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公開番号2025161497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024064730
出願日2024-04-12
発明の名称多段遠心ターボ機械
出願人川崎重工業株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類F04D 29/44 20060101AFI20251017BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】多段遠心ターボ機械において一段落あたりの圧力比を向上する。
【解決手段】遠心ターボ機械は、回転軸と、回転軸と一体的に回転するインペラと当該インペラの出口から吐き出された流体を次段のインペラの入口へ送る静止流路とを単位段落とし、回転軸の軸方向に並ぶ複数の段落と、を備える。静止流路は、インペラの出口の径方向外側に配置された複数のディフューザベーンを有するディフューザと、インペラの出口とディフューザの入口との間に配置された絞り流路と、ディフューザの出口と接続されたリターンベンドと、リターンベンドの出口と接続されたリターンガイドと、リターンガイドの出口と接続されたL字ベンドとを有し、静止流路の外径はインペラの外径の1.8倍以上であり、リターンベンドは最短経路で流れをターンさせる場合と比較して曲率半径が大きく且つ長い経路を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転するインペラと当該インペラの出口から吐き出された流体を次段のインペラの入口へ送る静止流路とを単位段落とし、前記回転軸の軸方向に並ぶ複数の段落と、を備え、
前記静止流路は、前記インペラの出口の径方向外側で前記回転軸を中心として周方向に並ぶ複数のディフューザベーンを有するディフューザと、前記インペラの出口と前記ディフューザの入口との間に配置された絞り流路と、前記ディフューザの出口と接続されて前記流体の流れを前記径方向外向きから前記径方向内向きに転向するリターンベンドと、前記リターンベンドの出口と接続されて前記回転軸を中心として前記周方向に並ぶ複数のリターンガイドベーンを有するリターンガイドと、前記リターンガイドの出口と接続されて前記流体の流れを前記径方向内向きから前記軸方向に転向するL字ベンドとを有し、
前記静止流路の外径は前記インペラの外径の1.8倍以上であり、
前記リターンベンドは最短経路で流れをターンさせる場合と比較して曲率半径が大きく且つ長い経路を有する、
多段遠心ターボ機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、多段遠心ターボ機械の構成に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、流体でインペラを回転させることによって機械と流体の間でエネルギー変換をする遠心ターボ機械が知られている。遠心ターボ機械として、圧縮機、送風機、ポンプなどが例示される。多段遠心ターボ機械は、インペラと、インペラから吐き出された流体を次段のインペラへ送る静止流路とを単位段落として、多数の段落を備える。例えば、特許文献1には、この種の多段遠心ターボ機械が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された多段遠心流体機械は、回転軸と、回転軸に設置された複数のインペラと、インペラから吐き出された流体を次段のインペラへ送る静止流路とを備えている。静止流路は、インペラの径方向外側に配置されたディフューザと、ディフューザの下流に接続され流体の流れを径方向外向きから径方向内向きに変換するリターンベンドと、リターンベンドの下流に接続され径方向内向きに流れる流体を次段のインペラの入口へ導くリターンベーンとを、有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-1450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水素やヘリウムなどの分子量の小さい気体を高い圧力比で圧縮できる圧縮機が求められている。このような圧縮機として、ターボ圧縮機と、密封された気体の容積を圧縮し圧力を得る容積圧縮機(例えば、レシプロ圧縮機)とが検討されている。一般に、ターボ圧縮機は、容積圧縮機と比較して、大流量を処理可能であるが、高い圧力比を提供することが難しい。ターボ圧縮機で容積圧縮機と同等の圧力比を提供するためには、一段落あたりの圧力比を大きくする必要がある。
【0006】
本開示は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多段遠心ターボ機械において一段落あたりの圧力比を向上できる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る遠心ターボ機械は、
回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転するインペラと当該インペラの出口から吐き出された流体を次段のインペラの入口へ送る静止流路とを単位段落とし、前記回転軸の軸方向に並ぶ複数の段落と、を備え、
前記静止流路は、前記インペラの出口の径方向外側に前記回転軸を中心として周方向に並ぶ複数のディフューザベーンを有するディフューザと、前記インペラの出口と前記ディフューザの入口との間に配置された絞り流路と、前記ディフューザの出口と接続されて前記流体の流れを前記径方向外向きから前記径方向内向きに転向するリターンベンドと、前記リターンベンドの出口と接続されて前記回転軸を中心として前記周方向に並ぶ複数のリターンガイドベーンを有するリターンガイドと、前記リターンガイドの出口と接続されて前記流体の流れを前記径方向内向きから前記軸方向に転向するL字ベンドとを有し、
前記静止流路の外径は前記インペラの外径の1.8倍以上であり、
前記リターンベンドは最短経路で流れをターンさせる場合と比較して曲率半径が大きく且つ長い経路を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、多段遠心ターボ機械において一段落あたりの圧力比を向上できる構成を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本開示の一態様に係る多段遠心ターボ圧縮機の全体構成を示す子午面図である。
図2は、インペラと静止流路を示す多段遠心ターボ圧縮機の拡大子午面図である。
図3は、インペラの外径D2に対する静止流路の外径D1の比とポリトロープ効率との関係を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。ここでは、多段遠心ターボ機械の一例として、多段遠心ターボ圧縮機を用いて説明する。但し、本開示に係る多段遠心ターボ機械の構成は、圧縮機に限定されず、ポンプ、及び送風機などに適用されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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