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公開番号2025154802
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057995
出願日2024-03-29
発明の名称扁平化予測方法、扁平化予測装置、及びプログラム
出願人DOWAホールディングス株式会社,国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B22F 1/14 20220101AFI20251002BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】ボール媒体粉砕機によって金属粉を扁平化する際の扁平化処理時間を予測する。
【解決手段】扁平化予測方法は、条件nにおける金属粉のBET比表面積値の変化率Rを測定するステップと、条件nにおける扁平化処理時間Tnに対する扁平化速度定数Ynを(R-1)/Tnにより求めるステップと、条件nにおけるボール媒体粉砕機内でのボールの運動に対してシミュレーションにより求めた衝突エネルギーEnを用いて、予測係数ZをYn/Enにより求めるステップと、条件nと異なる条件mにおける衝突エネルギーEmを用いて、条件mにおける予測扁平化速度定数YmをEm×Zにより求めるステップと、条件mにおいてBET比表面積値がaの金属粉を扁平化処理してBET比表面積値がbの金属粉を得るのに必要な予測処理時間Tmを[(b/a)-1]/Ymにより求めるステップと、を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ボール媒体粉砕機のミル容器内にボール及び金属粉を入れて、前記ミル容器内を攪拌させることにより金属粉を扁平化させる扁平化工程において、扁平化処理条件nにおける金属粉のBET比表面積値の変化率(扁平化処理後のBET比表面積値/扁平化処理前のBET比表面積値)Rを測定するステップと、
前記変化率Rを用いて、前記扁平化処理条件nにおける扁平化処理時間T

に対する扁平化速度定数Y




=(R-1)/T

により求めるステップと、
前記扁平化速度定数Y

と、前記扁平化処理条件nにおけるボール媒体粉砕機内でのボールの運動に対して粘弾性力学モデルを用いた離散要素法によるシミュレーションにより求めた衝突エネルギーE

とを用いて、予測係数Zを
Z=Y

/E

により求めるステップと、
前記予測係数Zと、前記扁平化処理条件nと異なる扁平化処理条件mにおける前記ボール媒体粉砕機内でのボールの運動に対して前記シミュレーションにより求めた衝突エネルギーE

とを用いて、前記扁平化処理条件mにおける予測扁平化速度定数Y




=E

×Z
により求めるステップと、
前記予測扁平化速度定数Y

を用いて、前記扁平化処理条件mにおいてBET比表面積値がaの金属粉を扁平化処理してBET比表面積値がbの金属粉を得るのに必要な予測処理時間T




=[(b/a)-1]/Y

により求めるステップと、
を含む、扁平化予測方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記金属粉が、銅粉、銀粉、銀被覆銅粉、及び銀被覆合金より選択される、請求項1に記載の扁平化予測方法。
【請求項3】
前記シミュレーションにおいて、前記ボールの直径は、実際に使用するボール径の
1倍
以上2倍以下に設定される、請求項1に記載の扁平化予測方法。
【請求項4】
前記シミュレーションにおいて、前記ミル容器の断面形状は実際のミル容器の断面形状と略同一に設定され、前記ミル容器の胴長は実際に使用するボール径の10倍以上の長さに設定される、請求項1に記載の扁平化予測方法。
【請求項5】
前記シミュレーションにおいて、前記ボールの個数は1万個以上100万個以下に設定される、請求項1に記載の扁平化予測方法。
【請求項6】
前記ボール媒体粉砕機の前記ミル容器の容量は、0.4L以上150L以下である、請求項1に記載の扁平化予測方法。
【請求項7】
制御部を備え、ボール媒体粉砕機により金属粉を扁平化させる際の処理時間を予測する扁平化予測装置であって、
前記制御部は、
扁平化処理条件nにおける金属粉のBET比表面積値の変化率(扁平化処理後のBET比表面積値/扁平化処理前のBET比表面積値)Rの測定値を用いて、前記扁平化処理条件nにおける扁平化処理時間T

に対する扁平化速度定数Y




=(R-1)/T

により求め、
前記扁平化速度定数Y

と、前記扁平化処理条件nにおけるボール媒体粉砕機内でのボールの運動に対して粘弾性力学モデルを用いた離散要素法によるシミュレーションにより求めた衝突エネルギーE

とを用いて、予測係数Zを
Z=Y

/E

により求め、
前記予測係数Zと、前記扁平化処理条件nと異なる扁平化処理条件mにおける前記ボール媒体粉砕機内でのボールの運動に対して前記シミュレーションにより求めた衝突エネルギーE

とを用いて、前記扁平化処理条件mにおける予測扁平化速度定数Y




=E

×Z
により求め、
前記予測扁平化速度定数Y

を用いて、前記扁平化処理条件mにおいてBET比表面積値がaの金属粉を扁平化処理してBET比表面積値がbの金属粉を得るのに必要な予測処理時間T




=[(b/a)-1]/Y

により求める、扁平化予測装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項7に記載の扁平化予測装置として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平化予測方法、扁平化予測装置、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
金属粉はその用途によって、ボール媒体粉砕機(ボールミル装置)により扁平化処理を行い製造されている。しかしながら、個体粒子の集合体である金属粉は、離散及び集合を繰り返しているため、離散及び集合を繰り返す個々の粉体の関係を導き出すことは容易ではなく、流体の運動シミュレーションのように連続体として取り扱うことが容易ではないという問題がある。
【0003】
そのため、個体粒子の離散的挙動を、個々の粒子に対して力学モデルを設定し、該力学的モデルに基づいて数値解析を行う方法が知られている。特に、粒子間に粘弾性力学モデルを設定し、微小時間に個々の粒子に作用する力を演算して、それをもとに運動方程式を差分的に計算して、粒子の変位を逐次数値解析する離散要素法(個別要素法)に基づいて、粉体の運動をシミュレーションすることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、最近では、ボール媒体粉砕機におけるボール及び粉体の運動を、離散要素法によって解析して、粉砕現象を理論的に解明することも行われている(例えば、非特許文献2及び3参照)。
【0005】
離散要素法では、粒子(ボール及び粉体)に作用する力学的モデルが最も重要であるが、粘弾性力学モデルとして、フォークト(Voigt)モデルが採用されている。フォークトモデルでは、弾性的性質を表すスプリングと、被弾性的性質を表すダッシュポットによって、粒子に作用する力を表現しており、粒子中心座標と、微小時間の粒子中心座標変位とを逐次解析することによって、作用力が得られる。
【0006】
この離散要素法を用いて、ボール媒体粉砕機におけるボール及び粉体の挙動は、通常、コンピュータによって次の手順で解析されている。まず、コンピュータに、粒子(ボール及び粉体)の特性を示す初期パラメータを入力するとともに、粒子と容器(円筒体)壁との接触を判定して、ボールの初期位置を設定する。次いで、容器壁に接触していない着目粒子が近接粒子と接触したときの、着目粒子と接触粒子との接触力(作用力)を演算する。そして、その接触力に基づいて粒子の加速度、速度、及び変位の平均値を演算することにより、粒子の運動特性をシミュレーションすることができる。また、粒子と容器壁の接触を判定した際に、粒子が容器壁に接触している場合には、その作用力を演算し、その接触力に基づいて粒子の加速度、速度、及び変位の平均値を演算することにより、粒子の運動特性をシミュレーションすることができる。
【0007】
また、特許文献1には、ボール媒体粉砕機におけるボールの運動を粘弾性力学モデルを用いた離散要素法によってシュミレーションして、ボールの衝突開始時の全ボールの運動エネルギーを演算し、該運動エネルギーに基づいて、無機質粉体の非晶質化度を演算すること、及び無機質粉体を所定の非晶質化度とするために必要な非晶質化処理時間を演算することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平11-207203号公報
【非特許文献】
【0009】
P.A.Cundall and O.L.Strack, “A discrete numerical model for granular assemblies”, Geotechnique, No.29, p.47-65, 1979.
加納純也、斉藤文良ほか、「東北大学素材工学研究所彙報」、第52巻、第1、2号、112~125ページ
Junya Kano, Naoki Chujo and Fumio Saito, “Advanced Power Technology”, Vol.8, No.1, p.39-51, 1997.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1には、ボール媒体粉砕機による無機質粉体の非晶質化予測方法が開示されているが、金属粉の扁平化挙動については開示されていない。また、特許文献1に記載のボール媒体粉砕機の容量は10L程度と小さく、用いるボール径も10mmと大きいため、金属粉の扁平化処理の量産スケールに応用することが困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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