TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025156023
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025041736
出願日2025-03-14
発明の名称非可逆伝送線路、擬似進行波共振装置及び漏れ波アンテナ装置
出願人国立大学法人京都工芸繊維大学
代理人個人,個人
主分類H01P 1/32 20060101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】2次元構造を有し、電磁界を2次元面内で一様に分布させることができる非可逆伝送線路を提供する。
【解決手段】非可逆伝送線路は、並列枝回路を有する互いに直交する2本の伝送線路部分を有する基本セルを直交する第1及び第2の方向で並置して縦続接続して構成することで、互いに直交する第1及び第2の伝送線路)を備える。第1及び第2の伝送線路の交差点を除く位置の伝送線路部分は、マイクロ波の伝搬方向に対して異なる方向に磁化されてジャイロ異方性を有するように自発磁化等により磁化された材料にて構成される。各伝送線路に入力されるマイクロ波信号の動作周波数と、各伝送線路の伝搬定数との関係を示す分散曲線において、各伝送線路の少なくともいずれかの各並列枝回路は各伝送線路の長手方向の各並列枝回路に沿って伝搬する波動成分が非可逆特性を有して伝送線路部分に対して非対称な回路となるように構成される。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
誘導性素子又は容量性素子を等価的に含む並列枝回路をそれぞれ有しかつ互いに実質的に直交された2本の伝送線路部分を有する少なくとも1つの基本セルを、互いに直交する第1及び第2の方向で並置して縦続接続して構成することで、互いに直交する第1及び第2の非可逆伝送線路(第1及び第2の伝送線路)を備える非可逆伝送線路であって、
前記第1及び第2の伝送線路の交差点を除く位置の前記伝送線路部分は、マイクロ波の伝搬方向に対して異なる方向に磁化されてジャイロ異方性を有するように自発磁化もしくは外部磁界により磁化された材料にて構成され、
前記各伝送線路に入力されるマイクロ波信号の動作周波数と、前記各伝送線路の伝搬定数との関係を示す分散曲線において、前記各伝送線路の少なくともいずれかの各並列枝回路はそれぞれ、前記各伝送線路の長手方向の各並列枝回路に沿って伝搬する波動成分が非可逆特性を有して、前記伝送線路部分に対して非対称な回路となるように構成される、非可逆伝送線路。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記各基本セルの第1及び第2の伝送線路はそれぞれ前記伝送線路部分に対して非対称な回路となる、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
【請求項3】
前記各基本セルの第1の伝送線路は、前記伝送線路部分に対して非対称な回路となり、かつ、前記各基本セルの第2の伝送線路は、前記伝送線路部分に対して対称な回路となる、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
【請求項4】
前記各基本セルの各並列枝回路は、前記非可逆伝送線路が構成する並列枝回路の半分の幅を有し、前記各基本セルが並置して縦続接続して構成されたときに、互いに隣接する基本セルの各並列枝回路がその長手方向の側面で結合されることで、前記非可逆伝送線路が構成する各並列枝回路がそれぞれ形成される、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
【請求項5】
前記各基本セルの各伝送線路部分は、前記非可逆伝送線路が構成する伝送線路部分の半分の幅を有し、前記各基本セルが並置して縦続接続して構成されたときに、互いに隣接する基本セルの各伝送線路部分がその長手方向の側面で結合されることで、前記非可逆伝送線路が構成する各伝送線路部分がそれぞれ形成される、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
【請求項6】
前記各基本セルは、前記2本の伝送線路部分のうちの少なくとも1つに対して両側にそれぞれ設けられた少なくとも第1及び第2の並列枝回路を有し、
前記第1及び第2の方向を含む平面内において、前記第1の並列枝回路の少なくとも一部の区間は、前記第2の並列枝回路の少なくとも一部の区間に対して直交する、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
【請求項7】
前記第1及び第2の並列枝回路は、前記第1及び第2の方向を含む平面内において、前記伝送線路部分に対して45度の角度を有して配置された少なくとも一部の区間をそれぞれ含む、
請求項6に記載の非可逆伝送線路。
【請求項8】
前記第1の並列枝回路は、前記第1及び第2の方向を含む平面内において、前記伝送線路部分に対して90度の角度を有して配置された少なくとも一部の区間を含み、
前記第2の並列枝回路は、前記第1及び第2の方向を含む平面内において屈曲し、前記伝送線路部分の長手方向に平行な区間を含む、
請求項6に記載の非可逆伝送線路。
【請求項9】
前記各基本セルは、前記2本の伝送線路部分のうちの少なくとも1つに対して両側にそれぞれ設けられた少なくとも第1及び第2の並列枝回路を有し、
前記第1及び第2の並列枝回路は、前記第1及び第2の方向を含む平面内において前記伝送線路部分の長手方向に沿って同じ方向に屈曲し、前記伝送線路部分の長手方向に平行な区間を含む、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
【請求項10】
前記非可逆伝送線路は、接地導体及びシールド導体を備え、
前記各基本セルは、前記2本の伝送線路部分のうちの少なくとも1つに対して両側にそれぞれ設けられた少なくとも第1及び第2の並列枝回路を有し、
前記第1の並列枝回路は、前記接地導体に対して前記シールド導体とは逆の側に配置され、
前記第2の並列枝回路は、前記接地導体及び前記シールド導体の間に配置された区間を含む、
請求項1に記載の非可逆伝送線路。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2本の伝送線路を互いに実質的に直交させた2次元構造を有する非可逆伝送線路と、当該非可逆伝送線路を用いた擬似進行波共振装置と、当該擬似進行波共振装置からの漏洩波を用いた新規な漏れ波アンテナ装置とに関する。なお、本明細書において、マイクロ波とは、例えばUHF(Ultra High Frequency)バンドの周波数帯以上のマイクロ波、ミリ波、準ミリ波、テラヘルツ波をいう。以下、「非可逆右手及び左手系複合伝送線路」を「非可逆右手/左手系複合伝送線路」又は「非可逆CRLH伝送線路」という。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
最近、従来の分布定数線路のインダクタンスと容量の配置を入れ換えた左手系伝送(Left Handed Transmission(LHT))線路の研究が活発化している(例えば、非特許文献1-3参照。)。左手系伝送線路の回路には、後退波特性、レンズ作用などの特異性も現れるので、新しいマイクロ波回路素子への期待が大きい。しかし、特に、マイクロ波共振器及びそれを用いたマイクロ波回路においては、線路長に依存して共振周波数が決定するために、共振周波数によってはその装置構成が大型化するという問題点があった。
【0003】
この問題点を解決するために、従来技術に比較して大幅に小型化できかつ特有の作用効果を有する、伝送線路型マイクロ波回路について、本発明者は、特許文献4において提案した。しかし、前記伝送線路マイクロ波回路をアンテナ装置に応用したときに、左手系又は右手系伝送線路などの伝送線路からの漏洩波を用いて、主ビームを形成しかつ主ビーム方向を制御可能な漏れ波アンテナ装置を実現することができるが、放射利得が比較的小さいという問題点があった。一方で、大きな放射利得を得るためには、比較的長い線路長を必要とする問題があった。
【0004】
当該問題点を解決するために、本発明者は、特許文献5において、従来技術に比較して大きな放射利得を有し、同一の放射利得であれば、サイズを小型化できる漏れ波アンテナ装置を提案した。当該漏れ波アンテナ装置は、容量性素子を等価的に含む直列枝の回路と、誘導性素子を等価的に含む並列枝の回路と、非可逆伝送線路部分又は可逆伝送線路部分である少なくとも1つの伝送線路部分とを有する少なくとも1つの単位セルを、第1と第2のポートの間で縦続接続して構成されたCRLH伝送線路を備えた漏れ波アンテナ装置において、CRLH伝送線路の一方のポートに接続され、所定の動作周波数において、前記ポートから反射用インピーダンス回路を見たインピーダンスが実質的にゼロ又は無限大となるように動作する反射用インピーダンス回路をさらに備えたことを特徴としている。しかし、当該漏れ波アンテナ装置では、小型化と高効率化の両立が難しく、また周波数の変動に対してビーム方向が変化するビームスクイントの問題があり、これまでに、非可逆メタマテリアルを用いることにより、問題の解決を図ってきた。また、非可逆メタマテリアルからなるビーム走査アンテナ装置においては、小型で高効率かつビームスクイントが低減されたビーム走査アンテナ装置を構成することが可能となったが、一方で、同時に送信動作と受信動作を両立できない問題があった。
【0005】
さらに、当該問題点を解決するために、本発明らは、特許文献6において、通信相手である目標無線局に向けて送信及び受信を同時に実現しながら、つまり双方向通信の状態を保ちながら、ビーム走査することが可能となる漏れ波アンテナ装置を提案した。当該漏れ波アンテナ装置は、直列枝の回路と並列枝の回路と伝送線路部分とを有する複数の単位セルを、一対のポートの間で縦続接続して構成された一対のCRLH伝送線路を互いに実質的に平行でかつ互いに電磁的に結合するように近接して配置して構成される。各CRLH伝送線路の各単位セルは分散曲線において各CRLH伝送線路がそれぞれ互いに符号が異なりかつ実質的に同一の絶対値を有する伝搬定数を有する。動作周波数において、第1のCRLH伝送線路に沿って第1のマイクロ波信号が第1のポートから入力されて第2のポートに向かって又はその逆方向で伝搬するとき、当該マイクロ波信号は所定の放射角で第1の漏れ波として放射される一方、第2のCRLH伝送線路に対して、放射角と同一の入射角で入射する第2のマイクロ波信号を受信可能であることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-183329号公報
特開2005-124038号公報
特開2005-160009号公報
国際公開2008/111460号
国際公開2011/024575号
特願2023-055441
【非特許文献】
【0007】
A. Porokhnyuk et al, "Design of nonreciprocal CRLH metamaterial for non-squinting leaky-wave antenna," in IEEE MTT-S International Microwave System Digest, TH1H-1, pp. 1-3, June 2013.
安田秀史ほか、「2次元非相反メタマテリアルの等価回路」、電子情報通信学会技術研究報告、Vol.122、No.256、EMT2022-62、pp.99-104、2022年11月10日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術に係る上述の非可逆結合伝送線路は1次元構造を有しており、その結果、ビーム走査に応用する場合、ビーム走査は一方向のみしかできず、これまでに2次元構造への拡張は等価回路モデルにより説明した事例はあるが(非特許文献2参照)、それを実現可能とする具体的構造は提案されていなかった。従来の1次元非可逆結合伝送線路をそのまま網目状にして2次元化すると、サーキュレータのように、非可逆性による透過係数の方向依存性が生じ、電磁界を2次元面内で一様に分布させることが難しかった。
【0009】
また、漏れ波アンテナ装置においては、アンテナサイズが小さい(アンテナの放射部分に用いる線路長が短い)場合、終端に挿入した整合回路での電力消費により、放射効率が低下。動作周波数を変えることによるビーム走査、回路定数を電子的に変えることによるビーム走査法の如何に関わらず、動作周波数の変化に伴いビーム方向も変化してしまうビームスクイントの問題があった。
【0010】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、2次元構造を有し、電磁界を2次元面内で一様に分布させることができる非可逆伝送線路と、それを用いた擬似進行波共振装置と、それを用いた漏れ波アンテナ装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

国立大学法人京都工芸繊維大学
非可逆伝送線路、擬似進行波共振装置及び漏れ波アンテナ装置
1か月前
日機装株式会社
加圧装置
3日前
日新イオン機器株式会社
イオン源
3日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
18日前
三菱電機株式会社
回路遮断器
26日前
富士電機株式会社
電磁接触器
18日前
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
10日前
大電株式会社
電線又はケーブル
10日前
株式会社トクミ
ケーブル
4日前
ホシデン株式会社
複合コネクタ
12日前
株式会社東芝
電子源
3日前
個人
電源ボックス及び電子機器
3日前
矢崎総業株式会社
コネクタ
18日前
株式会社レゾナック
冷却器
26日前
住友電装株式会社
コネクタ
18日前
ヒロセ電機株式会社
電気コネクタ
18日前
ローム株式会社
半導体モジュール
19日前
三菱電機株式会社
半導体装置
3日前
矢崎総業株式会社
端子
10日前
株式会社デンソー
半導体装置
18日前
株式会社パロマ
監視システム
10日前
日本特殊陶業株式会社
アンテナ装置
5日前
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置構造
4日前
日本航空電子工業株式会社
コネクタ
3日前
日本特殊陶業株式会社
アンテナ装置
5日前
日本特殊陶業株式会社
アンテナ装置
5日前
株式会社ダイヘン
電圧調整装置
5日前
TDK株式会社
電子部品
18日前
矢崎総業株式会社
バスバー電線
11日前
株式会社興電舎
励磁突入電流抑制方法
3日前
TDK株式会社
電子部品
5日前
矢崎総業株式会社
バスバー電線
11日前
新電元工業株式会社
半導体装置
18日前
日東電工株式会社
パッチアンテナ
11日前
矢崎総業株式会社
コネクタ
10日前
矢崎総業株式会社
接合装置
3日前
続きを見る