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公開番号2023136588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-29
出願番号2022042341
出願日2022-03-17
発明の名称セメント組成物の製造方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B28C 7/04 20060101AFI20230922BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約【課題】装置内の閉塞がなく、かつ、二酸化炭素の固定化量を多くすることができ、用途の限定がされにくいセメント組成物を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】セメント、骨材、セメント分散剤、及び水を含み、かつ、二酸化炭素を固定させてなるセメント組成物を製造するための方法であって、セメントの一部と、水の一部又は全部と、セメント分散剤を混合して、水セメント比が30~100%であるセメント含有混練物を得るセメント含有混練物調製工程と、セメント含有混練物の中に、固定の対象である二酸化炭素の気体の状態である炭酸ガスを供給して、炭酸化混練物を得る炭酸化混練物調製工程と、炭酸化混練物と、セメントの残部と、水の残部と、骨材を混練して、又は、炭酸化混練物と、セメントの残部と、骨材を混練して、セメント組成物を得るセメント組成物調製工程、を含むセメント組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セメント、骨材、セメント分散剤、及び水を含み、かつ、二酸化炭素を固定させてなるセメント組成物を製造するための方法であって、
上記セメントの一部と、上記水の一部又は全部と、上記セメント分散剤を混合して、水セメント比が30~100%であるセメント含有混練物を得るセメント含有混練物調製工程と、
上記セメント含有混練物の中に、固定の対象である上記二酸化炭素の気体の状態である炭酸ガスを供給して、炭酸化混練物を得る炭酸化混練物調製工程と、
上記炭酸化混練物と、上記セメントの残部と、上記水の残部と、上記骨材を混練して、又は、上記炭酸化混練物と、上記セメントの残部と、上記骨材を混練して、上記セメント組成物を得るセメント組成物調製工程、
を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
上記セメント組成物の水セメント比が、30~65%である請求項1に記載のセメント組成物の製造方法。
【請求項3】
上記セメント含有混練物調製工程において、上記セメント全量中の上記セメントの一部の量の割合が1~80質量%である請求項1又は2に記載のセメント組成物の製造方法。
【請求項4】
上記セメント含有混練物調製工程において、上記セメントの一部と、上記水の一部を混合し、かつ、上記水全量中の上記水の一部の量の割合が30~99質量%である請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の抑制のため、二酸化炭素の排出量の低減が重要な課題になっている。
これに関連して、セメント製造工場で発生する排ガス等から回収された二酸化炭素を、コンクリート等に固定化する技術が検討されている。
排ガス等の二酸化炭素含有ガスを、カルシウム含有粉末を含むスラリーに吹き込むことで、二酸化炭素をカルシウム含有粉末に固定化する工程を含む方法として、例えば、特許文献1には、セメントクリンカー粉末、石膏粉末、及び、炭酸化したカルシウム含有粉末を含むセメント粉末組成物を製造するための方法であって、炭酸化前の上記カルシウム含有粉末及び水を含むスラリーの中に、二酸化炭素含有ガスを供給して、炭酸化処理されたスラリーを得る炭酸化工程と、セメント製造用の仕上げミルの中に、セメントクリンカー、石膏、及び、上記炭酸化処理されたスラリーを供給して粉砕し、上記セメント粉末組成物を得る粉砕工程、を含むことを特徴とするセメント粉末組成物の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、セメント混合材の製造方法であって、生コンクリートスラッジまたは廃コンクリート微粉を加熱処理した後に、水と混合してスラリーとするスラリー化工程、前記スラリーに対して炭酸ガスを通過させて炭酸化する炭酸化工程を含むセメント混合材の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-152631号公報
特開2021-138574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セメントを含むスラリー等に二酸化炭素含有ガスを吹き込むことで、セメントに二酸化炭素を固定化する(以下、「炭酸化処理」ともいう。)場合、二酸化炭素含有ガスの吹き出し口、炭酸化処理を行うための槽内、及び配管内等において、炭酸カルシウムが析出、付着して、二酸化炭素含有ガスの吹き込みができなくなったり、装置が閉塞する場合があるという問題がある。
上記問題を防ぐために、セメントを含むスラリーの水の量を多くして、炭酸化処理を行う方法が考えられる。しかし、スラリーの水の量を多くした場合、炭酸化処理後のセメントを用いたセメント組成物(例えば、コンクリート)の水セメント比が大きくなるため、セメント組成物の用途が限定されるという問題がある。
本発明の目的は、二酸化炭素含有ガスが吹き込まれるセメント含有混練物の水の量を少なくしても、装置内の閉塞がなく、かつ、二酸化炭素の固定化量を多くすることができ、得られるセメント組成物の水セメント比が過度に大きくならないため、用途の限定がされにくいセメント組成物を得ることができるセメント組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメントの一部と水の一部又は全部とセメント分散剤を混合して、水セメント比が30~100%である混練物を得る工程と、混練物の中に炭酸ガスを供給して炭酸化混練物を得る工程と、炭酸化混練物とセメントの残部と水の残部と骨材を混練して、又は、炭酸化混練物とセメントの残部と骨材を混練して、セメント組成物を得る工程を含む方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[4]を提供するものである。
[1] セメント、骨材、セメント分散剤、及び水を含み、かつ、二酸化炭素を固定させてなるセメント組成物を製造するための方法であって、上記セメントの一部と、上記水の一部又は全部と、上記セメント分散剤を混合して、水セメント比が30~100%であるセメント含有混練物を得るセメント含有混練物調製工程と、上記セメント含有混練物の中に、固定の対象である上記二酸化炭素の気体の状態である炭酸ガスを供給して、炭酸化混練物を得る炭酸化混練物調製工程と、上記炭酸化混練物と、上記セメントの残部と、上記水の残部と、上記骨材を混練して、又は、上記炭酸化混練物と、上記セメントの残部と、上記骨材を混練して、上記セメント組成物を得るセメント組成物調製工程、を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
【0006】
[2] 上記セメント組成物の水セメント比が、30~65%である前記[1]に記載のセメント組成物の製造方法。
[3] 上記セメント含有混練物調製工程において、上記セメント全量中の上記セメントの一部の量の割合が1~80質量%である前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物の製造方法。
[4] 上記セメント含有混練物調製工程において、上記セメントの一部と、上記水の一部を混合し、かつ、上記水全量中の上記水の一部の量の割合が30~99質量%である前記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセメント組成物の製造方法によれば、二酸化炭素含有ガスが吹き込まれるセメント含有混練物の水の量を少なくしても、装置内の閉塞がなく、かつ、二酸化炭素の固定化量を多くすることができ、得られるセメント組成物の水セメント比が過度に大きくならないため、用途の限定がされにくいセメント組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のセメント組成物の製造方法は、セメント、骨材、セメント分散剤、及び水を含み、かつ、二酸化炭素を固定させてなるセメント組成物を製造するための方法であって、セメントの一部と、水の一部又は全部と、セメント分散剤を混合して、水セメント比が30~100%であるセメント含有混練物を得るセメント含有混練物調製工程と、セメント含有混練物の中に、固定の対象である二酸化炭素の気体の状態である炭酸ガスを供給して、炭酸化混練物を得る炭酸化混練物調製工程と、炭酸化混練物と、セメントの残部と、水の残部と、骨材を混練して、又は、炭酸化混練物と、セメントの残部と、骨材を混練して、セメント組成物を得るセメント組成物調製工程を含む方法である。
以下、工程ごとに詳しく説明する。
【0009】
[セメント含有混練物調製工程]
本工程は、セメントの一部と、水の一部又は全部と、セメント分散剤を混合して、水セメント比が30~100%であるセメント含有混練物を得る工程である。
上記セメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、エコセメント等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、汎用性等の観点から、普通ポルトランドセメントが好ましい。
【0010】
セメントの全量(セメント組成物に含まれるセメントの全量)中の上記セメントの一部の量の割合は、好ましくは1~80質量%、より好ましくは10~78質量%、さらに好ましくは20~75質量%、さらに好ましくは30~72質量%、さらに好ましくは40~70質量、さらに好ましくは50~70質量%、特に好ましくは60~70質量%である。上記割合が1質量%以上であれば、セメント組成物に固定化される二酸化炭素の量がより多くなる。上記割合が80質量%以下であれば、セメント組成物の強度発現性がより向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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