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公開番号2025176658
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-04
出願番号2024119450
出願日2024-07-25
発明の名称水性エポキシ樹脂組成物、塗料及び物品
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 59/40 20060101AFI20251127BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた保存安定性を有し、かつ、優れた防食性及び金属密着性を有する硬化塗膜を形成可能な水性エポキシ樹脂組成物、前記水性エポキシ樹脂組成物を含有する塗料、前記塗料の硬化塗膜を有する物品を提供すること。
【解決手段】必須の反応原料としての、エポキシ樹脂(a1)、多塩基酸無水物(a2)、数平均分子量が1,000～6,000のポリアルキレングリコール(a3)を、〔(a2)+(a3)〕/(a1)で表される質量比が2～12の範囲で用いてなる水性樹脂(A)と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂(B)と、水性媒体(C)と、を含有し、前記水性樹脂(A)と前記エポキシ樹脂(B)との質量比[(B)/(A)]が10～30の範囲である水性エポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
必須の反応原料としての、エポキシ樹脂（ａ１）、多塩基酸無水物（ａ２）、数平均分子量が１，０００～６，０００のポリアルキレングリコール（ａ３）を、
〔（ａ２）＋（ａ３）〕／（ａ１）で表される質量比が２～１２の範囲で用いてなる水性樹脂（Ａ）と、
ビスフェノールＡ型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂（Ｂ）と、
水性媒体（Ｃ）と、を含有し、
前記水性樹脂（Ａ）と前記エポキシ樹脂（Ｂ）との質量比［（Ｂ）／（Ａ）］が１０～３０の範囲である水性エポキシ樹脂組成物。
続きを表示（約 510 文字）【請求項２】
前記エポキシ樹脂（ａ１）が、ビスフェノールＦ型エポキシ樹脂を含むものである請求項１記載の水性エポキシ樹脂組成物。
【請求項３】
前記多塩基酸無水物（ａ２）が、ヘキサヒドロ無水フタル酸を含むものである請求項１記載の水性エポキシ樹脂組成物。
【請求項４】
前記水性樹脂（Ａ）のエポキシ当量が、１，０００～５，０００ｇ／ｅｑ．である請求項１記載の水性エポキシ樹脂組成物。
【請求項５】
前記エポキシ樹脂（Ｂ）が、更に、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる１種以上を含有するものである請求項１記載の水性エポキシ樹脂組成物。
【請求項６】
前記エポキシ樹脂（Ｂ）中に、前記ビスフェノールＡ型エポキシ樹脂を４０質量％以上で含有する請求項１記載の水性エポキシ樹脂組成物。
【請求項７】
請求項１～６の何れか１項記載の水性エポキシ樹脂組成物と、硬化剤とを含有する塗料。
【請求項８】
請求項７記載の塗料の硬化塗膜を有する物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、水性エポキシ樹脂組成物、塗料及び物品に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
一般に、エポキシ樹脂組成物は機械的特性、電気的特性に優れ、接着性、耐溶剤性、耐水性、耐熱性等が良好な硬化物が得られることから、電気・電子部品の絶縁材料、接着剤、塗料、土木建築用等に広く用いられている。
【０００３】
これらの各用途のなかでも特に塗料用途等においては、各種の有機溶剤を用いた溶剤希釈タイプが一般的であった。しかしながら、近年、大気汚染防止、作業環境改善等を含めた地球環境保全の観点から揮発性有機化合物（ＶＯＣ）総量規制の実施の方向へ進んでおり、有機溶剤を使用しない水性エポキシ樹脂組成物が注目を浴びている。
【０００４】
前記水性エポキシ樹脂組成物としては、例えば、ポリエチレングリコールとトリメリット酸無水物を先に反応させ、その後過剰のエポキシ樹脂と反応させることによって乳化剤を合成し、これをエポキシ樹脂に添加、水を加えることによって得る水性エポキシ樹脂組成物が知られている（例えば、特許文献１参照）。また、ポリエチレングリコールを酸無水物と先に反応させ、その後過剰のエポキシ樹脂と反応させることによって乳化剤を合成し取り出した後、エポキシ樹脂に改めて添加し、水を加えることによって得る水性エポキシ樹脂組成物が知られている（例えば、特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
中国特許出願公開第１０５８０１８６８号公報
中国特許出願公開第１０８５０３８４６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかし、これらの水性エポキシ樹脂組成物は、保存安定性が不十分であることに加え、硬化物の諸物性（例えば、防食性、金属密着性）においても、昨今ますます高まる要求性能を満足させるために、改善の余地がある。
【０００７】
本発明が解決しようとする課題は、優れた保存安定性を有し、かつ、優れた防食性及び金属密着性を有する硬化塗膜を形成可能な水性エポキシ樹脂組成物、前記水性エポキシ樹脂組成物を含有する塗料、前記塗料の硬化塗膜を有する物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、エポキシ樹脂、多塩基酸無水物及びポリアルキレングリコールを特定割合で用いる水性樹脂と、ビスフェノールＡ型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂と、水性媒体とを、特定割合で含有する水性エポキシ樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【０００９】
すなわち、本発明は、必須の反応原料としての、エポキシ樹脂（ａ１）、多塩基酸無水物（ａ２）、数平均分子量が１，０００～６，０００のポリアルキレングリコール（ａ３）を、
〔（ａ２）＋（ａ３）〕／（ａ１）で表される質量比が２～１２の範囲で用いてなる水性樹脂（Ａ）と、
ビスフェノールＡ型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂（Ｂ）と、
水性媒体（Ｃ）と、を含有し、
前記水性樹脂（Ａ）と前記エポキシ樹脂（Ｂ）との質量比［（Ｂ）／（Ａ）］が１０～３０の範囲である水性エポキシ樹脂組成物とこれを用いる塗料、および前記塗料からなる塗膜を有する物品を提供するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の水性エポキシ樹脂組成物は、優れた保存安定性を有するとともに、前記水性エポキシ樹脂組成物を含有する塗料は、優れた防食性及び金属密着性を有することから、特に防食塗料に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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