TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025153871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056561
出願日2024-03-29
発明の名称電極合剤、電極、および電池
出願人株式会社クレハ
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類H01M 4/139 20100101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】炭素で被覆された電極活物質、およびカルボキシ基を有するフッ化ビニリデン共重合体を含み、取扱性が良好な電極合剤の提供を目的とする。
【解決手段】上記課題を解決する電極合剤は、フッ化ビニリデン由来の構成単位、およびカルボキシ基を有するビニル化合物由来の構成単位、を有するフッ化ビニリデン共重合体と、炭素で被覆された電極活物質と、を含み、前記フッ化ビニリデン共重合体と、前記電極活物質と、カーボンナノチューブと、ポリビニルピロリドンと、N-メチルピロリドンとを所定の比率で混合した粘度測定用スラリーを調製したとき、当該粘度測定用スラリーが、所定のスラリー粘度を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フッ化ビニリデン由来の構成単位、およびカルボキシ基を有するビニル化合物由来の構成単位、を有するフッ化ビニリデン共重合体と、
炭素で被覆された電極活物質と、
を含む電極合剤であり、
前記フッ化ビニリデン共重合体と、前記電極活物質と、BET比表面積が220~280m

/gであり、かつ管径が7~11nmであるカーボンナノチューブと、ポリビニルピロリドンと、N-メチルピロリドンとを、質量比1.3:52.5:1.1:0.1:45.0で混合して粘度測定用スラリーを調製したとき、
前記粘度測定用スラリーが、以下の要件(A)および要件(B)を満たす、電極合剤。
要件(A):25℃で、E型粘度計にてせん断速度40s
-1
で撹拌開始から30秒後に測定されるスラリー粘度V
40
が1000mPa・s以上10000mPa・s以下である
要件(B):25℃で、E型粘度計にてせん断速度1s
-1
で撹拌開始から120秒後に測定されるスラリー粘度V

および前記スラリー粘度V
40
が、V

/V
40
≦15である
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記粘度測定用スラリーの前記スラリー粘度V
40
が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、
前記粘度測定用スラリーの前記スラリー粘度V

および前記スラリー粘度V
40
がV

/V
40
≦12を満たす、
請求項1に記載の電極合剤。
【請求項3】
前記フッ化ビニリデン共重合体の重量平均分子量Mwaが50000以上であり、
前記フッ化ビニリデン共重合体を、1-ブロモメチルピレンからなる標識物質で修飾し、波長345nmの光を吸収するカルボキシ基含有フッ化ビニリデン共重合体の重量平均分子量Mwcを特定したとき、
前記Mwcが、前記Mwaに対して、0.90未満である、
請求項1に記載の電極合剤。
【請求項4】
前記電極活物質の炭素被覆量が、前記電極活物質の質量に対して0.5質量%以上3.0質量%以下である、
請求項1に記載の電極合剤。
【請求項5】
前記ビニル化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、
請求項1に記載の電極合剤。
TIFF
2025153871000005.tif
37
118
(一般式(1)において、


、R

、R

はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上5以下のアルキル基を表し、
Xは、ヒドロキシ基、または-Y-COOHを表す(Yは酸素原子または窒素原子のいずれか一方を含み、かつ主鎖の原子数が1以上10以下である、分子量500以下の2価の原子団を表す))
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の電極合剤の固形分を含む、電極。
【請求項7】
請求項6に記載の電極を含む、電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電極合剤、電極、および電池に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
非水電解質二次電池の電極の合剤層の形成には、通常、バインダー(結着剤)および活物質を含む電極合剤が用いられる。上記バインダー(結着剤)としては、フッ化ビニリデン重合体が主に使用されている。バインダーには、活物質を集電体に接着させるという役割から、高接着性が求められている。例えば特許文献1には、フッ素系樹脂にカルボキシ基等の官能基を導入し、集電体等への接着性を改良したり、溶媒への溶解性を改良することが記載されている。特許文献2にはフッ化ビニリデンと、特定の構造の化合物との共重合体(フッ化ビニリデン共重合体)を含むバインダー組成物が記載されており、当該フッ化ビニリデン共重合体が、集電体に対して高い接着性を示すことが記載されている。
【0003】
一方、電池の低コスト化を目的として、リン酸鉄リチウム(LFP)を正極活物質として用いることが検討されている。また、次世代材料として、リン酸鉄マンガンリチウム(LFMP)の正極活物質としての使用も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-172452号公報
特許第5797206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
集電体等に対する接着性を高めるため、上記リン酸鉄リチウム(LFP)や、リン酸鉄マンガンリチウム(LFMP)を含む電極合剤(スラリー)にも、上述の特許文献1や特許文献2に記載のフッ化ビニリデン共重合体を電極用バインダーとして用いることが考えられる。しかしながら、LFPやLFMPと、集電体に対する接着強度が高いフッ化ビニリデン共重合体と、を混合すると、LFPやLFMPの表面に存在する炭素被覆、およびカルボキシ基を有するフッ化ビニリデン共重合体が相互作用し、電極(合剤層)の作製が非常に難しかった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものである。本発明は、炭素で被覆された電極活物質、およびカルボキシ基を有するフッ化ビニリデン共重合体を含み、取扱性が良好な電極合剤の提供を目的とする。また、当該電極合剤を用いて得られる電極、および電池の提供も目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、フッ化ビニリデン由来の構成単位、およびカルボキシ基を有するビニル化合物由来の構成単位、を有するフッ化ビニリデン共重合体と、炭素で被覆された電極活物質と、を含む電極合剤であり、前記フッ化ビニリデン共重合体と、前記電極活物質と、BET比表面積が220~280m

/gであり、かつ管径が7~11nmであるカーボンナノチューブと、ポリビニルピロリドンと、N-メチルピロリドンとを、質量比1.3:52.5:1.1:0.1:45.0で混合して粘度測定用スラリーを調製したとき、前記粘度測定用スラリーが、以下の要件(A)および要件(B)を満たす、電極合剤を提供する。
要件(A):25℃で、E型粘度計にてせん断速度40s
-1
で撹拌開始から30秒後に測定されるスラリー粘度V
40
が1000mPa・s以上10000mPa・s以下である
要件(B):25℃で、E型粘度計にてせん断速度1s
-1
で撹拌開始から120秒後に測定されるスラリー粘度V

および前記スラリー粘度V
40
が、V

/V
40
≦15である
[2]本発明は、前記粘度測定用スラリーの前記スラリー粘度V
40
が1000mPa・s以上10000mPa・s以下であり、前記粘度測定用スラリーの前記スラリー粘度V

および前記スラリー粘度V
40
がV

/V
40
≦12を満たす、[1]に記載の電極用合剤を提供する。
[3]本発明は、前記フッ化ビニリデン共重合体の重量平均分子量Mwaが50000以上であり、前記フッ化ビニリデン共重合体を、1-ブロモメチルピレンからなる標識物質で修飾し、波長345nmの光を吸収するカルボキシ基含有フッ化ビニリデン共重合体の重量平均分子量Mwcを特定したとき、前記Mwcが、前記Mwaに対して、0.90未満である、[1]または[2]に記載の電極合剤を提供する。
[4]本発明は、前記電極活物質の炭素被覆量が、前記電極活物質の質量に対して0.5質量%以上3.0質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の電極合剤を提供する。
[5]本発明は、前記ビニル化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、[1]~[4]のいずれかに記載の電極合剤を提供する。
TIFF
2025153871000001.tif
35
125
(一般式(1)において、R

、R

、R

はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1以上5以下のアルキル基を表し、Xは、ヒドロキシ基、または-Y-COOHを表す(Yは酸素原子または窒素原子のいずれか一方を含み、かつ主鎖の原子数が1以上10以下である、分子量500以下の2価の原子団を表す))
【0008】
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の電極合剤の固形分を含む、電極を提供する。
[7]上記[6]に記載の電極を含む、電池を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、炭素で被覆された電極活物質、およびカルボキシ基を有するフッ化ビニリデン共重合体を含み、その取扱性が良好な電極合剤が提供される。さらに、当該電極合剤を用いて得られる電極、および電池も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.電極合剤
本発明の電極合剤は、フッ化ビニリデン由来の構成単位、およびカルボキシ基を有するビニル化合物由来の構成単位を有するフッ化ビニリデン共重合体と、炭素で被覆された電極活物質(以下、単に「活物質」とも称する)と、を含む組成物である。当該電極合剤は、導電助剤や、溶媒、その他の添加剤等をさらに含んでいてもよい。電極合剤が溶媒を含む場合、フッ化ビニリデン共重合体は、溶媒に溶解していてもよいし、溶媒に分散していてもよい。当該電極合剤は、通常スラリー状であるが、これに限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社クレハ
電極合剤、電極、および電池
29日前
APB株式会社
蓄電セル
15日前
東ソー株式会社
絶縁電線
17日前
個人
フレキシブル電気化学素子
29日前
ローム株式会社
半導体装置
16日前
ローム株式会社
半導体装置
1か月前
株式会社ユーシン
操作装置
29日前
マクセル株式会社
電源装置
9日前
株式会社東芝
端子台
9日前
日新イオン機器株式会社
イオン源
25日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
29日前
オムロン株式会社
電磁継電器
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電設備
29日前
株式会社GSユアサ
蓄電設備
29日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
2日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
10日前
株式会社ホロン
冷陰極電子源
23日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
10日前
日新イオン機器株式会社
基板処理装置
12日前
トヨタ自動車株式会社
冷却構造
17日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
1日前
トヨタ自動車株式会社
バッテリ
1か月前
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
29日前
サクサ株式会社
電池の固定構造
29日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
18日前
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
10日前
北道電設株式会社
配電具カバー
15日前
ノリタケ株式会社
熱伝導シート
29日前
日東電工株式会社
積層体
1か月前
トヨタ自動車株式会社
バッテリ
15日前
トヨタ自動車株式会社
密閉型電池
11日前
ローム株式会社
半導体装置
17日前
ベストテック株式会社
装置支持具
29日前
日本製紙株式会社
導電性フィルム
1か月前
日本無線株式会社
レーダアンテナ
3日前
日本製紙株式会社
導電性フィルム
1か月前
続きを見る