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公開番号2025159604
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-21
出願番号2024062306
出願日2024-04-08
発明の名称駆動力伝達装置
出願人株式会社ジェイテクト
代理人弁理士法人平田国際特許事務所
主分類F16D 48/06 20060101AFI20251014BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】クラッチを押圧する押圧機構を作動させる電動モータの原点復帰動作を短時間で精度よく行うことが可能な駆動力伝達装置を提供する。
【解決手段】電動モータ4を制御する制御ユニット40は、制御ユニット40に動作電源が供給された後の起動時に電動モータ4を制御して原点復帰動作を実行する。原点復帰動作は、電動モータ4に第1回転方向への回転トルクを発生させてカムボール33を第1カム溝310及び第2カム溝320における周方向の一方の移動端に突き当てる一次動作と、電動モータ4が発生する第1回転方向への回転トルクを一次動作時の回転トルクよりも低減する二次動作と、電動モータ4が発生する第1回転方向への回転トルクを二次動作時の回転トルクよりも増大させてカムボール33を第1カム溝310及び第2カム溝320における周方向の一方の移動端に当接させる三次動作とを含む。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に押圧されることにより駆動力の断続状態が変化するクラッチと、前記クラッチを軸方向に押圧する押圧機構と、前記押圧機構を作動させる電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、前記クラッチによって車両の駆動源の駆動力を伝達する車両用の駆動力伝達装置であって、
前記押圧機構は、周方向の位置により軸方向の深さが変化する複数の第1カム溝が形成された円盤状の第1カムプレートと、周方向の位置により軸方向の深さが変化する複数の第2カム溝が形成された円盤状の第2カムプレートと、前記第1カムプレートと前記第2カムプレートとの間に配置された複数のカムボールとを有しており、前記第1カムプレートと前記第2カムプレートが前記電動モータの回転トルクにより相対回転して前記複数のカムボールが前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝を転動することにより前記第1カムプレートと前記第2カムプレートとの間の軸方向の距離が変化し、
前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝は、前記第1カムプレートと前記第2カムプレートとの相対回転の回転軸線を中心する円弧状に形成されており、
前記制御ユニットは、当該制御ユニットに動作電源が供給された後の起動時に前記電動モータを制御して原点復帰動作を実行し、当該原点復帰動作が完了したときの前記電動モータの回転位置を原位置としてその後の前記電動モータの制御を実行し、
前記原点復帰動作は、前記電動モータに第1回転方向への回転トルクを発生させて前記複数のカムボールを前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝における周方向の一方の移動端に突き当てる一次動作と、前記電動モータが発生する前記第1回転方向への回転トルクを前記一次動作時の回転トルクよりも低減する二次動作と、前記電動モータが発生する前記第1回転方向への回転トルクを前記二次動作時の回転トルクよりも増大させて前記複数のカムボールを前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝における周方向の前記一方の移動端に当接させる三次動作とを含む、
駆動力伝達装置。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝は、周方向の一方側の端部である最深端から他方の端部である最浅端に向かって徐々に軸方向の深さが浅くなっており、
前記一次動作及び前記三次動作で前記最深端に前記複数のカムボールを突き当てる、
請求項1に記載の駆動力伝達装置。
【請求項3】
前記三次動作において前記電動モータが発生する回転トルクが前記一次動作において前記電動モータが発生する回転トルクよりも小さい、
請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置。
【請求項4】
前記二次動作において前記電動モータが発生する回転トルクを、ゼロ又は前記第1回転方向と逆向きの第2回転方向の回転トルクとする、
請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータによって作動する押圧機構を備えた駆動力伝達装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両の駆動力を断続可能に伝達する駆動力伝達装置には、電動モータによって作動するボールカム機構、及びボールカム機構が発生するカム推力によって押圧されるクラッチを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、複数のクラッチプレートを備えた摩擦多板クラッチをボールカム機構が発生する押力によって軸方向に押圧するように構成されている。ボールカム機構は、それぞれにカム溝が形成された一対のカムプレートと、カム溝に収容されたボールとを備えており、インクリメンタル型のエンコーダを有する電動モータの回転トルクによって一対のカムプレートが相対回転することにより押力を発生させる。電動モータを制御する電子制御ユニットは、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態になったとき、ボールがカム溝の一方の移動端に突き当たるまでカムプレート同士が相対回転するように電動モータを逆転駆動した後、摩擦多板クラッチを潤滑するオイルの油温に基づいて算出された角度分だけ戻した位置(「新たなゼロ点Mpos0」の位置)に向けて電動モータを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-223869号公報([0055]-[0062]及び図10-11参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献1に記載されているもののように、ボールカム機構を作動させるインクリメンタル型のエンコーダを有する電動モータの起動時の原点復帰動作を一対のカムプレートを相対回転させてボールを一方の移動端に突き当てることにより行う場合、原点復帰動作を行う前のカム溝におけるボールの位置によって、ボールが一方の移動端に突き当たるときのカムプレートとボールとの相対速度が変動してしまう。つまり、原点復帰動作を行う前のボールの位置が一方の移動端に近いときは、カムプレートに対するボールの速度が低い状態でボールが一方の移動端に突き当たり、ボールの位置が一方の移動端から遠いときには、カムプレートに対するボールの速度が高く、勢いがついた状態でボールが一方の移動端に突き当たる。これにより、電子制御ユニットが認識する電動モータの原点の位置がばらついてしまうおそれがある。
【0006】
なお、原点復帰動作時における一対のカムプレートの相対回転速度を低くすれば、勢いがついた状態でボールが一方の移動端に突き当たることを抑制できるが、一対のカムプレートの相対回転速度を低くすると、原点復帰動作を行う前のボールの位置が一方の移動端から遠い場合に、ボールが一方の移動端に突き当たるまでの時間が長くかかってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、クラッチを押圧する押圧機構を作動させる電動モータの原点復帰動作を短時間で精度よく行うことが可能な駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の目的を達成するため、軸方向に押圧されることにより駆動力の断続状態が変化するクラッチと、前記クラッチを軸方向に押圧する押圧機構と、前記押圧機構を作動させる電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、前記クラッチによって車両の駆動源の駆動力を伝達する車両用の駆動力伝達装置であって、前記押圧機構は、周方向の位置により軸方向の深さが変化する複数の第1カム溝が形成された円盤状の第1カムプレートと、周方向の位置により軸方向の深さが変化する複数の第2カム溝が形成された円盤状の第2カムプレートと、前記第1カムプレートと前記第2カムプレートとの間に配置された複数のカムボールとを有しており、前記第1カムプレートと前記第2カムプレートが前記電動モータの回転トルクにより相対回転して前記複数のカムボールが前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝を転動することにより前記第1カムプレートと前記第2カムプレートとの間の軸方向の距離が変化し、前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝は、前記第1カムプレートと前記第2カムプレートとの相対回転の回転軸線を中心する円弧状に形成されており、前記制御ユニットは、当該制御ユニットに動作電源が供給された後の起動時に前記電動モータを制御して原点復帰動作を実行し、当該原点復帰動作が完了したときの前記電動モータの回転位置を原位置としてその後の前記電動モータの制御を実行し、前記原点復帰動作は、前記電動モータに第1回転方向への回転トルクを発生させて前記複数のカムボールを前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝における周方向の一方の移動端に突き当てる一次動作と、前記電動モータが発生する前記第1回転方向への回転トルクを前記一次動作時の回転トルクよりも低減する二次動作と、前記電動モータが発生する前記第1回転方向への回転トルクを前記二次動作時の回転トルクよりも増大させて前記複数のカムボールを前記複数の第1カム溝及び前記複数の第2カム溝における周方向の前記一方の移動端に当接させる三次動作とを含む、駆動力伝達装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る駆動力伝達装置によれば、押圧機構を作動させる電動モータの原点復帰動作を短時間で精度よく行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された車両の概略の構成例を模式的に示す概略構成図である。
駆動力伝達装置及び差動装置の断面図である。
図2の部分拡大図である。
(a)は、第1カムプレートにおける第2カムプレート側の面を示す構成図である。(b)は、第2カムプレートにおける第1カムプレート側の面を示す構成図である。
(a)~(d)は、原点復帰動作を行う前の状態から原点復帰動作が完了したときまでの第1カムプレートの第1カム溝及び第2カムプレートの第2カム溝におけるカムボールの位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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