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公開番号2025136310
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034780
出願日2024-03-07
発明の名称金粉の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類B22F 9/24 20060101AFI20250911BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】 金ペースト中での分散性に優れたタップ密度の大きい金粉を製造する方法を提供する。
【解決手段】 好ましくは亜硫酸カリウム又は亜硫酸ナトリウムからなる還元剤を含む還元剤溶液を用いて塩化金酸溶液を還元処理して金粒子を析出させる還元工程を有する金粉の製造方法であって、好ましくは前記塩化金酸溶液に塩化第2鉄を添加することで前記鉄の含有量を調整することによって、前記塩化金酸溶液中に含有する金100質量部に対して鉄を0.001質量部以上0.67質量部未満、好ましくは0.01質量部以上0.50質量部以下の範囲内で含有させる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
還元剤溶液を用いて塩化金酸溶液を還元処理して金粒子を析出させる還元工程を有する金粉の製造方法であって、前記塩化金酸溶液中に含有する金100質量部に対して鉄を0.001質量部以上0.67質量部未満の範囲内で含有させることを特徴とする金粉の製造方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記塩化金酸溶液中に含有する金100質量部に対して鉄を0.01質量部以上0.50質量部以下の範囲内で含有させることを特徴とする、請求項1に記載の金粉の製造方法。
【請求項3】
前記塩化金酸溶液に塩化第2鉄を添加することで前記鉄の含有量を調整することを特徴とする、請求項1に記載の金粉の製造方法。
【請求項4】
前記還元剤溶液に用いる還元剤が亜硫酸カリウム又は亜硫酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項1に記載の金粉の製造方法。
【請求項5】
前記金粉は、SEM画像から求めた平均粒径が1.0μm以上2.0μm以下、タップ密度が5.0g/cm

以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の金粉の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金粉の製造方法に関し、特に、電子機器の配線層や電極等の導電膜を作製する際の原材料として利用される金ペーストの主たる成分となる金粉の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
金(Au)は化学的に安定していて耐食性に優れており、導電性や熱伝導性等の特性においても優れているため、工業的に有用な金属として様々な分野で使用されている。例えば電子機器の分野においては、配線層や電極等の導電膜を作製する際の原材料に金ペーストの形態で金が使用されている。この金ペーストは、金粉、樹脂、硬化剤、及び溶剤などの成分からなり、一般的にはこれらの成分を3本ロールで混錬することで調製される。
【0003】
例えば特許文献1には、導電性金属粉としての金粉と、エポキシ樹脂などのバインダー樹脂と、フェノール化合物などの硬化剤と、アルキルアセタール化ポリビニルアルコール、エチレングリコールなどの希釈剤とを所定の配合割合となるように秤取って3本ロールミルで混錬することで、金ペーストを製造する技術が開示されている。この方法で製造した金ペーストを所定のパターンを有するように印刷した後、加熱焼成することによって、該所定のパターンを有する導電膜を形成することができる。形成した導電膜内では金粉が連なることで電気的に接続した電流パスが形成されるため、配線層や電極などとして機能させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-111525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の金ペーストは、導電膜を作製する際の印刷性や焼成して得られる導電膜の特性等の観点から適切なペースト組成を有していることが求められており、更に、主要な構成要素である金粉においては、導電膜の特性の観点から所望の特性を有しているか否かが評価されることがある。かかる金粉の特性の評価においては、粒径、比表面積、純度、分散性、タップ密度などの粉体特性が検査されることが多い。これらの粉体特性のうち、粒径や比表面積は金ペーストの組成や金ペーストに求められる粘度により適宜好ましい範囲が規定される。
【0006】
上記の粉体特性のうち、金粉の純度は高い方が好ましく、その理由は金粉を構成する金粒子内部の不純物濃度が高かったり、金粒子の表面部に不純物が濃縮していたりすると、導電膜の抵抗値が高くなって信頼性を低下させるおそれがあるからである。また、金粒子は例えば熱により不純物の表面濃縮が生じることがあり、これにより表面性状が変化するとペースト成分との相溶性が変化し、混錬性や粘度に悪影響を及ぼすおそれがある。更に不純物濃度が金粉ロットにより変動すると、金ペーストの製造工程自体が不安定になることがある。このように、金粉はその不純部濃度が安定して低いこと、すなわち純度が高いことが望ましい。
【0007】
また、上記の粉体特性の中では、金ペースト中での金粉の分散性が重要になることが多い。その理由は、金ペースト中に金粉を均一に分散させることにより、該金ペーストの焼成後に均一な太さの配線層や均一な厚さの電極を形成できるからである。逆に金ペースト中の金粉の分散性が悪いと金粉が凝集して凝集体を形成しやすくなり、この凝集体が例えば3本ロールによるペースト混錬工程においてロール間で潰されてフレーク状になるおそれがある。また、導電膜の膜厚よりも大きな凝集体やフレークが形成されると、これらが導電膜で突起部を生じさせたり導電膜を構成する金粒子群の分布が不均一になったりし、結果的に導電膜の抵抗値が局所的に大きく又は小さくなったり、そのバラツキが大きくなったりする問題や、導電膜の機械的強度が脆くなる問題が生じるおそれがある。
【0008】
上記の金ペースト中での金粉の分散性は、金粉を構成する金粒子が金ペースト中で1粒ずつバラバラになっていて凝集体がほぼ存在していないこと、及び金粒子の表面が金ペーストの他成分との馴染みが良いことの点から評価できる。前者を評価する指標としては、測定対象となる粉粒体試料を入れた容器を台上に落下させてタッピングを行ない、該粉粒体試料の表面高さが変化しなくなったときのかさ密度であるタップ密度があり、これが高いことが望ましい。一方、後者を評価する指標としては、SP値(Solubility Parameter)に代表される表面性状の評価法があるが、このSP値は金ペーストを構成する成分毎に異なる値を有しており、よって一概に好ましい範囲を特定することは難しい。
【0009】
また、金粉は金ペーストの主成分であり、金ペースト価格に占める割合が大きいため、金ペースト用の金粉には製造コストが低いことも求められている。金粉の製造コストを低減するためには、使用する原料や材料の単価を低くするだけでなく、金ペーストとして求められる諸特性を有する金粉を安定して製造することが求められる。
【0010】
金ペースト用の金粉の製造方法としては、塩化金酸(HAuCl

)を含む塩化金酸溶液に対して、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸カリウム)などの還元剤水溶液を添加して金イオンを還元することで金を析出させ、得られた微細な金粒子を含む金粉スラリーを固液分離、洗浄、及び加熱乾燥することで比較的高純度の金粉を製造する方法が知られている。
(【0011】以降は省略されています)

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