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公開番号2025181760
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2025088533
出願日2025-05-28
発明の名称複合粒子
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類C08F 292/00 20060101AFI20251204BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂中での分散性に優れた無機粒子や、かかる無機粒子を含有する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】高分子グラフト鎖を無機粒子表面に有する複合粒子であって、前記無機粒子が中空粒子であり、前記無機粒子の平均粒径が200nmより大きく3,000nm以下である複合粒子;並びに前記複合粒子を含有する樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
高分子グラフト鎖を無機粒子表面に有する複合粒子であって、
前記無機粒子が中空粒子であり、
前記無機粒子の平均粒径が２００ｎｍより大きく３，０００ｎｍ以下である、
複合粒子。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記無機粒子の空孔率が５０体積％以上８０体積％以下である、請求項１に記載の複合粒子。
【請求項３】
前記複合粒子における前記高分子グラフト鎖のグラフト密度が０．０１鎖／ｎｍ
２
以上である、請求項１又は２に記載の複合粒子。
【請求項４】
前記高分子グラフト鎖が、スチレン系モノマー、ニトリル系モノマー、（メタ）アクリル系モノマー、フッ素系モノマー、不飽和オレフィン系モノマー、共役ジエン系モノマー、及びアミノ基、ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するモノマーからなる群より選択される１種以上のモノマーからなるポリマーである、請求項１又は２に記載の複合粒子。
【請求項５】
前記無機粒子がシリカである、請求項１又は２に記載の複合粒子。
【請求項６】
前記無機粒子がシリカであって、前記無機粒子中のシリカの含有量に対するアルカリ金属とアルカリ土類金属の合計含有量が５０質量ｐｐｍ以下である、請求項１又は２に記載の複合粒子。
【請求項７】
前記高分子グラフト鎖を下記式（Ａ）で示される構造を介して有する複合粒子である、請求項１又は２に記載の複合粒子。
（高分子グラフト鎖）－Ｘ－（ＣＨ
２
）
ｍ
－Ｓｉ－（Ｒ
１
）（Ｒ
２
）（Ｒ
３
）・・・式（Ａ）
（式（Ａ）中、－Ｘ－は二価の基であって、一方は式（Ａ）中のＳｉに－（ＣＨ
２
）
ｍ
－を介して結合し、他方は高分子グラフト鎖に結合する。ｍは０～１２の整数である。Ｒ
１
、Ｒ
２
及びＲ
３
の少なくとも一つはメタロキサン結合を形成して粒子と結合し、粒子に結合していないものは、それぞれ独立して、炭素原子数が１～１０のアルキル基、炭素原子数が１～９のアルコキシ基、水素原子、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。）
【請求項８】
請求項１又は２に記載の複合粒子と樹脂を含有する樹脂組成物。
【請求項９】
請求項１又は２に記載の複合粒子と樹脂を含有する低誘電材用樹脂組成物。
【請求項１０】
請求項１又は２に記載の複合粒子と樹脂を含有する低誘電樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は複合粒子に関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、電子機器の小型化、信号の高速化および配線の高密度化が求められている。この要求を満たすために、ビルドアップ基板においては、低比誘電率化、低誘電正接化、低熱膨張率化および多層化が必要となっている。これらの要求を満たすために、特許文献１では低誘電正接樹脂に中空粒子を配合することによる低誘電正接化、低熱膨張率化が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００８－０３１４０９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、有機物である樹脂中での無機粒子の分散性は低いため、両者を混合しても経時的に無機粒子が沈降したり、無機粒子間で凝集が生じたり、することが多く、粒子を配合することにより期待される性能向上を達成できない傾向があった。
また、硬化性樹脂、または、２３０℃以下の融点、または、ガラス転移点を有さない樹脂は、溶融混練が困難で、無機粒子の分散させることが困難である。
【０００５】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、樹脂中での分散性に優れた無機粒子や、かかる粒子を含有する樹脂組成物を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は下記〔１〕～〔１０〕に関する。
〔１〕高分子グラフト鎖を無機粒子表面に有する複合粒子であって、
前記無機粒子が中空粒子であり、
前記無機粒子の平均粒径が２００ｎｍより大きく３，０００ｎｍ以下である、
複合粒子。
〔２〕前記無機粒子の空孔率が５０体積％以上８０体積％以下である、前記〔１〕に記載の複合粒子。
〔３〕前記複合粒子における前記高分子グラフト鎖のグラフト密度が０．０１鎖／ｎｍ
２
以上である、前記〔１〕又は〔２〕に記載の複合粒子。
〔４〕前記高分子グラフト鎖が、スチレン系モノマー、ニトリル系モノマー、（メタ）アクリル系モノマー、フッ素系モノマー、不飽和オレフィン系モノマー、共役ジエン系モノマー、及びアミノ基、ヒドロキシ基又はグリシジル基を有するモノマーからなる群より選択される１種以上のモノマーからなるポリマーである、前記〔１〕～〔３〕のいずれか１項に記載の複合粒子。
〔５〕前記無機粒子がシリカである、前記〔１〕～〔４〕のいずれか１項に記載の複合粒子。
〔６〕前記無機粒子がシリカであって、前記無機粒子中のシリカの含有量に対するアルカリ金属とアルカリ土類金属の合計含有量が５０質量ｐｐｍ以下である、前記〔１〕～〔５〕のいずれか１項に記載の複合粒子。
〔７〕前記高分子グラフト鎖を下記式（Ａ）で示される構造を介して有する複合粒子である、前記〔１〕～〔６〕のいずれか１項に記載の複合粒子。
（高分子グラフト鎖）－Ｘ－（ＣＨ
２
）
ｍ
－Ｓｉ－（Ｒ
１
）（Ｒ
２
）（Ｒ
３
）・・・式（Ａ）
（式（Ａ）中、－Ｘ－は二価の基であって、一方は式（Ａ）中のＳｉに－（ＣＨ
２
）
ｍ
－を介して結合し、他方は高分子グラフト鎖に結合する。ｍは０～１２の整数である。Ｒ
１
、Ｒ
２
及びＲ
３
の少なくとも一つはメタロキサン結合を形成して粒子と結合し、粒子に結合していないものは、それぞれ独立して、炭素原子数が１～１０のアルキル基、炭素原子数が１～９のアルコキシ基、水素原子、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。）
〔８〕前記〔１〕～〔７〕のいずれか１項に記載の複合粒子と樹脂を含有する樹脂組成物。
〔９〕前記〔１〕～〔７〕のいずれか１項に記載の複合粒子と樹脂を含有する低誘電材用樹脂組成物。
〔１０〕前記〔１〕～〔７〕のいずれか１項に記載の複合粒子と樹脂を含有する低誘電樹脂組成物。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、樹脂中での分散性に優れた無機粒子や、かかる粒子を含有する樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
図１は、複合粒子における無機粒子と高分子グラフト鎖との結合の一例を示す模式図である。図１では、式（Ａ）におけるＲ
１
、Ｒ
２
及びＲ
３
の全てが無機粒子のシリカとシロキサン結合を形成した場合を想定している。図１中、無機粒子と高分子グラフト鎖との間の破線で囲まれる部分が式（Ａ）におけるＸに該当する。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本発明者らが検討した結果、中空の無機粒子表面に高分子グラフト鎖を有する複合粒子を用いることで、樹脂への粒子の分散性を向上できることを見出した。かかる効果が発揮されるメカニズムは定かではないが、マトリックス樹脂と親和性の高い高分子グラフト鎖が絡み合ったり相互作用したりすることで、複合粒子の分散性が向上することによると推定される。
従って、かかる高分子グラフト鎖を無機粒子表面に有する複合粒子を使用することで、樹脂組成物やその硬化物（樹脂成形体）の誘電特性、表面平滑性、低熱膨張性、高剛性、制振性、接着性、減粘性といった効果の向上が期待できる。
【００１０】
＜複合粒子＞
本発明の複合粒子は、高分子グラフト鎖を無機粒子表面に有する複合粒子であって、前記無機粒子が中空粒子であり、前記無機粒子の平均粒径が２００ｎｍより大きく３，０００ｎｍ以下である、というものである。
（【００１１】以降は省略されています）

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