満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-138122号公報
【0007】
特開2010-229305号公報
【0008】
特開2012-158737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、耐衝撃性、耐熱性、耐候性、寸法安定性及び熱安定性のバランスに優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は以下の[1]~[5]で構成される。
[1] ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、及びタルク(D)を含み、下記条件(1)~(7)を満足する熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に40~80質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む単量体成分(b-2)とがグラフト重合して成るグラフト共重合体。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~45質量%。
(4)共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して成る共重合体。
(5)共重合体(C)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に0~39質量%。
(6)タルク(D)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~30質量%。
(7)熱可塑性樹脂組成物の樹脂pHが5.0~6.8である。
[2] リン酸化合物(E)を(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、0.01~1.5質量部含むことを特徴とする[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3] ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、タルク(D)及びリン酸化合物(E)を含み、下記条件(1)~(8)を満足する熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に40~80質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む単量体成分(b-2)とがグラフト重合して成るグラフト共重合体。
(3)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~45質量%。
(4)共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して成る共重合体。
(5)共重合体(C)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に0~39質量%。
(6)タルク(D)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~30質量%。
(7)リン酸化合物(E)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、0.01~1.5質量部。
(8)熱可塑性樹脂組成物の樹脂pHが6.8以下である。
[4] ポリカーボネート樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C)、タルク(D)及びリン酸化合物(E)を含み、下記条件(1)~(8)を満足する熱可塑性樹脂組成物。
(1)ポリカーボネート樹脂(A)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に40~80質量%。
(2)グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体(b-1)と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む単量体成分(b-2)とがグラフト重合して成るグラフト共重合体。
(3)グラフト共重合体(B)の樹脂pHが3~6.6である。
(4)グラフト共重合体(B)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~45質量%。
(5)共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合して成る共重合体。
(6)共重合体(C)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に0~39質量%。
(7)タルク(D)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%中に5~30質量%。
(8)リン酸化合物(E)の含有量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、0.01~1.5質量部。
[5]リン酸エステルを(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量部に対して、3~13質量部含むことを特徴とする[1]~[4]の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日本触媒
組成物
1か月前
三菱ケミカル株式会社
積層体
1か月前
株式会社ナリス化粧品
構造体
4日前
東レ株式会社
多孔質フィルム
1か月前
株式会社きもと
障子用フィルム
2か月前
株式会社コバヤシ
成形体
2か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
1か月前
株式会社松風
光硬化性組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物
27日前
株式会社日本触媒
無機粒子含有分散体
1か月前
サンノプコ株式会社
樹脂組成物
2か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
18日前
テクノUMG株式会社
物品
1か月前
AGC株式会社
水性分散液
1か月前
株式会社魁半導体
機能性粉体及び組成物
2か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
2か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
2か月前
株式会社カネカ
樹脂組成物およびフィルム
1か月前
ユニチカ株式会社
多孔質ポリアミドイミド
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
2か月前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
18日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
12日前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
19日前
東レ株式会社
重合装置および重合体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
株式会社日本製鋼所
プリプレグ製造装置
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
24日前
日本ユピカ株式会社
成形材
21日前
帝人株式会社
樹脂組成物および光学部材
1か月前
東京応化工業株式会社
硬化性組成物
2か月前
東ソー株式会社
両親媒性ポリマー溶液の調液方法
11日前
株式会社コバヤシ
成形体及びその製造方法
1か月前
松本油脂製薬株式会社
ポリマー粒子及びその用途
18日前
住友電気工業株式会社
成形体
2か月前
続きを見る