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公開番号2025149634
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024050392
出願日2024-03-26
発明の名称電気化学セル用ペースト
出願人ノリタケ株式会社
代理人弁理士法人ぱてな
主分類H01M 8/0202 20160101AFI20251001BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】一般式ABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する導電性粉末を用いながら、従来よりも低い温度でインターコネクタとの接合性を十分に確保できる電気化学セル用ペーストを提供する。
【解決手段】本発明の電気化学セル用ペーストは、空気極3とインターコネクタ8とを接合するための電気化学セル用ペースト1である。このペースト1は、一般式ABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する導電性粉末と、樹脂と、溶剤と、アミンとを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
空気極とインターコネクタとを接合するための電気化学セル用ペーストであって、
一般式ABO
3
で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する導電性粉末と、樹脂と、溶剤と、アミンとを含むことを特徴とする電気化学セル用ペースト。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記導電性粉末は、La
1-x1
RE
1
x1
CoO
3
…(1)
で示されるランタン系ペロブスカイト型酸化物であり、
ここで、式1における
RE
1
はSr及びBaのうちの少なくとも1種である第1クロム補足元素を示し、
x1は、ペロブスカイト型結晶構造のAサイトを占めるLa及び前記第1クロム補足元素のうちの前記第1クロム補足元素の割合を示し、0.4≦x1≦0.8である請求項1記載の電気化学セル用ペースト。
【請求項3】
前記導電性粉末は、La
1-x1
RE
1
x1
Co
y1

1
1-y1

3
…(2)
で示されるランタン系ペロブスカイト型酸化物であり、
ここで、式2における
RE
1
はSr及びBaのうちの少なくとも1種である第1クロム補足元素を示し、

1
はTi、Mn、Fe、Ni及びCuのうちの少なくとも1種である遷移金属元素を示し、
x1は、ペロブスカイト型結晶構造のAサイトを占めるLa及び前記第1クロム補足元素のうちの前記第1クロム補足元素の割合を示し、0.4≦x1≦0.8であり、
y1は、ペロブスカイト型結晶構造のBサイトを占めるCo及び前記遷移金属元素のうちの前記遷移金属元素の割合を示している請求項1記載の電気化学セル用ペースト。
【請求項4】
前記導電性粉末は、La
0.6
Sr
0.4
CoO
3
である請求項2記載の電気化学セル用ペースト。
【請求項5】
前記アミンは、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、2-エチルヘキシルアミン及びオレイルアミンの少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれか1項記載の電気化学セル用ペースト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電気化学セル用ペーストに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の電気化学セル用ペーストが開示されている。この電気化学セル用ペーストは、一般式ABO
3
で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する導電性粉末と、樹脂としてのエチルセルロースと、溶剤としてのテルピネオールとを含む。具体的には、導電性粉末は、La
0.6
Sr
0.4
CoO
3
と、La
0.9
Sr
0.1
CoO
3
とである。両導電性粉末、樹脂及び溶剤はロールミルによって混錬され、電気化学セル用ペーストとされる。
【0003】
この電気化学セル用ペーストは空気極とインターコネクタとの間に塗布され、空気極及びインターコネクタとともに焼成されることによって空気極とインターコネクタとを接合する空気極側接合部材とされる。上記ランタンコバルタイト系材料やランタンマンガネート系材料、ランタンチタネート系材料等のペロブスカイト化合物は、酸化物としては非常に高い導電性を示し、高温大気中であっても安定であるため、高温域で使用する部材に広く用いられている。
【0004】
空気極側インターコネクタ、空気極側接合部材及び空気極は、電解質、燃料極、燃料極側接合部材及び燃料極側インターコネクタとともに固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)や固体酸化物型電解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)とされる。SOFCやSOECにおいて、空気極、電解質及び燃料極は複数枚のセルとされ、インターコネクタは各セル間に設けられるセパレータとされ得る。こうして、SOFCやSOECは発電や電気分解を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-75207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、発明者らの試験結果によれば、上記従来の電気化学セル用ペーストは、高い焼成温度でなければ、導電性粉末の粒子同士のネッキングが起こらず、インターコネクタとの接合性を十分に確保できない。空気極等を高い温度に加熱すると、空気極等がダメージを受け、SOFCやSOECでの発電性能や電気分解性能が低下することが懸念される。また、過度に高温での加熱はエネルギーの消費が大きい。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、一般式ABO
3
で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する導電性粉末を用いながら、従来よりも低い温度でインターコネクタとの接合性を十分に確保できる電気化学セル用ペーストを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気化学セル用ペーストは、空気極とインターコネクタとを接合するための電気化学セル用ペーストであって、
一般式ABO
3
で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する導電性粉末と、樹脂と、溶剤と、アミンとを含むことを特徴とする。
【0009】
発明者の試験結果では、本発明の電気化学セル用ペーストは、アミンを含むことにより、焼成時に従来よりも低温で導電性粉末の粒子同士をネッキングさせることができ、従来よりも低い温度でインターコネクタとの接合性を十分に確保できる。
【0010】
発明者はこの理由を以下のように考察している。
(1)ペロブスカイト型結晶構造の導電性粉末はA/B比がアミンの添加の有無で変化する。
導電性粉末は、焼成前のA/B比と焼成後のA/B比とを比較すると、焼成後はA/B比が増加するが、アミンを添加することでA/B比の増加が抑制される。
すなわち、導電性粉末は一般式ABO
3
で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する。このペロブスカイト型結晶構造は、図1に示すように、立方晶系の単位格子をもち、立方晶の各頂点に金属REが、体心に金属Mがそれぞれ位置し、金属Mを中心として酸素Oが立方晶の各面心に位置する。発明者の試験結果によれば、焼成に伴ってBサイトの金属Mの揮発が抑制されている。金属Mの揮発は、主にペースト中に溶出した金属Mのイオンが焼成時に揮発することによるものと考えられる。ペースト中にアミンを添加すると金属Mのイオンの溶出が抑制され、結果として焼成時の金属Mのイオンの揮発が抑制される。
(【0011】以降は省略されています)

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