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公開番号
2025172314
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-26
出願番号
2024077735
出願日
2024-05-13
発明の名称
紙コート剤
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
D21H
19/28 20060101AFI20251118BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】紙に塗工することで、紙に撥水性や耐油性を付与することができる樹脂粒子を含有する紙コート剤、該紙コート剤の製造方法、及び該紙コート剤を用いた塗工紙を提供する。
【解決手段】ポリエステル系樹脂及び一般式(1)で示される化合物を含む樹脂粒子を含有する紙コート剤であって、前記ポリエステル系樹脂が、アルコール成分と、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸を含むカルボン酸成分と、を含む原料モノマー成分の重縮合物であるポリエステル系樹脂(A)、及びアルコール成分とカルボン酸成分とを含む原料モノマー成分の反応物であるポリエステル樹脂セグメントと、付加重合樹脂セグメントと、これらを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むポリエステル系複合樹脂(B)から選ばれる少なくとも1種である、紙コート剤。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステル系樹脂及び下記一般式(1)で示される化合物を含む樹脂粒子を含有する紙コート剤であって、
前記ポリエステル系樹脂が、
2価以上のアルコール成分と、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸を含む2価以上のカルボン酸成分と、を含む原料モノマー成分の重縮合物であるポリエステル系樹脂(A)、及び
2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボン酸成分とを含む原料モノマー成分の反応物であるポリエステル樹脂セグメントと、付加重合樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該付加重合樹脂セグメントを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むポリエステル系複合樹脂(B)
から選ばれる少なくとも1種である、紙コート剤。
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2025172314000011.jpg
22
64
(一般式(1)中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、Xは、炭素数1~6の炭化水素基又は下記一般式(2)で示される1価の基であり、複数のR
1
、R
2
、及びXは、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、mは正の整数である。)
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22
57
(一般式(2)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、複数のR
3
及びR
4
は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、nは正の整数であり、*はケイ素原子との結合位置を示す。)
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記ポリエステル系樹脂が、前記ポリエステル系樹脂(A)を含み、前記カルボン酸成分中における炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸の含有量が、10モル%以上50モル%以下である、請求項1に記載の紙コート剤。
【請求項3】
前記ポリエステル系樹脂が、前記ポリエステル系複合樹脂(B)を含み、該ポリエステル系複合樹脂(B)中の前記付加重合樹脂セグメントの含有量が、10質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の紙コート剤。
【請求項4】
前記一般式(1)中、Xが炭素数1~6の炭化水素基である、請求項1に記載の紙コート剤。
【請求項5】
前記一般式(1)中、Xがメチル基又はフェニル基である、請求項4に記載の紙コート剤。
【請求項6】
該一般式(1)で示される化合物の粘度が200mm
2
/s以上20,000mm
2
/s以下である、請求項1に記載の紙コート剤。
【請求項7】
下記工程1~4をこの順に有する、請求項1~6のいずれかに記載の紙コート剤の製造方法。
工程1:前記ポリエステル系樹脂及び前記一般式(1)で示される化合物を有機溶媒に溶解する工程
工程2:塩基性化合物を添加し、前記ポリエステル系樹脂を中和する工程
工程3:水系媒体を添加し、前記ポリエステル系樹脂及び前記一般式(1)で示される化合物を転相乳化する工程
工程4:前記有機溶媒を留去する工程
【請求項8】
紙基材の少なくとも片面にポリエステル系樹脂及び一般式(1)で示される化合物を含有する塗工層を有する、塗工紙であって、
前記ポリエステル系樹脂が、
2価以上のアルコール成分と、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸を含む2価以上のカルボン酸成分と、を含む原料モノマー成分の重縮合物であるポリエステル系樹脂(A)、及び
2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボン酸成分とを含む原料モノマー成分の反応物であるポリエステル樹脂セグメントと、付加重合樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該付加重合樹脂セグメントを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むポリエステル系複合樹脂(B)
から選ばれる少なくとも1種である、塗工紙。
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2025172314000013.jpg
22
64
(一般式(1)中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、Xは、炭素数1~6の炭化水素基又は下記一般式(2)で示される1価の基であり、複数のR
1
、R
2
、及びXは、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、mは正の整数である。)
JPEG
2025172314000014.jpg
22
57
(一般式(2)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、複数のR
3
及びR
4
は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、nは正の整数であり、*はケイ素原子との結合位置を示す。)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂粒子を含有する紙コート剤、該紙コート剤の製造方法、及び該紙コート剤を用いた塗工紙に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、水及び油に対する抵抗性が要求される紙製ラベル、包装紙、紙容器等に用いることができる紙材料としては、耐水性や撥水性及び耐油性や撥油性を付与するためにポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチックフィルムをラミネート処理した紙が利用されてきた。しかしながら、プラスチックフィルムをラミネート処理した紙はリサイクルが困難である。そのため、近年の環境意識の高まりとともにラミネート処理に代わる耐油性や撥水性を付与する技術が求められ、検討されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定の構造と粘度を有するオルガノポリシロキサンと、セルロース系樹脂と、カルボン酸あるいは及びその塩と、水と、界面活性剤を含むことを特徴とする撥水撥油組成物が記載されており、該撥水撥油組成物を含む処理剤を用いて、紙基材に撥水性と撥油性を付与できることが記載されている。
特許文献2には、ワックス、水溶性高分子物質、シリコーンオイルの混合物を塗布・乾燥して得られたワックス塗工紙が記載されており、該ワックス塗工紙が撥水性に優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-257159号公報
特開平9-310297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、紙へのプラスチックフィルムのラミネート処理に替わる撥水性及び耐油性の付与技術として、フッ素系紙コート剤による処理が知られているが、安全性および環境配慮への観点から、非フッ素系材料からなる紙コート剤が求められている。非フッ素系材料である撥水性及び耐油性を示す材料としてはシリコーンが知られており、シリコーンとしては未変性シリコーン及び何らかの官能基により変性された変性シリコーンが用いられている。しかし、未変性シリコーンを用いる特許文献1に記載の撥水撥油組成物を含む処理剤で処理された紙基材及び特許文献2に記載のワックス塗工紙は、撥水性及び耐油性に依然として改善の余地を有している。また、アミノ基のような官能基を有した変性シリコーンを用いることで、紙基材に撥水性及び耐油性を付与する技術も知られているが、変性シリコーンの製造には、あらかじめ官能基を有した特殊なモノマーを共重合させる必要があり、特殊なモノマーの利用や後工程での精製が必要になるなど製造工程が煩雑になるため、未変性シリコーンと比較して高コストであるという課題を有している。本発明はこれらの課題を解決するために紙へ用いる樹脂粒子を含有した紙コート剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、紙と水及び油との接触を抑制する塗工層を設けることに着目し、塗工層を形成するための紙コート剤として、ポリエステル系樹脂を含む樹脂粒子を含有し、該樹脂粒子が特定の構造を有するポリエステル系樹脂と実質的に未変性であるシリコーンオイルを含有することにより、前記課題を解決しうることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔3〕を提供する。
〔1〕ポリエステル系樹脂及び下記一般式(1)で示される化合物を含む樹脂粒子を含有する紙コート剤であって、
前記ポリエステル系樹脂が、
2価以上のアルコール成分と、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸を含む2価以上のカルボン酸成分と、を含む原料モノマー成分の重縮合物であるポリエステル系樹脂(A)、及び
2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボン酸成分とを含む原料モノマー成分の反応物であるポリエステル樹脂セグメントと、付加重合樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該付加重合樹脂セグメントを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むポリエステル系複合樹脂(B)
から選ばれる少なくとも1種である、紙コート剤。
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22
64
(一般式(1)中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、Xは、炭素数1~6の炭化水素基又は下記一般式(2)で示される1価の基であり、複数のR
1
、R
2
、及びXは、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、mは正の整数である。)
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22
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(一般式(2)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、複数のR
3
及びR
4
は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、nは正の整数であり、*はケイ素原子との結合位置を示す。)
〔2〕下記工程1~4をこの順に有する、前記〔1〕に記載の紙コート剤の製造方法。
工程1:前記ポリエステル系樹脂及び前記一般式(1)で示される化合物を有機溶媒に溶解する工程
工程2:塩基性化合物を添加し、前記ポリエステル系樹脂を中和する工程
工程3:水系媒体を添加し、前記ポリエステル系樹脂及び前記一般式(1)で示される化合物を転相乳化する工程
工程4:前記有機溶媒を留去する工程
〔3〕 紙基材の少なくとも片面にポリエステル系樹脂及び一般式(1)で示される化合物を含有する塗工層を有する、塗工紙であって、
前記ポリエステル系樹脂が、
2価以上のアルコール成分と、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸を含む2価以上のカルボン酸成分と、を含む原料モノマー成分の重縮合物であるポリエステル系樹脂(A)、及び
2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボン酸成分とを含む原料モノマー成分の反応物であるポリエステル樹脂セグメントと、付加重合樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該付加重合樹脂セグメントを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むポリエステル系複合樹脂(B)
から選ばれる少なくとも1種である、塗工紙。
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(一般式(1)中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、Xは、炭素数1~6の炭化水素基又は下記一般式(2)で示される1価の基であり、複数のR
1
、R
2
、及びXは、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、mは正の整数である。)
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(一般式(2)中、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、炭素数1~6の炭化水素基であり、複数のR
3
及びR
4
は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、nは正の整数であり、*はケイ素原子との結合位置を示す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、紙に塗工することで、紙に撥水性や耐油性を付与することができる樹脂粒子を含有する紙コート剤、該紙コート剤の製造方法、及び該紙コート剤を用いた塗工紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[紙コート剤]
本発明の紙コート剤は、ポリエステル系樹脂及び実質的に未変性であるシリコーンオイルとしての一般式(1)で示される化合物を含む樹脂粒子を含有する紙コート剤であって、前記ポリエステル系樹脂が、2価以上のアルコール成分と、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸を含む2価以上のカルボン酸成分と、を含む原料モノマー成分の重縮合物であるポリエステル系樹脂(A)、及び2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボン酸成分とを含む原料モノマー成分の反応物であるポリエステル樹脂セグメントと、付加重合樹脂セグメントと、該ポリエステル樹脂セグメント及び該付加重合樹脂セグメントを共有結合を介して結合させる両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むポリエステル系複合樹脂(B)から選ばれる少なくとも1種である。
【0010】
本発明によれば、撥水性及び耐油性に優れる塗工紙を得ることができる。その理由は定かではないが、次のように考えられる。
ポリエステル系樹脂はその構造中に多数のエステル結合を有することに加えて、末端に水酸基およびカルボキシ基を含むため、極性の高いポリマーであることから、紙への親和性が高い材料である。このようなポリエステル系樹脂からなるポリエステル系樹脂粒子を紙へ処理することで様々な機能付与が可能であるが、その高極性が影響し撥水性と耐油性を同時に付与することは困難である。
一方でシリコーンオイルは、低極性のポリマーであることから撥水性や耐油性を付与することが可能であると考えられるが、室温で液体のため単純に紙へ処理してもシリコーンオイル自体が紙の内部へ浸透していまい撥水性や耐油性を付与することはできない。特に、未変性シリコーンオイルでは、紙の内部への浸透が顕著である。
これに対して、本発明の紙コート剤は、ポリエステル系樹脂とシリコーンオイルである一般式(1)で示される化合物を含む樹脂粒子を含有しており、紙基材に塗工することで、高極性のポリエステル系樹脂及び低極性の一般式(1)で示される化合物の効果により、紙へ撥水性と耐油性を同時に付与することができるものと考えられる。このとき、ポリエステル系樹脂が、炭素数8以上20以下の炭化水素基で置換されたコハク酸由来の構成単位を含有するポリエステル系樹脂、及び付加重合樹脂セグメントを含有するポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることで、極性の高いポリエステル主鎖と極性の低い側鎖を有する構造を持つ。その結果、ポリエステル系樹脂粒子に低極性の一般式(1)で示される化合物を安定に含有させることができるとともに、極性の高いポリエステル主鎖と紙基材の表面が強く相互作用し、極性の低い側鎖と一般式(1)で示される化合物との親和性が高いことで、一般式(1)で示される化合物と、ポリエステル系樹脂と、紙基材の3つが結びつき、撥水性と耐油性に優れるものとすることができると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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