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公開番号2025155334
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024059120
出願日2024-04-01
発明の名称転造加工システム、および、転造装置の異常監視方法
出願人株式会社メイドー,株式会社アブステック,株式会社ツガミ
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類B21H 3/04 20060101AFI20251006BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】ロールダイスの摩耗や被加工物の加工不良といった異常の発生を速やかに発見すること。
【解決手段】転造加工システムTSは、ロールダイス14により被加工物Wを挟んでねじ山を転造する転造装置10と、左側ロールダイス14L側の取付ベース部32Lに配され、ロールダイスのアコースティックエミッションを計測するAEセンサ50と、AEセンサの計測結果に基づいて、転造装置による被加工物の変形量に対応する平均AEエネルギーVave engを演算する演算部81と、平均AEエネルギーVave engに基づいて異常の発生を検出する異常判定部82と、を備える。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
回転駆動される一対のロールダイスの相対距離を変えることにより被加工物を挟んでねじ山を転造する転造装置と、
前記一対のロールダイスの一方の回転軸を保持する保持部材あるいは当該保持部材が取り付けられている取付ベース部に配され、当該ロールダイスのアコースティックエミッションを計測するAEセンサと、
前記AEセンサの計測結果に基づいて、前記転造装置による前記被加工物の変形量に対応する特定値を演算する演算手段と、
前記演算手段によって演算された前記特定値に基づいて、異常の発生を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする転造加工システム。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の転造加工システムであって、
前記転造装置による加工後の被加工物の径を計測する加工後計測手段を備え、
前記検出手段は、前記演算手段によって演算された前記特定値と、前記加工後計測手段による計測結果とに基づいて、異常の発生を検出するものであることを特徴とする転造加工システム。
【請求項3】
請求項2に記載の転造加工システムであって、
前記転造装置による加工前の被加工物の径を計測する加工前計測手段を備え、
前記検出手段は、前記加工前計測手段による計測結果と、前記加工後計測手段による計測結果とに基づいて算出される実際の加工量と、前記演算手段によって演算された前記特定値とに基づいて、異常の発生を検出するものであることを特徴とする転造加工システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れかに記載の転造加工システムであって、
前記一対のロールダイスは、直線移動が可能な可動ロールダイスと、直線移動が不可能な固定ロールダイスとを含み、
前記AEセンサは、前記固定ロールダイス側の前記保持部材あるいは前記取付ベース部に配されていることを特徴とする転造加工システム。
【請求項5】
回転駆動される一対のロールダイスの相対距離を変えることにより被加工物を挟んでねじ山を転造する転造装置の異常監視方法であって、
前記一対のロールダイスの一方の回転軸を保持する保持部材あるいは当該保持部材が取り付けられている取付ベース部に配され、当該ロールダイスのアコースティックエミッションを計測するAEセンサの計測結果に基づいて、前記転造装置による前記被加工物の変形量に対応する特定値を演算し、前記特定値に基づいて異常の発生を検出することを特徴とする転造装置の異常監視方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールダイスを有する転造装置を含む転造加工システム、および、転造装置の異常監視方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、被加工物(ワーク)にロールダイスを押し込んでねじ山を転造する転造装置が知られている。下記特許文献1には、ロールダイスを有する転造装置として、ロールダイスの回転の駆動源であるサーボモータやダイス回転駆動軸部にトルクセンサを配設して、ロールダイスの回転トルクを検出するようにし、この回転トルクが適正なパターンを描くようにロールダイス押込装置のサーボポンプを制御するものが記載されている。この文献に記載の技術によれば、ロールダイスの回転トルクが異常に高くなるのを抑制でき、ロールダイスへの負荷を許容範囲内に抑えて、ロールダイスの寿命を延ばすことができるとされている。
【0003】
また従来より、切削加工の分野では、切削加工時に切削工具に生じるアコースティックエミッションをAEセンサにより検出して、切削加工を行う工作機械の劣化を検出する技術が知られている(下記特許文献2参照)。下記特許文献2に記載の劣化量検出方法では、切削加工を行う工作機械にAEセンサを設け、切削工具の温度変化に応じたAEセンサの検出感度の変化分をAEセンサの計測値(出力電圧)から除外した値に基づいて、切削工具の劣化量を算出する。この技術によれば、正確な劣化量検出が可能であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-82634号公報
特許第7304956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、転造装置を用いたねじ等の転造体の製造においては、昼夜を問わず転造装置を稼働させていることが多い。このため、正常使用の範囲であってもロールダイスの摩耗の進行は比較的早い。ロールダイスの摩耗に気づかずに転造装置を一晩中稼働させてしまった場合には、加工不良の転造体が大量に製造されてしまう可能性がある。そのため、加工不良やロールダイスの摩耗の疑いがある場合には、そのことを製造作業者が速やかに把握できることが望ましい。上記特許文献1に記載の転造装置では、ロールダイスの寿命を延ばす効果に期待できるものの、ロールダイスの摩耗や加工不良といった異常の発生を速やかに発見することは難しい。ロールダイスとサーボモータとの間にはギアが介在しているため、回転トルクを検出していても、被加工物の加工状況が回転トルクに十分反映されるわけではないからである。
【0006】
また上記特許文献2に記載の劣化量検出方法は、工具の劣化を算出できるものの、被加工物の一部を切削工具によって削り取る切削加工の分野でAEセンサを用いて工具の劣化を算出する技術である。切削加工の分野では切削工具の刃先の状態変化が被加工物に対する切れ味の変化として現れ、この切れ味の変化は、切削工具に生じるアコースティックエミッションの振幅(AEセンサの出力電圧)に顕著に変化をもたらすため、AEセンサの出力電圧を監視すれば、切削工具の劣化の検出が可能である。これに対して転造加工では、被加工物にダイスを押し込んで被加工物を塑性変形させる。そのため、転造加工時にダイスに生じるアコースティックエミッションの振幅に、ダイスの劣化の状況や被加工物の加工状況が、切削加工の分野のように顕著に現れるわけではない。つまり、アコースティックエミッションの振幅だけを監視しても、ロールダイスの摩耗や転造加工の不良といった異常を発見することはできない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、ロールダイスの摩耗や被加工物の加工不良といった異常の発生を速やかに発見することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた転造加工システムの一態様は、回転駆動される一対のロールダイスの相対距離を変えることにより被加工物を挟んでねじ山を転造する転造装置と、前記一対のロールダイスの一方の回転軸を保持する保持部材あるいは当該保持部材が取り付けられている取付ベース部に配され、当該ロールダイスのアコースティックエミッションを計測するAEセンサと、前記AEセンサの計測結果に基づいて、前記転造装置による前記被加工物の変形量に対応する特定値を演算する演算手段と、前記演算手段によって演算された前記特定値に基づいて、異常の発生を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この態様の転造加工システムによれば、転造時のロールダイスのアコースティックエミッションを計測した結果に基づいて、転造加工による被加工物の変形量に対応する特定値を演算し、この特定値に基づいて加工の異常を検出する。このため、転造加工の異常を速やかに発見することが可能であり、不良品を作り続けることを防止することが可能である。
【0010】
上記態様の転造加工システムにおいて、前記転造装置による加工後の被加工物の径を計測する加工後計測手段を備え、前記検出手段は、前記演算手段によって演算された前記特定値と、前記加工後計測手段による計測結果とに基づいて、異常の発生を検出するものであることが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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