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公開番号2025167975
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024073032
出願日2024-04-26
発明の名称ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法
出願人DIC株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C08G 73/10 20060101AFI20251030BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】n-ドデシルアミン等のアミンによる変性反応を高温下で行っても、分解が抑制され、また、貯蔵安定性に優れたポリアスパラギン酸誘導体が得られる、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】下記工程(a)を含む、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法;工程(a):溶媒の存在下で、特定のアミンにより、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、前記溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上、並びに少なくとも一つの水酸基を有する化合物を含有する、工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程(a)を含む、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法。
工程(a):溶媒の存在下で、下記一般式(1)で表されるアミンにより、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、


-NH

(1)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数3~22の炭化水素基を含有する基を示す。)
前記溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上、並びに少なくとも一つの水酸基を有する化合物を含有する、工程。
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
前記工程(a)が40℃以上で実施される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記工程(a)が150℃以下で実施される、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
工程(a)における溶媒中の、コハク酸イミドに由来する単量体単位のモル数に対する、少なくとも一つの水酸基を有する化合物が有する水酸基のモル数の比が、1.0~10.0である、請求項1又は2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、化粧品用の増粘剤や衛生材料の吸水性ポリマーとして、カルボキシビニルポリマーに代表されるポリアクリル酸系ポリマー等が用いられてきた。しかしながら、ポリアクリル酸系ポリマーは石油由来であり、かつ非生分解性であるため、環境配慮の観点から、ポリアクリル酸系ポリマーの代替品の需要が高まりつつある。
【0003】
代替品のポリマーとして、ポリアスパラギン酸誘導体が知られている。ポリアスパラギン酸誘導体は、バイオ由来のアスパラギン酸を加熱縮合させること等によって得られる、ポリコハク酸イミドを原料とする。ポリアスパラギン酸誘導体は、n-ドデシルアミンやヒドロキシプロピルアミン等の特定のアミンでポリコハク酸イミドを変性させることで得られる(特許文献1)。ポリコハク酸イミドは溶媒への溶解性が乏しく、ジメチルホルムアミド等の高沸点溶媒にしか溶解しない。そのため、特許文献1のポリアスパラギン酸誘導体の製造においては、ポリコハク酸イミドをジメチルホルムアミドに溶解させてから、アミンによる変性反応に供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-344061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ジメチルホルムアミド等の高沸点溶媒中で、n-ドデシルアミン等のアミンによりポリコハク酸イミドを高温下で変性させると、変性反応だけでなく、分解反応も進行してしまい、得られるポリアスパラギン酸誘導体の分子量が小さいという問題や、長期間の保存により分解が進み、ポリアスパラギン酸誘導体の分子量がさらに低下するため貯蔵安定性に優れないという問題があった。そのため、変性反応を低温下で長時間かけて行う必要があった。一方で、低温下で反応させた場合には分解反応も抑制され高分子量のポリアスパラギン酸誘導体が得られるが、ポリアスパラギン酸誘導体の水溶液を調製した際の貯蔵安定性に問題があった。
そこで本開示は、分解が抑制され、かつ、貯蔵安定性に優れたポリアスパラギン酸誘導体が得られる、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、n-ドデシルアミン等のアミンによる変性反応において、溶媒として、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上と、少なくとも一つの水酸基を有する化合物とを併用することで、高分子量であり、かつ貯蔵安定性に優れるポリアスパラギン酸誘導体が得られることを見出し、本開示の発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本開示の発明は以下の通りである。
[1] 下記工程(a)を含む、ポリアスパラギン酸誘導体の製造方法。
工程(a):溶媒の存在下で、下記一般式(1)で表されるアミンにより、コハク酸イミドに由来する単量体単位を含む重合体を変性させる工程であって、


-NH

(1)
(式中、R

はヘテロ原子を含んでも構わない炭素原子数3~22の炭化水素基を含有する基を示す。)
前記溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される一以上、並びに少なくとも一つの水酸基を有する化合物を含有する、工程。
[2] 前記工程(a)が40℃以上で実施される、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記工程(a)が150℃以下で実施される、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 工程(a)における溶媒中の、コハク酸イミドに由来する単量体単位のモル数に対する、少なくとも一つの水酸基を有する化合物が有する水酸基のモル数の比が、1.0~10.0である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本開示の発明によれば、分子量が高く、高粘度のポリアスパラギン酸誘導体を得ることができる。また、本開示の発明によれば、ポリアスパラギン酸誘導体を水溶液の状態で長期間保存しても貯蔵安定性に優れるポリアスパラギン酸誘導体を得ることができる。
特に、n-ドデシルアミン等のアミンによる変性反応を高温下で行う場合、低温下で反応させる場合よりも反応時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の発明をさらに詳細に説明する。なお、本開示は以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。
【0010】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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