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公開番号2025160273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2025120900,2024039763
出願日2025-07-17,2024-03-14
発明の名称低温用シリコーン組成物
出願人ヴェンチュリ ラブ エスア,VENTURI LAB SA
代理人弁理士法人青藍国際特許事務所
主分類C08G 77/20 20060101AFI20251015BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】宇宙探査ミッションのような多くの宇宙用途で必要な、-100℃をはるかに下回る温度に耐え、引張降伏強度(>3MPa)及び300%を超える破断伸びを有するシリコーン材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、式(IIIa)のポリ(ジメチル-cо-ジエチル)シロキサン、ポリ(メチルヒドロ-cо-ジエチル)シロキサン、上記ポリマーを含むシリコーンゴム製造用組成物、前記組成物を硬化することにより得ることができるシリコーンゴム、及び航空宇宙産業における前記シリコーンゴムの使用にも関する。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メチル基及びエチル基を含む、下記式(III)のポリシロキサンであって、
JPEG
2025160273000021.jpg
49
170

2
=-Si(CH
3

2
CH=CH
2
であり、
Aは、メチル基又は水素原子を表し、
m及びnは、それぞれ繰り返しモチーフ-O-Si(Me)(A)及び-O-Si(Et)
2
のモル%を表し、
m=0.5~0.8であり、n=0.2~0.5であり、m+n=1であり、
pは、Aがメチル基を表す場合には20000g/molから150000g/molの範囲の重量平均分子量を得るための、Aが水素原子を表す場合には300g/mol~3500g/molの範囲の重量平均分子量を得るための、両方の繰り返しモチーフの数を表す、
ポリシロキサン。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
ポリ(ジメチル-cо-ジエチル)シロキサンであって、
- 下記式(IIIa)を有し:
JPEG
2025160273000022.jpg
45
170

2
、m、n及びpは、式IIIで定義したとおりであり、
- 20000g/mоlから150000g/mоlの範囲内の重量平均分子量を有し、及び
- -130℃から-142℃の範囲内のガラス転移温度を有する、
請求項1に記載のポリシロキサン。
【請求項3】
ポリ(メチルヒドロ-cо-ジエチル)シロキサンであって、
- 下記式(IIIb)を有し:
JPEG
2025160273000023.jpg
46
170

2
、m、n及びpは、式IIIで定義したとおりであり、
- 300g/mоlから3500g/mоlの範囲内の重量平均分子量を有し、及び
- -130℃から-146℃の範囲内のガラス転移温度を有する、
請求項1に記載のポリシロキサン。
【請求項4】
- (A)請求項2に記載の式(IIIa)のビニル末端ポリ(ジメチル-cо-ジエチル)シロキサン60~94重量%;
- (B):補強充填材、有利には焼成シリカ5~35重量%;
- (C):Tg<-130℃である架橋剤1~5重量%;
- (D):適量の硬化触媒、有利には、メチルビニルシクロシロキサンに溶解した白金(0)-2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサンのようなPt(0)触媒、及び
- (E):任意で、1-エチニル-1-シクロヘキサノールのような阻害剤
を含む、
シリコーンゴム製造用組成物。
【請求項5】
- (A)請求項2に記載の式(IIIa)のビニル末端ポリ(ジメチル-cо-ジエチル)シロキサン60~94重量%;
- (B):補強充填材、有利には焼成シリカ5~35重量%;
- (C):Tg<-130℃であり、前記式(IIIb)を有する架橋剤1~5重量%;
- (D):適量の硬化触媒、有利には、メチルビニルシクロシロキサンに溶解した白金(0)-2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサンのようなPt(0)触媒、及び
- (E):任意で、1-エチニル-1-シクロヘキサノールのような阻害剤
を含む、
シリコーンゴム製造用組成物。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の組成物の硬化によって得ることができ、及び
-130℃から-142℃の範囲内のガラス転移温度を有し、-140℃から+250℃の範囲内に結晶化/溶融転移を有さず、100%超の破断伸びを有する、
シリコーンゴム。
【請求項7】
請求項6に記載のシリコーンゴムの航空宇宙産業、特に宇宙探査車における使用。
【請求項8】
請求項3に記載の式(IIIb)を有するポリ(メチルヒドロ-cо-ジエチル)シロキサンのシリコーンゴムの製造のための架橋剤としての使用。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1つに記載の、メチル基及びエチル基を含む前記式(III)のポリシロキサンの製造方法であって、
工程a)シラノール前駆体の加水分解反応;
工程b)工程a)で得られたシラノール末端シロキサンオリゴマーの鎖を、トリフラート塩触媒、特に、In(III)トリフラートを添加し、次いでパーフルオロボラン触媒、特に、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを添加することによるルイス酸誘起重縮合によって延長すること;
工程c1)溶媒を使用しないIn(III)トリフラート、又は溶媒としてのトルエン中、若しくは溶媒を使用しないB(C
6

5

3
、又はIn(III)トリフラートとB(C
6

5

3
との混合物のようなルイス酸触媒の存在下、20から70℃の温度における、工程b)で得られるポリマーの、ビニルジメチルメトキシシラン又はビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンとの反応によりビニル末端基を付加すること;
を含む、
ポリシロキサンの製造方法。
【請求項10】
工程a)の前記シラノール前駆体が、(R1)
2
エチルメチルシランと、(R1)
2
ジメチルシラン及び(R1)
2
ジエチルシランの混合物と、(R1)
2
メチルシラン及び(R1)
2
ジエチルシランの混合物と、の中から選択され、ここで、R1は、塩素原子、(C
1
-C
6
)アルコキシ基、アセトキシ基、又はオキシム基を表し、有利には、R1は、塩素原子、メトキシ基、又はエトキシ基を表すことを特徴とする、
請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、航空宇宙用途に要求される極低温に耐えることができる強化シリコーンゴム及びシリコーンオイル組成物に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
シリコーンはシロキサンの構造を有する有機ケイ素ポリマーであり、ケイ素原子がエチル基若しくはメチル基などのアルキル基、トリフルオロメチル基、アリール基、又は他の官能基と結合しているのが特徴である。一般にPDMSとして知られるポリ(ジメチルシロキサン)由来のシリコーンゴム組成物は、-60℃までの温度に耐えることが知られている。しかし、宇宙探査ミッションのような多くの宇宙用途では、-100℃をはるかに下回る温度に耐え、引張降伏強度(>3MPa)及び300%を超える破断伸びを有するシリコーン材料が必要とされる。
【0003】
ポリ(ジエチルシロキサン)(PDIES)は、ガラス転移温度が-142℃である唯一のポリマー材料である。しかし、純粋なPDIESは、-142℃から0℃の間でいくつかの結晶化/融解転移を示すため、そのような用途には適さない。シリコーンの結晶化は、通常、その硬化、脆化、及び弾性の喪失を伴う。これにより、宇宙探査車のような自動車用途の物体の機械的特性が劣化あるいは致命的に損なわれる可能性がある。ポリ(ジメチルシロキサン)中に少量のフェニル基、ビフェニル基、又はジエチル基(10mоl%未満)を添加すると、ジメチルポリシロキサンコポリマーの冷結晶化が防止されることは、従来技術から知られている。実際、現在市販されている宇宙用途シリコーン(Momentive社、Elkem社、Nusil社、Dow Corning社、IOTA社など)の大部分は、ポリ(ビフェニル-co-ジメチルシロキサン)又はポリ(メチルフェニル-co-ジメチルシロキサン)のファミリーに属している。興味深いことに、このようなコポリマー中のビフェニル又はメチルフェニルの含有量が10mol%を超えると、ガラス転移が高温側にシフトするため、極低温での用途(-150℃まで)は制限される。例えば、Momentive社から販売されているRTV 560、RTV 566、RTV 567(メチル-フェニルシリコーン)は、ガラス転移温度Tg=-115℃であるため、これらの材料は月の南極でのミッションには適していない。RTV 566の25%ひずみ条件下での冷結晶化、及び-80℃での長時間待機(60時間)により、弾性率が5MPaから240MPaに増加したことに注意することが重要であり、おそらくこれが機械的な不具合及び望遠鏡の位置ずれの主な原因であると考えられる。
【0004】
現在のところ、比較的高い引張強度(すなわち4MPa以上)、100%以上の破断伸び、及び-120℃以下の耐低温性を有する市販のシリコーンはない。市販されている唯一のシリコーンは、18~22mol%のポリ(ジエチル)-及び78~82mol%のポリ(ジメチルシロキサン)を含み、Tg=-131℃である、Gelest社から販売されている(EDV-2022)。しかし、この材料は比較的低分子量(10,000~12,000g/mol)であり、この材料を脆くする環状シロキサンオリゴマーを含んでいる可能性があるため、航空宇宙用途には適さない。
【0005】
シリコーン合成の古典的な方法は、ジメチルジクロロシランの加水分解に依拠し、その結果、ジシラノールH[O-Si(CH
3

2

n
-OH、塩酸、及び様々な量の環状シロキサンが生成される。その後、塩酸は触媒として作用し、ジシラノールが縮合してポリジメチルシロキサンとなる。そこから、シラノール末端シリコーンは、最終製品の所望の特性に応じてさまざまな方法で重合される。
【0006】
米国特許4,960,850号には、シラノール末端基を有するポリジオルガノシロキサンオリゴマーを、真空を用いて重縮合水を連続的に除去しながら、触媒的に有効な量のトリフルオロメチルスルホン酸の存在下、密閉反応ゾーン内で、20℃から160℃の温度で重縮合させること、そして触媒中和量のシクロポリジオルガノシラザン又はジオルガノアミノシリル末端基を有するポリジオルガノシラザンを反応液に添加することによって重縮合反応を終了させることが記載されている。しかしトリフルオロメチルスルホン酸の沸点は162℃であり、高真空下で水を除去しながら蒸留することができる。
【0007】
分子量が調整されたシリコーンは、環状シロキサンの開環重合(ROP)から得られる。これは、高度に制御された方法であり、工業における主要な方法でもある。上記の方法は、単一のシクロシロキサンの重合の場合は比較的容易であるが、2つのシクロシロキサン、例えば、デカメチルシクロシロキサン(D5Me10)及びヘキサエチルシクロシロキサン(D3Et6)を共重合して1:1のポリ(ジメチル-cо-ジエチル)シロキサンを調整しようとすると、制御が難しくなる。後者は、D3Et6とD5Me10とではモノマー分子の歪みが異なり、そして開環速度が異なることに起因する。開環には、比較的高い反応温度95~160℃、適切なアニオン開始剤、末端封止剤、添加剤、圧力処理反応器などが必要である。シリコーンは通常、ある程度の分解(back biting)を受け、その結果、高粘度シリコーンから除去するのが困難になり得るさまざまな量(又は変動する量)の環状シロキサンが生成される。さらに、ヘキサエチルシクロシロキサンはそれ自体が優先的に重合して架橋ゴム中に脆い領域を形成し、その結果得られる材料の機械的特性を低下させることが知られている。
【0008】
モノマーシラン前駆体からポリシロキサンを合成する別の方法は、B(C
6

5

3
のようなパーフルオロアリールボラン触媒の存在下でのシランモノマー又はオリゴマーの重縮合に依拠する(Michael A. Brooks, J.B. Grande, F. Ganachaud, New Synthetic Strategies for Structured Silicones Using B(C6F5)3. Adv. Polym. Sci. 2011, 235, 161-183)。Piers-Rubinsztajn反応として知られるこの方法の利点の1つは、ROP(環状モノマーに依拠)と比較して、室温で行うことができ、高温ROP合成よりも環状生成物の生成がはるかに少ないことである。しかし、この方法の主な欠点は、少量のシリコーン(mmol量)の合成には使用できるが、kg量のジメチル-co-ジエチル(1:1)ポリシロキサンの合成にはほとんど使用できないという事実に起因する。これは、このような反応が極めて発熱性であり、大量のガス状生成物(典型的には、シリコーン1kgあたり100リットル以上のH
2
、CH
4
またはCH
3
-CH
3
)を生成するからである。この反応をスケールアップしようとすると、深刻な爆発の危険が伴うことは明らかである。さらに、Piers-Rubinsztajn反応を使用するもう一つの欠点は、水が触媒の劣化を引き起こすため、ボラン触媒をトルエンのような溶媒に溶解させなければならない(ヘプタンは触媒の沈殿を引き起こす)という事実によるものである。無溶媒シリコーン合成の粘度は、ポリマーの粘度をいつでも目視又は粘度計によって調べることができるため、非常に簡単であるが、トルエンのような有機溶媒中では、反応の進行をモニターするのが難しい場合がある。さらに、シラン前駆体の構造(すなわち、-OH、-OCH
3
又は-OCH
2
CH
3
)によっては、モノマーを重合するために反応温度を上げる必要がある。例えば、ジメトキシジメチルシランのジエチルシランとの-OCH
3
基反応は22~23℃で起こるが、B(C
6

5

3
存在下での-OCH
2
CH
3
のエタンへの変換には70℃が必要である。
【0009】
シランの加水分解の速度は、その電子構造、使用する溶媒、触媒の有無、及び反応温度に依存することが従来技術から知られている。例えば、水中でのジクロロジメチルシランの加水分解はゼロに近い温度でも起こるが、ジエトキシジメチルシランは25℃で安定しており、その加水分解には50℃以上の温度が必要であり、最終的には適切な酸又は塩基触媒の存在が必要である。
【発明の概要】
【0010】
本出願人は、低温(1~7℃)でジエチル/ジメチル/エチルメチルクロロシランを加水分解する方法により、平均分子量Mwが~1000(粘度が33~36mPa.s)のシラノール末端ポリ(ジメチル-co-ジエチル)シロキサン又はポリメチルエチルシロキサンが再現性よく生成されることを発見した。上記シロキサンは、適切なルイス酸触媒の存在下で、ガラス転移温度が非常に低く低温で結晶化/溶融転移を起こさない高分子量PDIES又はPEMS(Mw-50000~100000)に、簡便に重合することができる。この方法は、高い反応温度(100℃以上)を必要とせず、環状シリコーンの副生成物を最小限(ppm量)に抑えながら、比較的迅速に(数分以内に)粘度を上昇させる。PDIES/PEMS合成の本発明の方法は、Piers-Rubinsztajn反応で経験されるような大量のガス状生成物(H
2
、メタン又はエタン)の形成の問題を解決し、したがって、上述のような高い発熱性と爆発の危険性を抑える。
(【0011】以降は省略されています)

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