TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025151427
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024052849
出願日
2024-03-28
発明の名称
繊維構造体およびその製造方法ならびに医療・介護従事者用のウェア
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D06M
13/352 20060101AFI20251002BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】 カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維に特有の、劣位な耐光性と耐熱性が同時に解消された、医療・介護従事者用のウェアに適した繊維構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維構造体において、ベンゾトリアゾール系化合物を繊維構造体の質量に対して0.50質量%~3.50質量%含み、ジンクピリチオン系化合物を繊維構造体の質量に対して0.05質量%~0.20質量%含んでなる繊維構造体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維構造体において、ベンゾトリアゾール系化合物を繊維構造体の質量に対して0.50質量%~3.50質量%含み、ジンクピリチオン系化合物を繊維構造体の質量に対して0.05質量%~0.20質量%含んでなる繊維構造体。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記カチオン染料が青色カチオン染料である請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の繊維構造体を含む医療・介護従事者用のウェア。
【請求項4】
カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維構造体において、ベンゾトリアゾール系化合物を繊維構造体の質量に対して0.50質量%~3.50質量%含み、ジンクピリチオン系化合物を繊維構造体の質量に対して0.05質量%~0.20質量%含んでなる繊維構造体の製造方法であって、
カチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維基材を、カチオン染料とベンゾトリアゾール系化合物を繊維基材の質量に対して固形分濃度で0.50質量%~4.30質量%とを含む加工液を用いて浴中処理する加工を行い、加工された繊維基材にジンクピリチオン系化合物を繊維基材の質量に対して固形分濃度で0.05質量%~0.20質量%含む加工液を用いてパッド・ドライ法で熱処理する、または、
カチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維基材を、カチオン染料とベンゾトリアゾール系化合物を繊維基材の質量に対して固形分濃度で0.50質量%~4.30質量%とジンクピリチオン系化合物を繊維基材の質量に対して固形分濃度で0.05質量%~0.20質量%とを含む加工液を同時に浴中処理する
ことで、ベンゾトリアゾール系化合物とジンクピリチオン系化合物を繊維基材に担持させる工程を含む、繊維構造体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維構造体およびその製造方法ならびに医療介護従事者用のウェアに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、染色された繊維構造体の耐光性を向上させる技術が検討されている。繊維に耐光性を付与する方法としては、紫外線吸収剤を用いる方法(特許文献1)、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤類を使用する方法(特許文献2)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-235606号公報
特開2015-148038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、医療従事者が着用するウェアは白衣高血圧症や補色残像の問題、価値観の多様化等で、従来の白衣から多彩色化が進んでいる。ポリエステル繊維からなるウェアは綿等のウェアよりも耐久性に富んでおり、長期に渡って繰り返し使用する医療服のウェア等に広く用いられている。通常、ポリエステル繊維は分散染料で染色されるが、分散染料は分子吸光係数が小さく発色性に欠けるため、分散染料で染色されたポリエステルのウェアは彩度が低く、くすんだ色合いになる。
【0005】
そこで近年、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維を含むウェアが展開されている。このようなウェアは、分散染料で染色されたポリエステル繊維に比べて、発色性に富むことに加えて、温水や熱水での洗濯堅牢度にも優れている点などから、その製造量は年々増加している。しかしながら、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維からなる繊維構造体は、従来の分散染料で染色されたポリエステル繊維からなる繊維構造体と比べて、耐光性と耐熱性が両立しにくいことが欠点である。そのため、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維からなる繊維構造体を家庭洗濯した後に日干しして乾燥させる場合、光変褪色することがある。また、工業洗濯後に乾燥機にて乾燥させる場合、例えば、乾燥温度を150℃以上の高温で行う場合があり、工業洗濯を繰り返すことによって熱変褪色することがある。
【0006】
特許文献1~2に示す方法では、紫外線吸収剤やそれに加え、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤類、有機ニッケル錯体を併用することによって、染色された繊維構造体の耐光性が向上するが、耐熱性を向上することができない。そして、これら特許文献1~2に開示された技術をそのまま単純にカチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維からなる繊維基材に適用しても、繊維構造体の耐光性と耐熱性を同時に改良できるものでもなかった。
【0007】
また、繊維構造体に付着する紫外線吸収剤の量が増加すると、耐光性は向上する一方で、繊維構造体の彩度が低下する課題があり、さらには、繊維構造体を製造する際に高温での仕上加工時に紫外線吸収剤が昇華するため、紫外線吸収剤の添加量に対する耐光性の向上効果が小さくなる、すなわち、紫外線吸収剤の利用効率が低下する課題もある。
【0008】
このように、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維からなる繊維構造体に特有の、劣位な耐光性と耐熱性を同時に解消できる技術は見出されていないのが現状である。
【0009】
したがって、本発明の目的は、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維構造体について、耐光性と耐熱性に優れる繊維構造体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維構造体において、特定の薬剤であるベンゾトリアゾール系化合物とジンクピリチオン系化合物をそれぞれ特定量含むことによって、繊維構造体の耐光性だけでなく、耐熱性も向上する異質な効果が発現することを見出した。さらには、特定濃度のベンゾトリアゾール系化合物とジンクピリチオン系化合物をそれぞれ繊維基材に付与することによって、昇華の課題が顕著にならない程度の低い紫外線吸収剤の使用濃度で、カチオン染料で染色されたカチオン可染性ポリエステル繊維を含む繊維構造体の耐光性と耐熱性を向上させることができることを究明した。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
東レ株式会社
電池
11日前
東レ株式会社
防護服
1か月前
東レ株式会社
浄水器
2か月前
東レ株式会社
化粧料
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
1か月前
東レ株式会社
光透過性表皮材
1か月前
東レ株式会社
黒色樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
加飾用フィルム
1か月前
東レ株式会社
無配向フィルム
1か月前
東レ株式会社
不織布の製造装置
1か月前
東レ株式会社
飛翔体用ブレード
1か月前
東レ株式会社
貼合体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
赤外線遮蔽構成体
1か月前
東レ株式会社
中空糸膜モジュール
1か月前
東レ株式会社
遮熱性アクリル繊維
1か月前
東レ株式会社
溶融紡糸口金パック
1か月前
東レ株式会社
繊維断面の検査方法
1か月前
東レ株式会社
フィルムの製造装置
1か月前
東レ株式会社
車両用衝撃吸収部材
1か月前
東レ株式会社
テーパ付き円筒部材
1か月前
東レ株式会社
太陽電池モジュール
1か月前
東レ株式会社
遠心ポッティング方法
24日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
2か月前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
1か月前
東レ株式会社
ポリプロピレンフィルム
1か月前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
1か月前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
1か月前
東レ株式会社
糸送り装置および糸送り方法
1か月前
東レ株式会社
着色樹脂組成物および着色膜
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
1か月前
東レ株式会社
先端に凸面を有する光ファイバ
2か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン系樹脂発泡シート
16日前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
1か月前
東レ株式会社
扁平多様断面繊維を含有した中綿
1か月前
続きを見る
他の特許を見る