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公開番号2023079116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-06-07
出願番号2021192581
出願日2021-11-26
発明の名称LCA環境影響評価方法。
出願人一般社団法人サステイナビリティ技術設計機構
代理人個人
主分類G06Q 10/0633 20230101AFI20230531BHJP(計算;計数)
要約【課題】LCAの簡単で迅速な環境影響評価方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数のプロセスから構成されるシステムバンダリにおいて、プロセス流れ図を作成する手段、各プロセスにおけるインベントリ量を求める手段(インベントリ量算出手段)、前記インベントリ量算出手段で求めたインベントリ量を用いて各プロセスの単位稼働度あたりの環境ストレス因子量を求める手段(プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段)、各プロセスにおける入力および出力をもとにプロセス稼働度を求める手段(プロセス稼働度算出手段)、および前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段により求めたプロセス単位稼働度環境ストレス因子量と前記稼働度算出手段により求めたプロセス稼働度とを用いてシステムバンダリにおける環境ストレス因子量を求める手段(システムバンダリ内環境ストレス因子量算出手段)を含むLCA環境影響評価方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数のプロセスから構成されるシステムバンダリにおいて、
プロセス流れ図を作成する手段、各プロセスにおけるインベントリ量を求める手段(インベントリ量算出手段という)、前記インベントリ量算出手段で求めたインベントリ量を用いて各プロセスの単位稼働度あたりの環境ストレス因子量を求める手段(プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段という)、各プロセスにおける入力および出力をもとにプロセス稼働度を求める手段(プロセス稼働度算出手段という)、および前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段により求めたプロセス単位稼働度環境ストレス因子量と前記稼働度算出手段により求めたプロセス稼働度とを用いてシステムバンダリにおける環境ストレス因子量を求める手段(システムバンダリ内環境ストレス因子量算出手段という)を含むLCA環境影響評価方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記プロセス流れ図はシステムバンダリのすべてのプロセスの前後関係を明確にすることにより作成されたものであり、前記インベントリ量算出手段におけるインベントリ量は各プロセスにおける単位稼働度あたりのインベントリ量(プロセス単位稼働度インベントリ量という)であり、
前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段において、各プロセスにおける前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量は前記単位稼働度インベントリ量の関数値の総和であり、ここで、前記関数とは、インベントリ量が環境ストレス因子量へ変換するときの換算関数であることを特徴とする、請求項1に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項3】
前記プロセス稼働度算出手段は、正方行列を作成する手段、プロセス稼働度を変数とする列ベクトルと前記正方行列との積がシステム基準量を含む定数ベクトルとなる連立方程式を作成する手段、前記正方行列が正則である場合に前記正方行列の逆行列を求める手段を含み、前記プロセス稼働度は前記逆行列と前記定数ベクトルの積から求められることを特徴とする、請求項1または2に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項4】
前記正方行列を作成する手段は、システムバンダリにおいて、各プロセスにおける入出力フローの数(m)を行数とし、プロセスの数(n)を列数とするm×nの行列を作成する手段(A手段という)、プロセス流れ図からループを探索しループがあればループ処理を行なう手段(B手段という)、プロセス流れ図から結節を探索し結節があれば結節処理を行なう手段(C手段という)を含むことを特徴とする、請求項3に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項5】
A手段による行列は、各プロセスの入出力単位稼働量を係数とする係数行列であり、ここで前記プロセスの入出力単位稼働量とは、プロセス単位稼働度におけるプロセスの入出力であることを特徴とする、請求項4に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項6】
B手段におけるループは併進および/または循環であり、B手段におけるループ処理は、ループがG個あればA手段による行列においてG個の列を増やすことを特徴とする、請求項4または5に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項7】
C手段における結節は分岐および/または合流であり、C手段における結節処理は、結節に関与するプロセスの数がH個あればA手段による行列においてH―1個の行を増やす処理であることを特徴とする、請求項4~6のいずれかの項に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項8】
前記システムバンダリ内環境ストレス因子量算出手段において、
システムバンダリ内環境ストレス因子量は、各プロセスにおける環境ストレス因子量の全プロセスについての総和であり、前記各プロセスにおける環境ストレス因子量は各プロセスのプロセス単位稼働度環境ストレス因子量に各プロセスのプロセス稼働度を乗じたものであることを特徴とする、請求項1~7のいずれかの項に記載のLCA環境影響評価方法。
【請求項9】
複数製品を生産するシステムバンダリにおけるアロケーションによるLCA環境影響評価方法であって、
各製品のシステムバンダリ内環境ストレス因子量は、各製品単独で生産した場合の請求項8に記載のシステムバンダリ内環境ストレス因子量に重みづけ係数を乗じたものであり、
複数製品を生産するシステムバンダリにおけるシステムバンダリ内環境ストレス因子量は、前記各製品のシステムバンダリ内環境ストレス因子量の総和であることを特徴とするLCA環境影響評価方法。
【請求項10】
前記重みづけ係数は、複数製品を生産するシステムバンダリにおけるシステムバンダリ内環境ストレス因子量が複数製品を生産した場合の請求項8に記載のシステムバンダリ内環境ストレス因子量でもあることから、等式が成立するように求めることができることを特徴とする、請求項9に記載のLCA環境影響評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、LCAの環境影響評価の定量化方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)とは、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法である。LCAは、製品・サービスのライフサイクル全体での環境負荷を明らかにすることにより、より環境に配慮した製品・サービスを検討するための有用なデータを提供する。近年、地球温暖化が差し迫った問題になりつつあり、温暖化をもたらす原因の大きなものとして人間の諸活動で発生する二酸化炭素(CO

)の削減が喫緊の課題となっており、LCAを用いて製品・サービスのCO

削減を行なう試みが活発に行われている。
【0003】
たとえば、図11は、FAX(機械)のライフサイクル(LC)システムを表すプロセス流れ図である。何らかの処理を行なう工程をプロセスと呼びTi(i=1、2,・・・)で示す。FAXのライフサイクルでは14のプロセス(T1~T14)がある。これらのプロセスのそれぞれにインベントリ(Ii:材料、部品、電力等)の入出力があり、図11では代表的な16個のインベントリ(I1~I16)を示すが、他のインベントリも多数入出力する。プロセスの流れの一部を説明する。プロセスT3のプリント配線基板プロセスでは、前プロセスT2で作製されたプリント板に前プロセスT1で作製されたICが搭載される。次工程のT8のFAX組み立てプロセスでは、前プロセスで作製されたプリント配線基板、線材、筐体樹脂成形品を組み立ててFAX機械(製品)を作製する。FAX製品はT9の流通プロセスで流通し販売される。FAX製品を購入したユーザーはT10の使用プロセスで使用する。使用済みのFAX製品はT11の処分プロセスで処分されるが、ここでは廃棄せずにT12のリサイクルプロセスでリサイクルし、一部はT13の鉄スクラッププロセスに入り、他はT14のPS(プラスチック)再生プロセスに入り、FAX組み立てプロセス(T8)の前段プロセスである筐体樹脂成形プロセスで完全リサイクルされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
(非特許文献1)一般社団法人日本電機工業会(LC-CO2)排出量簡易算出手法。URL:www.jema-net.or.jp/Japanese/env/02_LCA_tools/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のLCAの定量化は、たとえば製品製造段階のCO

排出量の算出に関して、システム全体で使用・排出されるインベントリを調べて、CO

排出量に換算し製造された生産数で割って、対象製品1台あたりのCO
2
排出量として計算する。(非特許文献1)しかし、この方法では、図11に示すような多数のプロセスからなる製品の製造の場合は、個別の製造プロセスがどの程度CO

を排出しているか自明でないため、効果的なCO

排出量の低減ができない。そこで、従来のLCAでは次のステップとして製造段階における個々のプロセスについてインベントリを調べていき、個々のプロセスにおけるCO

排出量を計算するということを行なっている。しかし、この方法では、プロセスの前後関係のみを考えてプロセスのCO
2
排出量を求めるので、計算が煩雑であるとともに、これらの総和とシステム全体のCO
2
排出量との相違が大きくなり、全体の整合性が取れないことも多い。そのため何度も計算し直したりして多大な時間を要し、最後は都合よくデータを合わせるということも行なわれている。本発明は、対象とするシステム内のフォアグラウンドデータを基にして、LCAの環境影響評価は複雑で正確でないという考え方を転換する手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、システムバンダリ(システム境界、LCAを対象とする範囲)におけるプロセス間およびプロセス全体のマテリアルフローを考慮してLCAを行なう簡便で迅速に実行できる手段を提供する。すなわち、本発明は、対象とするシステムバンダリにおけるすべてのプロセスの流れを明確にし、個々のプロセス稼働度を変数とした行列を用いた連立方程式を解くことにより、すべてのプロセス稼働度を一挙に求めて、その得られたプロセス稼働度から環境負荷を定量化する。具体的には、以下の特徴を有する。
(1)本発明は、複数のプロセスから構成されるシステムバンダリにおいて、プロセス流れ図を作成する手段、各プロセスにおけるインベントリ量を求める手段(インベントリ量算出手段という)、前記インベントリ量算出手段で求めたインベントリ量を用いて各プロセスの単位稼働度あたりの環境ストレス因子量を求める手段(プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段という)、各プロセスにおける入力および出力をもとにプロセス稼働度を求める手段(プロセス稼働度算出手段という)、および前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段により求めたプロセス単位稼働度環境ストレス因子量と前記稼働度算出手段により求めたプロセス稼働度とを用いてシステムバンダリにおける環境ストレス因子量を求める手段(システムバンダリ内環境ストレス因子量算出手段という)を含むLCA環境影響評価方法である。
【0007】
(2)本発明は、(1)に加えて、前記プロセス流れ図はシステムバンダリのすべてのプロセスの前後関係を明確にすることにより作成されたものであり、前記インベントリ量算出手段におけるインベントリ量は各プロセスにおける単位稼働度あたりのインベントリ量(プロセス単位稼働度インベントリ量という)であり、前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量算出手段において、各プロセスにおける前記プロセス単位稼働度環境ストレス因子量は前記単位稼働度インベントリ量の関数値の総和であり、ここで、前記関数とは、インベントリ量が環境ストレス因子量へ変換するときの換算関数であることを特徴とする。
【0008】
(3)本発明は、(1)および/または(2)に加えて、前記プロセス稼働度算出手段は、正方行列を作成する手段、プロセス稼働度を変数とする列ベクトルと前記正方行列との積がシステム基準量を含む定数ベクトルとなる連立方程式を作成する手段、前記正方行列が正則である場合に前記正方行列の逆行列を求める手段を含み、前記プロセス稼働度は前記逆行列と前記定数ベクトルの積から求められることを特徴とし、また前記正方行列を作成する手段は、システムバンダリにおいて、各プロセスにおける入出力フローの数(m)を行数とし、プロセスの数(n)を列数とするm×nの行列を作成する手段(A手段という)、プロセス流れ図からループを探索しループがあればループ処理を行なう手段(B手段という)、プロセス流れ図から結節を探索し結節があれば結節処理を行なう手段(C手段という)を含むことを特徴とし、またA手段による行列は、各プロセスの入出力単位稼働量を係数とする係数行列であり、ここで前記プロセスの入出力単位稼働量とは、プロセス単位稼働度におけるプロセスの入出力であり、B手段におけるループは併進および/または循環であり、B手段におけるループ処理は、ループがG個あればA手段による行列においてG個の列を増やすことを特徴とし、さらにC手段における結節は分岐および/または合流であり、C手段における結節処理は、結節に関与するプロセスの数がH個あればA手段による行列においてH―1個の行を増やす処理であることを特徴とする。
【0009】
(4)本発明は、(1)~(3)に加えて、前記システムバンダリ内環境ストレス因子量算出手段において、
システムバンダリ内環境ストレス因子量は、各プロセスにおける環境ストレス因子量の全プロセスについての総和であり、前記各プロセスにおける環境ストレス因子量は各プロセスのプロセス単位稼働度環境ストレス因子量に各プロセスのプロセス稼働度を乗じたものであることを特徴とする。
(5)本発明は、複数製品を生産するシステムバンダリにおけるアロケーションによるLCA環境影響評価方法であって、各製品のシステムバンダリ内環境ストレス因子量は、各製品単独で生産した場合の(4)に記載のシステムバンダリ内環境ストレス因子量に重みづけ係数を乗じたものであり、複数製品を生産するシステムバンダリにおけるシステムバンダリ内環境ストレス因子量は、前記各製品のシステムバンダリ内環境ストレス因子量の総和であることを特徴とするLCA環境影響評価方法であり、前記重みづけ係数は、複数製品を生産するシステムバンダリにおけるシステムバンダリ内環境ストレス因子量が複数製品を生産した場合の(4)に記載のシステムバンダリ内環境ストレス因子量でもあることから、等式が成立するように求めることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、行列を用いた連立方程式を作成してその解をシステムバンダリ内の各プロセスの稼働度として求めて、環境負荷を環境ストレス因子量として定量化する手法なので、簡便でしかも一挙に環境負荷を見積もることができる。従って、迅速にLCAによる環境影響を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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