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公開番号2025172615
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-26
出願番号2024078220
出願日2024-05-13
発明の名称ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法
出願人DIC株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C08G 73/10 20060101AFI20251118BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】精製に用いる溶媒量が少ない、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】溶媒aの存在下で、特定のアミンにより、コハク酸イミド由来の単量体単位を含む重合体を変性させる工程(a)、溶媒bの存在下で、特定のアミンにより、コハク酸イミド由来の単量体単位を含む重合体を変性させる工程(b)、及び溶媒cの存在下で、架橋剤により、コハク酸イミド由来の単量体単位を含む重合体を架橋させる工程(c)からなる群から選択される1以上の工程、並びにその後反応液をドラムドライヤで乾燥させる工程(d)を含み、溶媒a~cがジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程(a)、工程(b)、及び工程(c)からなる群から選択される1以上の工程、
並びに前記工程(a)、工程(b)、及び工程(c)からなる群から選択される1以上の工程の後に工程(d)を含む、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法。
工程(a):溶媒aの存在下で、下記一般式(1)で表されるアミンにより、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、
前記溶媒aが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、工程;


-NH

(1)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数3~22の炭化水素基を含有する基を示す。)
工程(b):溶媒bの存在下で、下記一般式(2)で表されるアミン及び下記一般式(3)で表されるアミンからなる群から選択される一以上により、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、
前記溶媒bが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、工程;
OH-R

-NH

(2)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数1~16の炭化水素基を含有する基を示す。)
OH-R

-NH-R

(3)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数1~8の炭化水素基を含有する基を示し、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数1~8の炭化水素基を含有する基を示す。)
工程(c):溶媒cの存在下で、架橋剤により、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を架橋させる工程であって、
前記溶媒cが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、工程;
工程(d):得られた反応液をドラムドライヤで乾燥させる工程
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記工程(d)におけるドラムドライヤのドラム表面の温度が、前記工程(d)におけるドラムドライヤの蒸気内圧条件下において、前記反応液の溶媒の平衡蒸気圧曲線に従い溶媒が気化する温度より5℃以上高い温度である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記工程(d)におけるドラムドライヤの蒸気内圧が、0.1kPa~50kPaである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記工程(d)におけるドラムドライヤのドラム表面の温度が、20℃~200℃である、請求項1又は2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、化粧品用の増粘剤や衛生材料の吸水性ポリマーとして、カルボキシビニルポリマーに代表されるポリアクリル酸系ポリマー等が用いられてきた。しかしながら、ポリアクリル酸系ポリマーは石油由来であり、かつ非生分解性であるため、環境配慮の観点から、ポリアクリル酸系ポリマーの代替品の需要が高まりつつある。
【0003】
代替品のポリマーとして、ポリアスパラギン酸誘導体が知られている。ポリアスパラギン酸誘導体は、バイオ由来のアスパラギン酸を加熱縮合させること等によって得られる、ポリコハク酸イミドを原料とする。ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法としては、ジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解させたポリコハク酸イミドに、n-ドデシルアミンやヒドロキシプロピルアミン等のアミンを反応させる方法が知られている。そして、得られた反応液からポリアスパラギン酸誘導体を精製するために、多量の貧溶媒(アセトニトリル)中に反応液を撹拌して、ポリアスパラギン酸誘導体を沈殿させ、濾別してポリアスパラギン酸誘導体を得る方法(再沈殿法)が知られている(特許文献1)。
しかしながら、再沈殿には多量の溶媒が必要になるため、コスト面及び環境面から改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-344061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、再沈殿後に濾別した固体にわずかに反応溶媒が残存し、これにより粘着性を有するため、さらに貧溶媒で洗浄する必要がある。また、この粘着性により、洗浄前の濾別にも手間がかかる。さらに、再沈殿により得られるポリアスパラギン酸誘導体は非常に細かい粒子状であるため、多量の貧溶媒を吸収しており、この貧溶媒を除去するために長時間乾燥させる必要がある。
【0006】
そこで本開示は、ポリアスパラギン酸誘導体の精製に使用する溶媒の量が少ない、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリアスパラギン酸誘導体の反応液をドラムドライヤで乾燥させることで、精製に使用する溶媒の量を抑えられることを見出し、本開示の発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本開示の発明は以下の通りである。
[1] 下記工程(a)、工程(b)、及び工程(c)からなる群から選択される1以上の工程、
並びに前記工程(a)、工程(b)、及び工程(c)からなる群から選択される1以上の工程の後に工程(d)を含む、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法。
工程(a):溶媒aの存在下で、下記一般式(1)で表されるアミンにより、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、
前記溶媒aが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、工程;


-NH

(1)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数3~22の炭化水素基を含有する基を示す。)
工程(b):溶媒bの存在下で、下記一般式(2)で表されるアミン及び下記一般式(3)で表されるアミンからなる群から選択される一以上により、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、
前記溶媒bが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、工程;
OH-R

-NH

(2)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数1~16の炭化水素基を含有する基を示す。)
OH-R

-NH-R

(3)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数1~8の炭化水素基を含有する基を示し、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数1~8の炭化水素基を含有する基を示す。)
工程(c):溶媒cの存在下で、架橋剤により、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を架橋させる工程であって、
前記溶媒cが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上を含有する、工程;
工程(d):得られた反応液をドラムドライヤで乾燥させる工程
[2] 前記工程(d)におけるドラムドライヤのドラム表面の温度が、前記工程(d)におけるドラムドライヤの蒸気内圧条件下において、前記反応液の溶媒の平衡蒸気圧曲線に従い溶媒が気化する温度より5℃以上高い温度である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記工程(d)におけるドラムドライヤの蒸気内圧が、0.1kPa~50kPaである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記工程(d)におけるドラムドライヤのドラム表面の温度が、20℃~200℃である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示の発明によれば、ポリアスパラギン酸誘導体の反応液をドラムドライヤで乾燥させることで、精製に使用する溶媒の量を抑えることができる。
【0010】
また、本開示の発明によれば、粘着性をほとんど有しない繊維状のポリアスパラギン酸誘導体が得られるため、取り扱いが容易となる。
また、本開示の発明によれば、得られたポリアスパラギン酸誘導体をさらなる精製のために貧溶媒で洗浄する場合、ポリアスパラギン酸誘導体に吸収される貧溶媒の量を抑えられ、ポリアスパラギン酸誘導体スラリーの重量及び体積も小さくなり、取り扱いが容易となる。さらに、その後スラリーを乾燥させる場合に、貧溶媒の除去に必要な乾燥時間も短くなる。
特に、本開示の製造方法が工程(a)及び工程(b)から選択される1以上の工程を含む場合、本開示の発明によれば、該工程後にポリアスパラギン酸誘導体に残存する未反応のアミン(フリーアミン)の量を低減させることができる。これにより、ポリアスパラギン酸誘導体を化粧品等の所望の用途に用いる際に、pH調整に必要となる酸の量を低減できる。また、ポリアスパラギン酸誘導体は酸によりその粘度が低下する傾向にあるところ、pH調整に用いる酸の量を低減できるため、ポリアスパラギン酸誘導体を配合した組成物の粘度を高く維持しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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