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公開番号2025152913
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024055094
出願日2024-03-28
発明の名称熱伝導シート
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人
主分類H01L 23/36 20060101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】熱硬化樹脂を含む熱伝導シートの熱伝導率を向上させる。
【解決手段】ここに開示される熱伝導シート1の熱伝導材10は、長尺な粗大粒子である第1粒子12と、短尺の粗大粒子である第2粒子14と、短尺の微小粒子である第3粒子16とを所定の比率で含んでいる。さらに、この熱伝導シート1は、当該シートの総質量に対する熱硬化性樹脂20の含有量が6wt%以下に制限されている。これによって、第1粒子12と第2粒子14と第3粒子16とが相互に接触した熱伝導経路Pを熱伝導シート1の内部に形成できるため、熱伝導率を大きく向上できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱伝導材と熱硬化性樹脂とを含む熱伝導シートであって、
前記熱伝導材は、
平均アスペクト比が1.5以上であり、平均粒子径が5μm以上70μm以下である第1粒子と、
平均アスペクト比が1.5未満であり、平均粒子径が10μm以上80μm以下である第2粒子と、
平均アスペクト比が1.5未満であり、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下である第3粒子と
を少なくとも含み、
前記熱伝導材の総質量を100wt%としたとき、前記第1粒子の含有量が1wt%以上7wt%以下であり、前記第2粒子の含有量が20wt%以上40wt%以下であり、かつ、前記第3粒子の含有量が50wt%以上75wt%以下であり、
前記熱伝導シートの総質量を100wt%としたとき、前記熱硬化性樹脂の含有量が6wt%以下である、熱伝導シート。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記第1粒子は、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項3】
前記第2粒子は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項4】
前記第3粒子は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項5】
シート厚み方向にX線を照射して得られたX線回折スペクトルにおいて、(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度に対する比率(I(002)/I(100))である前記第1粒子の配向度が60以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項6】
前記第3粒子は、平均粒子径が5μm以上10μm以下の大粒子と、平均粒子径が0.1μm以上5μm未満の小粒子とを含む、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項7】
前記大粒子と前記小粒子との混合比率が30:70~70:30である、請求項6に記載の熱伝導シート。
【請求項8】
前記熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、イミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項9】
前記熱伝導シートの熱伝導率が5W/m・K以上である、請求項1に記載の熱伝導シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導シートに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)などの電子機器は、性能向上の観点から高密度化が進められている。この高密度の電子機器は、使用中の発熱量が大きいため、熱伝導シートと共に使用されることがある。この熱伝導シートの一例として、特許文献1に記載のセラミックスシートが挙げられる。特許文献1に記載のセラミックスシートは、シート状に成形されたセラミックス粒子の焼結体である。また、熱伝導シートの他の例が特許文献2、3に開示されている。特許文献2、3に記載の熱伝導シートは、シート状に成形されたバインダ樹脂の内部に無機粒子(熱伝導材)を分散させたものである。この熱伝導シートのバインダ樹脂には、熱硬化樹脂などが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-158259号公報
特開2022-097775号公報
特開2022-191990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、電子機器の高密度化がさらに進められており、熱伝導シートの熱伝導性に対する要求もさらに高まっている。ここに開示される技術は、かかる要求に応じてなされたものであり、熱硬化樹脂を含む熱伝導シートの熱伝導率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここに開示される熱伝導シートは、熱伝導材と熱硬化性樹脂とを含む。この熱伝導シートの熱伝導材は、平均アスペクト比が1.5以上であり、平均粒子径が5μm以上70μm以下である第1粒子と、平均アスペクト比が1.5未満であり、平均粒子径が10μm以上80μm以下である第2粒子と、平均アスペクト比が1.5未満であり、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下である第3粒子とを少なくとも含む。そして、熱伝導材の総質量を100wt%としたとき、第1粒子の含有量が1wt%以上7wt%以下であり、第2粒子の含有量が20wt%以上40wt%以下であり、かつ、第3粒子の含有量が50wt%以上75wt%以下である。また、熱伝導シートの総質量を100wt%としたとき、熱硬化性樹脂の含有量が6wt%以下である。
【0006】
上記構成の熱伝導シートは、非常に優れた熱伝導性を有している。ここに開示される技術を限定することを意図したものではないが、この熱伝導性向上効果は、以下の作用機序によって生じていると推測される。まず、この熱伝導シートの熱伝導材は、大きな長尺粒子(第1粒子)と、大きな短尺粒子(第2粒子)と、小さな短尺粒子(第3粒子)とを含んでいる。この熱伝導材の中でも長尺な第1粒子は、一定の方向に配向しやすい。これによって、第1粒子の配向方向に沿った熱伝導経路が形成される。次に、短尺粒子である第2粒子は、長尺な第1粒子の間に配置されやすい。これによって、第1粒子の配向方向と交差する熱伝導経路が形成される。そして、微小な短尺粒子である第3粒子は、他の無機粒子(第1粒子、第2粒子)の間隙に入り込む。これによって、第3粒子を介して他の無機粒子が接触しやすくなるため、多岐にわたる熱伝導経路が形成される。以上の通り、ここに開示される熱伝導シートの内部には、無機粒子同士が接触した熱伝導経路が形成されやすいため、高い熱伝導性を発揮できる。なお、熱伝導シート内の熱硬化性樹脂の含有量が多くなりすぎると、無機粒子の間に多量の熱硬化性樹脂が入り込んで熱伝導経路が切断されるおそれがある。このため、ここに開示される熱伝導シートでは、熱伝導シートの総質量に対する熱硬化性樹脂の含有量を6wt%以下に定めている。これによって、好適な熱伝導経路を有し、高い熱伝導性を発揮する熱伝導シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
一実施形態に係る熱伝導シートを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ここに開示される技術の一実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここに開示される技術の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。すなわち、ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施できる。また、本明細書において数値範囲を示す「A~B」の表記は、A以上B以下を意味する。
【0009】
[熱伝導シート]
まず、ここに開示される熱伝導シートの一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る熱伝導シートを模式的に示す断面図である。なお、図1中の符号Xは「(熱伝導シートの)幅方向」であり、符号Zは「(熱伝導シートの)厚み方向」である。また、本明細書では、図1の紙面に対して垂直な方向のことを「(熱伝導シートの)奥行方向」という。
【0010】
図1に示すように、熱伝導シート1は、第1面1aと、当該第1面1aの反対側の第2面1bとを有するシート状の部材である。この熱伝導シート1は、第1面1a上に配置された機器(電子機器など)の熱を第2面1bへ伝達する。なお、熱伝導シート1の外形は、特に限定されず、帯状、円板状、枠状などの一般的な形状を特に制限なく採用できる。なお、熱伝導シート1の厚みは、3mm以下が好ましく、2.75mm以下がより好ましく、2.5mm以下がさらに好ましく、2.25mm以下が特に好ましい。熱伝導シート1が薄くなるにつれて、第1面1aから第2面1bへの熱伝導性が向上する傾向がある。一方、熱伝導シート1の厚みの下限は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましく、0.4mm以上が特に好ましい。これによって、耐久性に優れた熱伝導シート1を提供できる。また、ここに開示される技術によると、上記のような厚い熱伝導シート1でも高い熱伝導性を発揮できる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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