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公開番号2025168245
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2025049617
出願日2025-03-25
発明の名称セルロースエステル樹脂用改質剤、セルロースエステル樹脂組成物、成形体、光学フィルムおよび表示装置
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08L 1/10 20060101AFI20251030BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】セルロースエステル樹脂組成物成形体表面の改質剤のブルームアウトおよび製造設備の汚染を抑制できるセルロースエステル樹脂用改質剤を提供する。
【解決手段】3~6価の脂肪族ポリオール、芳香族モノカルボン酸および脂肪族モノカルボン酸を反応成分とするポリオールエステル化合物を含有するセルロースエステル樹脂用改質剤であって、前記芳香族モノカルボン酸および前記脂肪族モノカルボン酸のモル比が、芳香族モノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸=95:5~60:40を満たすセルロースエステル樹脂用改質剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
3~6価の脂肪族ポリオール、芳香族モノカルボン酸および脂肪族モノカルボン酸を反応成分とするポリオールエステル化合物を含有するセルロースエステル樹脂用改質剤であって、
前記芳香族モノカルボン酸および前記脂肪族モノカルボン酸のモル比が、芳香族モノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸=95:5~60:40を満たすセルロースエステル樹脂用改質剤。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記脂肪族ポリオールが、炭素原子数2~12の3~6価の脂肪族ポリオールである請求項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項3】
前記脂肪族ポリオールが、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4-ソルビタン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオールおよびグリセリンから選択される1種以上である請求項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項4】
前記芳香族モノカルボン酸が、炭素原子数6~12の芳香族モノカルボン酸である請求項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項5】
前記脂肪族モノカルボン酸が炭素原子数4~10の脂肪族モノカルボン酸である請求項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項6】
脂肪族ジオールおよび芳香族モノカルボン酸を反応成分とするジエステル化合物をさらに含有する請求項1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項7】
前記脂肪族ジオールが炭素原子数2~6の脂肪族ジオールである請求項6に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項8】
前記脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、D-イソソルバイド、L-イソソルバイド、イソマンニド、エリスリタンおよび1,4-ジヒドロキシ-2-ブテンから選択される1種以上である請求項6に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項9】
前記芳香族モノカルボン酸が、炭素原子数6~12の芳香族モノカルボン酸である請求項6に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
【請求項10】
前記ポリオールエステル化合物と前記ジエステル化合物の質量比が、ポリオールエステル化合物:ジエステル化合物=99:1~40:60を満たす請求項6に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースエステル樹脂用改質剤、セルロースエステル樹脂組成物、光学フィルムおよび表示装置に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
セルロースエステル樹脂は、例えばシート、フィルム、電線被覆、玩具、医療用機器あるいは食品包装材等、非常に多岐にわたって利用されており、なかでもセルロースエステル樹脂のフィルムは優れた透明性、光学特性、強靭性などの特徴を有することから、画像表示装置の偏光膜保護フィルムや位相差フィルムとして広く用いられている。
【0003】
上記画像表示装置に使用されるフィルムには、透湿度、耐湿熱性などの機械特性、透明性などの光学特性などが目的に応じて付与されており、これら機能をフィルムに付与するための改質剤が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-191219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示する安息香酸トリエステル改質剤は、セルロースエステル樹脂組成物の成形体に優れた透湿性を付与することができるが、当該安息香酸トリエステル改質剤は固化しやすいために、セルロースエステル樹脂組成物の成形体表面に安息香酸トリエステル改質剤がブルームアウトするおそれがあった。また、成形体製造過程における加熱工程において、安息香酸トリエステル改質剤がセルロースエステル樹脂組成物から飛散し、成形体表面や製造設備に付着して固化してしまう汚染も生じるおそれがあった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、セルロースエステル樹脂組成物成形体表面の改質剤のブルームアウトおよび製造設備の汚染を抑制できるセルロースエステル樹脂用改質剤を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、改質剤のブルームアウトがない成形体および光学フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、3~6価の脂肪族ポリオール、芳香族モノカルボン酸を反応成分とするポリオールエステル化合物のセルロースエステル樹脂用改質剤について、反応成分に特定量の脂肪族モノカルボン酸も用いることで、改質剤の性能を損ねることなく、改質剤を固化しにくくすることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、下記セルロースエステル樹脂用改質剤等に関するものである。
1.3~6価の脂肪族ポリオール、芳香族モノカルボン酸および脂肪族モノカルボン酸を反応成分とするポリオールエステル化合物を含有するセルロースエステル樹脂用改質剤であって、
前記芳香族モノカルボン酸および前記脂肪族モノカルボン酸のモル比が、芳香族モノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸=95:5~60:40を満たすセルロースエステル樹脂用改質剤。
2.前記脂肪族ポリオールが、炭素原子数2~12の3~6価の脂肪族ポリオールである1に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
3.前記脂肪族ポリオールが、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4-ソルビタン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオールおよびグリセリンから選択される1種以上である1又は2に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
4.前記芳香族モノカルボン酸が、炭素原子数6~12の芳香族モノカルボン酸である1~3のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
5.前記脂肪族モノカルボン酸が炭素原子数4~10の脂肪族モノカルボン酸である1~4のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
6.脂肪族ジオールおよび芳香族モノカルボン酸を反応成分とするジエステル化合物をさらに含有する1~5のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
7.前記脂肪族ジオールが炭素原子数2~6の脂肪族ジオールである6に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
8.前記脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、D-イソソルバイド、L-イソソルバイド、イソマンニド、エリスリタンおよび1,4-ジヒドロキシ-2-ブテンから選択される1種以上である6又は7に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
9.前記芳香族モノカルボン酸が、炭素原子数6~12の芳香族モノカルボン酸である6~8のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
10.前記ポリオールエステル化合物と前記ジエステル化合物の質量比が、ポリオールエステル化合物:ジエステル化合物=99:1~40:60を満たす6~9のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
11.下記一般式(1)で表されるポリエステルポリオールを含有する1~10のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
TIFF
2025168245000001.tif
16
66
(前記一般式(1)において、


は、炭素原子数2~12の脂肪族ジオール残基又は炭素原子数6~18の芳香族ジオール残基であり、


は、炭素原子数2~12の脂肪族ジカルボン酸残基又は炭素原子数6~14の芳香族ジカルボン酸残基であり、
nは、繰り返し数を表す。
但し、繰り返しごとにG

は互いに同じでも異なっていてもよく、繰り返しごとにA

は互いに同じでも異なっていてもよい。)
12.前記ポリオールエステル化合物および前記一般式(1)で表されるポリエステルポリオールの質量比が、ポリオールエステル化合物:一般式(1)で表されるポリエステルポリオール=99:1~25:75を満たす11に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
13.下記一般式(2)で表されるポリエステルを含有する1~12のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
TIFF
2025168245000002.tif
16
66
(前記一般式(2)において、


は、炭素原子数2~12の脂肪族ジオール残基又は炭素原子数6~18の芳香族ジオール残基であり、


は、炭素原子数2~12の脂肪族ジカルボン酸残基又は炭素原子数6~14の芳香族ジカルボン酸残基であり、


およびB

は、それぞれ独立に、炭素原子数1~8の脂肪族モノカルボン酸残基又は炭素原子数6~12の芳香族モノカルボン酸残基であり、
mは、繰り返し数を表す。
但し、繰り返しごとにG

は互いに同じでも異なっていてもよく、繰り返しごとにA

は互いに同じでも異なっていてもよい。)
14.前記ポリオールエステル化合物および前記一般式(2)で表されるポリエステルの質量比が、ポリオールエステル化合物:一般式(2)で表されるポリエステル=99:1~25:75を満たす13に記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
15.セルロースエステル樹脂および1~14のいずれかに記載のセルロースエステル樹脂用改質剤を含有するセルロースエステル樹脂組成物。
16.前記セルロースエステル樹脂100質量部に対して、前記セルロースエステル樹脂用改質剤を1~30質量部の範囲で含有する15に記載のセルロースエステル樹脂組成物。
17.15又は16に記載のセルロースエステル樹脂組成物の成形体。
18.15又は16に記載のセルロースエステル樹脂組成物を用いて得られる光学フィルム。
19.18に記載の光学フィルムを備える表示装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、セルロースエステル樹脂組成物成形体表面の改質剤のブルームアウトおよび製造設備の汚染を抑制できるセルロースエステル樹脂用改質剤が提供できる。
本発明により、改質剤のブルームアウトがない成形体および光学フィルムが提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
尚、本明細書中の化合物は、化石資源由来であってもよく、生物資源由来であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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