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公開番号
2025165441
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-05
出願番号
2024069463
出願日
2024-04-23
発明の名称
既設トンネルの拡幅構造と既設トンネルの拡幅施工方法、及び曲線パイプルーフの設計方法
出願人
大成建設株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
E21D
9/01 20060101AFI20251028BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】既設トンネルの一部区間に拡幅部を施工するに当たり、曲線パイプルーフの先端を受け入れて支持する既設トンネルや先進導坑が存在しない場合であっても、曲線パイプルーフにて土留めを行いながら拡幅施工を行うことのできる、既設トンネルの拡幅施工方法と既設トンネルの拡幅構造、及び曲線パイプルーフの設計方法を提供する。
【解決手段】既設トンネルの拡幅構造100は、既設トンネルの真円部20の側壁から周辺の地山に向かって配設されている、複数の円弧状の曲線パイプルーフ40と、曲線パイプルーフ40の下方において、側壁の一部が切り開かれて所定の拡幅区間に亘って設けられている、拡幅部70とを有し、曲線パイプルーフ40の基端42は、既設トンネルの側壁のうち、スプリングラインSLよりも上方に固定され、曲線パイプルーフ40の先端44は、地山に支持されている。
【選択図】図5C
特許請求の範囲
【請求項1】
既設トンネルの真円部の側壁から周辺の地山に向かって配設されている、複数の円弧状の曲線パイプルーフと、
前記曲線パイプルーフの下方において、前記側壁の一部が切り開かれて所定の拡幅区間に亘って設けられている、拡幅部とを有し、
前記曲線パイプルーフの基端は、前記既設トンネルの側壁のうち、スプリングラインよりも上方に固定され、
前記曲線パイプルーフの先端は、地山もしくは改良地盤に支持されていることを特徴とする、既設トンネルの拡幅構造。
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【請求項2】
前記曲線パイプルーフの長さが、前記拡幅部におけるセグメントの設置に必要な掘削範囲から斜め上方へ延ばした主働崩壊線よりも下方にある、掘削による緩み領域よりも下方までの長さとして設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の既設トンネルの拡幅構造。
【請求項3】
既設トンネルの真円部からその側壁の一部を切り開いて、所定の拡幅区間の拡幅部を、施工が開始される基端側から施工が終了する先端側に向かって順に施工する、既設トンネルの拡幅施工方法であって、
補助工程と、先行拡幅掘削工程と、拡幅部構築工程と、後行拡幅掘削工程とを備え、
前記補助工程は、前記側壁から周辺の地山に向かって複数の円弧状の曲線パイプルーフを施工し、この際に、該曲線パイプルーフの基端を、前記既設トンネルの側壁におけるスプリングラインよりも上方に固定し、曲線パイプルーフの先端を地山もしくは改良地盤に支持させ、
前記先行拡幅掘削工程は、前記拡幅区間の基端側にあるセグメントの2リングの範囲を拡幅掘削して拡幅掘削領域を施工し、
前記拡幅部構築工程は、前記拡幅掘削領域のうち、基端側のセグメントの1リングの範囲に拡幅部を構築し、
前記後行拡幅掘削工程は、前記拡幅掘削領域の先端側におけるセグメントの1リングの範囲に新たな拡幅掘削領域を施工し、
前記拡幅部構築工程と前記後行拡幅掘削工程を繰り返して、前記所定の拡幅区間に前記拡幅部を施工することを特徴とする、既設トンネルの拡幅施工方法。
【請求項4】
前記補助工程には、前記曲線パイプルーフの構築に先行して、少なくとも前記拡幅掘削領域に地盤改良を行うことを特徴とする、請求項3に記載の既設トンネルの拡幅施工方法。
【請求項5】
既設トンネルの真円部の側壁から周辺の地山に向かって配設される、曲線パイプルーフであって、該曲線パイプルーフの下方には、切り開かれた該側壁の一部から地山が掘削された拡幅掘削領域が設けられ、該曲線パイプルーフの基端は、該既設トンネルの側壁のうち、スプリングラインよりも上方に固定され、該曲線パイプルーフの先端は地山もしくは改良地盤に支持されるようになっており、地山に対する該曲線パイプルーフを設計する、曲線パイプルーフの設計方法であって、
コンピュータ内において、前記既設トンネルの軸方向に直交する断面において側方に延びる前記曲線パイプルーフと、該曲線パイプルーフの下方の拡幅掘削領域を含む周辺の地山とをモデル化して3次元有限要素法を用いた解析を実行することにより、該曲線パイプルーフの下方にある、掘削による緩み領域を特定し、
前記曲線パイプルーフに取り付ける土圧もしくは土水圧に抵抗する地山もしくは改良地盤の地盤ばねに関し、前記既設トンネルの下面から側方の斜め上方へ延ばした主働崩壊線よりも上方にある前記拡幅掘削領域では、該地盤ばねをカットし、
前記緩み領域における前記地盤ばねの剛性を、実際の地山もしくは改良地盤の地盤ばねの剛性の1/2として設定し、
前記緩み領域よりも下方では、前記地盤ばねの剛性を実際の地山もしくは改良地盤の剛性として設定し、
モデル化された曲線パイプルーフのそれぞれの領域に前記地盤ばねを設置し、土圧もしくは土水圧を載荷して曲線パイプルーフの応力度照査を実行して該曲線パイプルーフを設計することを特徴とする、曲線パイプルーフの設計方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設トンネルの拡幅構造と既設トンネルの拡幅施工方法、及び曲線パイプルーフの設計方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、軟弱な地盤が分布する都市部において道路トンネルを施工する場合、開削工法の適用が一般的であるものの、開削工法は、工事中の騒音や振動、交通規制等の課題を内在している。また、都市部の道路下空間は、複数の地下鉄や共同溝等の埋設物が輻輳していることから、新たに施工しようとするトンネルの設置深度は往々にして深くなる傾向にあり、設置深度の深層化は建設費の増大に直結する。このような背景の下、道路トンネルの施工に際してシールド工法を適用するケースが増加している。
ところで、この道路トンネルの施工では、断面円形(断面が馬蹄形の略円形も含む)のトンネルを地中で切り開く(切り拡げる)ことにより、非常口や非常駐車帯が一般に施工される。このように、断面円形の一般部の一部を側方に切り開くことにより、トンネル軸方向(トンネル長手方向)には一定区間の拡幅部が施工されることになる。
上記するトンネルの拡幅施工では、既設トンネルの真円部に一定区間の拡幅部を施工するに際し、当該一定区間の真円部の側壁を一括で撤去して切り開いた後、側方の地盤に対して拡幅掘削を行い、拡幅部用のセグメントを設置して一定区間の拡幅部を構築する施工方法が適用されている。尚、この拡幅掘削に当たり、必要に応じて地山を保持するための補助工法が適用され、例えば、拡幅掘削領域に対して薬液注入等の地盤改良が実施されるとともに、曲線パイプルーフ等のパイプルーフ等による土留めが施工される。
【0003】
曲線パイプルーフにてその上方の地山を土留めしながらその下方を掘削するに当たり、曲線パイプルーフの両端は既設のトンネル等によって支持されることが一般的である。例えば、水平方向に間隔を置いて施工済みの2列の既設トンネルの間を連通させて拡幅する場合に、一方の既設トンネルから他方の既設トンネルに向かって曲線パイプルーフを推進させ、2つの既設トンネルと曲線パイプルーフの両端を固定し、曲線パイプルーフの両端を2列の既設トンネルにて支持させる施工方法が挙げられる。ここで、曲線パイプルーフには、上方に凸の上向き曲線パイプルーフと、下方に凸の下向き曲線パイプルーフが含まれ、一方のみが施工される場合と双方が施工される場合がある。
また、既設トンネルに代わり、先進導坑を先行施工する場合においても、地盤内に水平方向に間隔を置いて2列の先進導坑を先行施工し、例えば2列の先進導坑の一方から曲線パイプルーフを他方側へ推進させ、他方の先進導坑にて曲線パイプルーフの先端を受け入れ、曲線パイプルーフの両端と2列の先進導坑を固定し、曲線パイプルーフの両端を2列の先進導坑にて支持させる施工方法が挙げられる。
【0004】
このように、例えば既設トンネルの一部区間に拡幅部を施工するべく、曲線パイプルーフを先行施工して土留めを行うに当たり、従来は曲線パイプルーフの両端を既設トンネルや先進導坑等にて固定し、支持させる方法が一般的であることから、仮に曲線パイプルーフの先端を受け入れる側に既設トンネルや先進導坑が存在しない場合は、曲線パイプルーフの施工そのものを計画することができない。
以上のことから、既設トンネルの一部区間に拡幅部を施工するに当たり、曲線パイプルーフの先端を受け入れて支持する既設トンネルや先進導坑が存在しない場合であっても、曲線パイプルーフにて土留めを行いながら拡幅施工を行うことのできる、既設トンネルの拡幅施工方法と既設トンネルの拡幅構造が望まれる。
【0005】
ここで、特許文献1には、地下構造物の構築工法が提案されている。この構築工法は、トンネルを並行に掘進した後、その対向する側を掘削して拡幅部を形成するに際し、トンネルの地山に覆工材を設置し、トンネル間の上側と下側に推進管(ルーフ材)を設置し、覆工材と推進管に作用する外力に対して軸力主体で抵抗するべく、断面が楕円形状に閉合するように覆工材と推進管を設置する構築工法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-124489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の地下構造物の構築工法においても、ルーフ材(曲線パイプルーフに相当)の両端を並行に掘進した2つのトンネルに固定し、支持させることから、上記する課題を内包している。
【0008】
本発明は、既設トンネルの一部区間に拡幅部を施工するに当たり、曲線パイプルーフの先端を受け入れて支持する既設トンネルや先進導坑が存在しない場合であっても、曲線パイプルーフにて土留めを行いながら拡幅施工を行うことのできる、既設トンネルの拡幅施工方法と既設トンネルの拡幅構造、及び曲線パイプルーフの設計方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明による既設トンネルの拡幅構造の一態様は、
既設トンネルの真円部の側壁から周辺の地山に向かって配設されている、複数の円弧状の曲線パイプルーフと、
前記曲線パイプルーフの下方において、前記側壁の一部が切り開かれて所定の拡幅区間に亘って設けられている、拡幅部とを有し、
前記曲線パイプルーフの基端は、前記既設トンネルの側壁のうち、スプリングラインよりも上方に固定され、
前記曲線パイプルーフの先端は、地山もしくは改良地盤に支持されていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、曲線パイプルーフの基端(一端)が既設トンネルの側壁におけるスプリングラインよりも上方に固定され、曲線パイプルーフの先端(推進方向の先端で、他端)が地山もしくは改良地盤に支持されていることにより、曲線パイプルーフの先端を受け入れる既設トンネルや先進導坑を不要としながら、曲線パイプルーフにて土留めが図られて既設トンネルの一部区間に拡幅部が形成されている、拡幅構造となる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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