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公開番号
2025163835
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-30
出願番号
2024067392
出願日
2024-04-18
発明の名称
活性エネルギー線硬化性組成物、硬化塗膜及びフィルム
出願人
DIC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09D
7/61 20180101AFI20251023BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】本発明は、COPフィルム等の基材表面に塗工して硬化させることで、プライマー処理やコロナ処理等の前処理やバインダー層を必要とすることなく、基材との優れた密着性とハードコート性が得られ、更に干渉縞の発生を抑制できる活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化塗膜及びそれを用いたフィルムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、下記(A)~(D)成分を含有し、下記式(1)求められる無機成分の屈折率が1.46以上1.68未満である活性エネルギー線硬化型組成物。
(A)成分:光開始剤
(B)成分:屈折率が1.53未満の無機微粒子
(C)成分:屈折率が1.53以上の無機微粒子
(D)成分:水酸基を有する(メタ)アクリレート(d1)と水酸基を有さない(メタ)アクリレート(d2)
式(1):((B)成分の屈折率×(B)成分の体積+(C)成分の屈折率×(C)成分の体積)/((B)成分の体積+(C)成分の体積)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(A)~(D)成分を含有し、下記式(1)求められる無機成分の屈折率が1.46以上1.68未満である活性エネルギー線硬化型組成物。
(A)成分:光開始剤
(B)成分:屈折率が1.53未満の無機微粒子
(C)成分:屈折率が1.53以上の無機微粒子
(D)成分:水酸基を有する(メタ)アクリレート(d1)と水酸基を有さない(メタ)アクリレート(d2)
式(1):((B)成分の屈折率×(B)成分の体積+(C)成分の屈折率×(C)成分の体積)/((B)成分の体積+(C)成分の体積)
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
(B)成分が、平均一次粒子径が10nm以上で150nm以下の範囲内のシリカ微粒子を含むものである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
(C)成分が、平均一次粒子径が10nm以上で100nm以下の範囲内のジルコニア微粒子またはチタニア微粒子を含むものである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
(A)成分が、水素引き抜き型の光開始剤を含むものである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
(E)成分として、リン酸エステル、カルボン酸エステル、硫酸エステル、及びスルホン酸エステルからなる群から選択されるいずれか1種の分散剤を含むものである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
(d1)成分が、水酸基価が80mgKOH/g以上である多官能アクリレートを含むものである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項7】
(B)成分と(C)成分の合計含有量が、組成物中の固形物全体の合計100質量%中、10~80質量%である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜。
【請求項9】
屈折率が1.50以上1.56以下である請求項8に記載の硬化塗膜。
【請求項10】
環状オレフィン樹脂フィルム基材、又はオレフィン樹脂フィルム基材の少なくとも1面にプライマー処理、コロナ処理を介さずに請求項8に記載の硬化塗膜を有するフィルム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物、当該組成物の硬化塗膜、当該硬化塗膜を有するフィルムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
環状オレフィン樹脂(COP)フィルムは、高透明性、低複屈折、低吸湿性、低透湿性等に優れており、光学部材、医療、包装フィルム、自動車、半導体等の用途に幅広く用いられている。特に光学用途では、テレビ等のディスプレイの大面積化に伴い、従来用いられていたポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチックフィルムの代替としてCOPフィルムを用いることが検討されている。
【0003】
一方で、COPフィルムは表面硬度が不十分であるため加工時や使用時に傷が付くおそれがあり、耐摩耗性及び耐擦傷性の向上を目的として、表面に活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜からなるハードコート層等の保護層を設けることがある。
しかしながら、COPフィルムはその主構造が脂環構造であることからフィルム表面の極性が低く、表面の濡れ性が悪く、溶剤によって浸食され難いという特徴を有する。そのため、COPフィルム上にハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物を塗工した場合、塗材が塗れ広がりにくく、COP表面とハードコート層との間の密着性(基材密着性)が低いという問題があった。
【0004】
基材密着性を向上する方法として、プライマー処理やコロナ処理等の前処理をすることでCOPフィルム表面を親水化する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法によりCOPフィルム表面とハードコート層との間の密着性を向上することはできるが、プライマー層の塗工、乾燥により工程数が増加し、歩留まり低下、コストアップ、環境負荷発生等の問題がある。また、基材密着性を確保する手段として、ナノシリカ粒子を多量に使用するという手法がある(例えば、特許文献2及び3)。しかしナノシリカは樹脂やCOPフィルムと比べて屈折率が低く、多量に添加することで形成されるハードコートの屈折率も下がってしまうため、干渉縞が発生しやすいといった課題もある。このような干渉縞は、ディスプレイなどのハードコート層において外観不良となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-284158号公報
特開2018-203887号公報
特開2023-35866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、COPフィルム等の基材表面に塗工して硬化させることで、プライマー処理やコロナ処理等の前処理やバインダー層を必要とすることなく、基材との優れた密着性とハードコート性が得られ、更に干渉縞の発生を抑制できる活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化塗膜及びそれを用いたフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、屈折率の異なる2種の無機微粒子を用い、水酸基を有する(メタ)アクリレートと水酸基を有さない(メタ)アクリレートの2種を配合し、更に硬化後の屈折率(nD)を特定の範囲とすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち本発明は、以下の発明に関するものである。
[1] 下記(A)~(D)成分を含有し、下記式(1)求められる無機成分の屈折率が1.46以上1.68未満である活性エネルギー線硬化型組成物。
(A)成分:光開始剤
(B)成分:屈折率が1.53未満の無機微粒子
(C)成分:屈折率が1.53以上の無機微粒子
(D)成分:水酸基を有する(メタ)アクリレート(d1)と水酸基を有さない(メタ)アクリレート(d2)
式(1):((B)成分の屈折率×(B)成分の体積+(C)成分の屈折率×(C)成分の体積)/((B)成分の体積+(C)成分の体積)
[2] (B)成分が、平均一次粒子径が10nm以上で150nm以下の範囲内のシリカ微粒子を含むものである[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[3] (C)成分が、平均一次粒子径が10nm以上で100nm以下の範囲内のジルコニア微粒子またはチタニア微粒子を含むものである[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[4] (A)成分が、水素引き抜き型の光開始剤を含むものである[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[5] (E)成分として、リン酸エステル、カルボン酸エステル、硫酸エステル、及びスルホン酸エステルからなる群から選択されるいずれか1種の分散剤を含むものである[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[6] (d1)成分が、水酸基価が80mgKOH/g以上である多官能アクリレートを含むものである[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[7] (B)成分と(C)成分の合計含有量が、組成物中の固形物全体の合計100質量%中、10~80質量%である[1]に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
[8] [1]~[7]のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜。
[9] 屈折率が1.50以上1.56以下である[8]に記載の硬化塗膜。
[10] 環状オレフィン樹脂フィルム基材、又はオレフィン樹脂フィルム基材の少なくとも1面にプライマー処理、コロナ処理を介さずに[8]に記載の硬化塗膜を有するフィルム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、COPフィルム等の基材表面に塗工した後に硬化させることで、基材のプライマー処理やコロナ処理等の前処理やバインダー層を必要とすることなく、基材密着性とハードコート性が得られ、更に干渉縞の発生を抑制できる硬化塗膜を形成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜であるハードコート層は、硬度が高く、耐擦傷性に優れることから、幅広い用途で使用することができる。よって、本発明の硬化塗膜を含むフィルムは、ディスプレイなどの光学部材のハードコートフィルムなどの用途に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(以下、単に「組成物」ということがある。)は、下記(A)~(D)成分を含有し、下記式(1)求められる無機成分の屈折率が1.46以上1.68未満である活性エネルギー線硬化型組成物。
(A)成分:光開始剤
(B)成分:屈折率が1.53未満の無機微粒子
(C)成分:屈折率が1.53以上の無機微粒子
(D)成分:水酸基を有する(メタ)アクリレート(d1)と水酸基を有さない(メタ)アクリレート(d2)
式(1):((B)成分の屈折率×(B)成分の体積+(C)成分の屈折率×(C)成分の体積)/((B)成分の体積+(C)成分の体積)
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの一方又は両方をいう。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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