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公開番号2025174924
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2025081684
出願日2025-05-15
発明の名称消臭用組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61L 9/01 20060101AFI20251120BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】再生樹脂の悪臭低減と、再生樹脂の物性低下抑制とを両立可能な消臭用組成物を提供すること。
【解決手段】再生樹脂の悪臭を消臭するための消臭用組成物であって、
成分(A)として以下の成分(a-1)及び(a-2)の香料を含み、
成分(A)の総量に対する成分(a-1)の質量比[成分(a-1)/(成分(A)の総量)]が0.2以上であり、
成分(a-1)に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/成分(a-1)]が3.5以下である、
消臭用組成物。
(a-1)モノテルペンアルコール類
(a-2)5員環又は6員環から選択される1以上の環状構造を有する炭素数10~16のケトン類
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
再生樹脂の悪臭を消臭するための消臭用組成物であって、
成分(A)として以下の成分(a-1)及び成分(a-2)の香料を含み、
成分(A)の総量に対する成分(a-1)の質量比[成分(a-1)/成分(A)の総量]が0.2以上であり、
成分(a-1)に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/成分(a-1)]が3.5以下である、
消臭用組成物。
(a-1)モノテルペンアルコール類
(a-2)5員環又は6員環から選択される1以上の環状構造を有する炭素数10~16のケトン類
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
成分(a-1)が、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール及びジヒドロテルピネオールから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1記載の消臭用組成物。
【請求項3】
成分(a-2)がメントン、ダマセノン、ジャスモン、イオノン、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、ダマスコン、1-(5,5-ジメチル-1―シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン及びメチルイオノンから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の消臭用組成物。
【請求項4】
成分(A)の総量が1質量%以上である、請求項1又は2記載の消臭用組成物。
【請求項5】
成分(A)の総量に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/(A)の総量]が0.0005以上0.9以下である、請求項1又は2記載の消臭用組成物。
【請求項6】
更に、成分(B)として、下記の(b1)~(b3)から選ばれる1種又は2種以上の溶剤を含む、請求項1又は2に記載の消臭用組成物
(b1)ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール及びジエチレングリコールから選ばれる2価アルコール
(b2)エタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール及び2-(2-エトキシエトキシ)エタノールから選ばれる1価アルコール
(b3)クエン酸トリエチル、トリアセチン及びフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)から選ばれるエステル類
【請求項7】
成分(B)の含有量が20質量%以上である、請求項1又は2記載の消臭用組成物。
【請求項8】
再生樹脂が熱可塑性を有する再生樹脂である、請求項1又は2記載の消臭用組成物。
【請求項9】
再生樹脂の悪臭を消臭する方法であって、
以下の(工程1)を含む、消臭方法
(工程1)成分(A)として以下の成分(a-1)及び成分(a-2)の香料を含み、
成分(A)の総量に対する成分(a-1)の質量比[成分(a-1)/(成分(A)の総量)]が0.2以上であり、
成分(a-1)に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/成分(a-1)]が3.5以下である消臭用組成物と、
再生樹脂と
を接触させる工程
(a-1)モノテルペンアルコール類
(a-2)5員環又は6員環から選択される1以上の環状構造を有する炭素数10~16のケトン類
【請求項10】
(工程1)において、再生樹脂1質量部に対して、0.0005質量部以上0.5質量部以下の消臭用組成物を接触させる、請求項9記載の消臭方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭用組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
再生樹脂の利用を促進することは、持続可能な社会を実現するうえで大きな意義がある。しかし、使用済みの樹脂は、その使用や回収の過程で多様な有機物が付着しており、再生工場での集積や加工までの段階でそれら付着物や樹脂の分解物の一部から悪臭が発生し、その悪臭が発生した使用済み樹脂を再生して再生樹脂にした際にもその悪臭が残存し、再生樹脂利用者にも不快感を与えるため悪臭対策が必要になる。
【0003】
従来、再生樹脂の悪臭対策としては、例えば、界面活性剤を含む洗浄液で再生樹脂を洗浄することで再生樹脂から悪臭を除去する方法(特許文献1)や、再生樹脂の破砕物に気体を流通させながら加熱して乾燥することで脱臭する方法(特許文献2)が提案されている。また、死体、銀杏、堆肥、嘔吐物、汚水、汚泥、ペット、体表の腫瘍、介護又は切削油の悪臭を、エステル類、アルデヒド類、アルコール類、及びピラン類から選択される変調剤により、それらとは異なる臭いに変調して不快感を低減できることが報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/215612号
特開2023-83898号公報
特開2019-213676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の方法では、消臭対象が日用品容器に付着する衣料用洗剤又は衣料用柔軟剤に起因する成分に限定されるため、幅広く再生樹脂の悪臭低減に適用するには限界がある。また、特許文献2に記載の方法では、再生樹脂を破砕したうえで、十分に加熱乾燥する必要があるため、コスト増大や環境負荷が避けられない。更に、特許文献3に記載の方法は、再生樹脂とは異種の悪臭を低減する技術であり、再生樹脂由来の悪臭低減については検討されていない。本発明者らは、香料を用いて再生樹脂の悪臭を低減すべく検討したところ、香料の種類によって再生樹脂の悪臭を低減できるものの、再生樹脂の物性が低下するという課題が存在することを見出した。
したがって、本発明の課題は、再生樹脂の悪臭低減と、再生樹脂の物性低下抑制とを両立可能な消臭用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記した課題を解決するために検討した結果、特定構造を有する2種の香料を特定の質量比以下で組み合わせたうえで、全香料に対する一の香料の質量比を特定値以上に制御した消臭用組成物とすることで、再生樹脂の物性を損なわずに、再生樹脂の悪臭を消臭できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、次の〔1〕~〔11〕を提供する。
〔1〕 再生樹脂の悪臭を消臭するための消臭用組成物であって、
成分(A)として以下の成分(a-1)及び成分(a-2)の香料を含み、
成分(A)の総量に対する成分(a-1)の質量比[成分(a-1)/成分(A)の総量]が0.2以上であり、
成分(a-1)に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/成分(a-1)]が3.5以下である、
消臭用組成物。
(a-1)モノテルペンアルコール類
(a-2)5員環及び6員環から選択される1以上の環状構造を有する炭素数10~16のケトン類
〔2〕 成分(a-1)がシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール及びジヒドロテルピネオールから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1〕に記載の消臭用組成物。
〔3〕 成分(a-2)がメントン、ダマセノン、ジャスモン、イオノン、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、ダマスコン、1-(5,5-ジメチル-1―シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン及びメチルイオノンから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の消臭用組成物。
〔4〕 成分(A)の総量が1質量%以上である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の消臭用組成物。
〔5〕 成分(A)の総量に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/(成分(A)の総量)]が0.0005以上0.9以下である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の消臭用組成物。
〔6〕 更に、成分(B)として、下記の(b1)~(b3)から選ばれる1種又は2種以上の溶剤を含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一に記載の消臭用組成物。
(b1)ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール及びジエチレングリコールから選ばれる2価アルコール
(b2)エタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール及び2-(2-エトキシエトキシ)エタノールから選ばれる1価アルコール
(b3)クエン酸トリエチル、トリアセチン及びフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)から選ばれるエステル類
〔7〕 成分(B)の含有量が20質量%以上である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の消臭用組成物。
〔8〕 再生樹脂が熱可塑性を有する再生樹脂である、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一に記載の消臭用組成物。
〔9〕 再生樹脂の悪臭を消臭する方法であって、
以下の(工程1)を含む、消臭方法
(工程1)成分(A)として以下の成分(a-1)及び成分(a-2)の香料を含み、
成分(A)の総量に対する成分(a-1)の質量比[成分(a-1)/(成分(A)の総量)]が0.2以上であり、
成分(a-1)に対する成分(a-2)の質量比[成分(a-2)/成分(a-1)]が3.5以下である消臭用組成物と、
再生樹脂と
を接触させる工程
(a-1)モノテルペンアルコール類
(a-2)5員環又は6員環から選択される1以上の環状構造を有する炭素数10~16のケトン類
〔10〕 (工程1)において、再生樹脂1質量部に対して、0.0005質量部以上0.5質量部以下の消臭用組成物を接触させる、前記〔9〕に記載の消臭方法。
〔11〕 更に、以下の(工程2)を含む、前記〔9〕又は〔10〕に記載の消臭方法。
(工程2)(工程1)後の再生樹脂を80℃以上280℃以下に加熱する工程
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生樹脂の悪臭低減と、再生樹脂の物性低下抑制とを両立可能な消臭用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において「再生樹脂」とは、使用済み成形品や工場の廃材等を回収した後、異物分離や選別等の工程を経た樹脂をいう。即ち、再生樹脂は、樹脂を含むものであれば使用済みでも、未使用品でもよく、例えば、フィルム、シート、容器等の包材として使用されていた成型品の他、製品製造時に生じた不良品や樹脂屑等の未使用の樹脂を挙げることができる。再生樹脂の形態は特に限定されず、例えば、破砕物でも、ペレットでも、粉体でもよく、また、回収後に異物分離や選別等の工程を経て洗浄した使用済み成形品そのものでも構わない。再生樹脂は、1種又は2種以上を使用することができる。また、再生樹脂は製造時に物性の調整のためバージン樹脂原料と混合される場合もあるが、本明細書においてはそれも含めて「再生樹脂」と呼ぶ。
【0010】
また、悪臭は樹脂及び付着物並びにそれらの分解物に由来するものであれば特に限定されないが、例えば、低級脂肪酸、硫黄系化合物、アミン、クレゾール及び(メタ)アクリレートから選択される1以上の臭気を挙げることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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