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公開番号2025150072
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024050751
出願日2024-03-27
発明の名称微小物体の捕集基板およびその製造方法
出願人株式会社村田製作所
代理人弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類C12M 1/26 20060101AFI20251002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 マイクロバブルの生成の核となる空気を細孔内に留めておくことが可能な微小物体の捕集基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 捕集基板10の表面には、空気を保持できる多数の細孔12aが形成されている。この細孔12aは、捕集基板10の土台となるガラス基板11の表面に多孔膜として形成されたレジスト膜12の凹部に形成される。レジスト膜12の頭部および細孔12aの底面には薄膜13が形成されている。薄膜13は、レーザ光源41~49から照射されるレーザ光L1~L9を熱に変換する光熱変換領域を構成する。薄膜13を覆う捕集基板10の表面には撥水膜14が形成されている。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
基板表面に形成される、空気を保持できる複数の細孔を有する多孔膜と、
前記多孔膜を覆う前記基板表面に形成される、光源から照射される光を熱に変換する光熱変換領域と、
前記光熱変換領域を覆う前記基板表面に形成される、撥水性を有する撥水膜とを備える、
前記多孔膜を浸す液体中に分散した複数の微小物体を捕集する微小物体の捕集基板。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記撥水膜は、前記光熱変換領域の表面の親水基が疎水基に置換されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の微小物体の捕集基板。
【請求項3】
前記細孔は、開口面積を底面積よりも小さくする逆テーパー形状の縦断面形状をしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小物体の捕集基板。
【請求項4】
前記細孔は、開口径が直径5μm以下の大きさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小物体の捕集基板。
【請求項5】
前記多孔膜は、光源から光が照射される領域にのみ複数の前記細孔が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小物体の捕集基板。
【請求項6】
空気を保持できる複数の細孔を有する多孔膜を基板表面に形成する工程と、
前記多孔膜を覆う基板表面に、光源から照射される光を熱に変換する光熱変換領域を形成する工程と、
基板表面を所定温度の雰囲気下でシランカップリング剤の蒸気および水蒸気に所定時間曝して、撥水性を有する撥水膜を前記光熱変換領域を覆う基板表面に形成する工程とを備える、
前記多孔膜を浸す液体中に分散した複数の微小物体を捕集する微小物体の捕集基板の製造方法。
【請求項7】
前記多孔膜はBreath Figure法によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の微小物体の捕集基板の製造方法。
【請求項8】
前記多孔膜はトラックエッチング法によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の微小物体の捕集基板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に分散する複数の微小物体を捕集する捕集基板およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の微小物体の捕集基板としては、例えば、特許文献1の図20に集積キットとして開示されたものがある。
【0003】
この集積キットは、基板と、ハニカム高分子膜と、薄膜とから構成され、ハニカム高分子膜には微小物体である細菌を含んだ液体が滴下される。基板にはカバーガラスが用いられ、ハニカム高分子膜の材料には樹脂が用いられる。薄膜はレーザ光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換する材料からなる。光線が薄膜に照射され、液体が加熱されることで、光線の照射位置にマイクロバブルが発生する。発生したマイクロバブルにより特定方向に液体の対流が生じ、マイクロバブルの近傍領域に複数の微小物体が集積する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/218347号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の微小物体の捕集基板においては、微小物体を含む液体を基板上に滴下すると、多孔膜であるハニカム高分子膜の細孔内に水が浸入する。したがって、微小物体の捕集時に必要とされるマイクロバブルの生成の核となる空気が、細孔内に保持できないか、あるいは、保持できても直ぐに放出されて泡抜けする。このため、マイクロバブルの生成の核となる空気を新たに生じさせるために、光熱変換領域である薄膜に高強度のレーザ光を照射する必要が生じる。この結果、微小物体の捕集装置の使用上、利便性に欠ける面があった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するべく、マイクロバブルの生成の核となる空気を細孔内に留めておくことが可能な微小物体の捕集基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は、
基板表面に形成される、空気を保持できる複数の細孔を有する多孔膜と、
多孔膜を覆う基板表面に形成される、光源から照射される光を熱に変換する光熱変換領域と、
光熱変換領域を覆う基板表面に形成される、撥水性を有する撥水膜とを備える、
多孔膜を浸す液体中に分散した複数の微小物体を捕集する微小物体の捕集基板を構成した。
【0008】
本構成によれば、光熱変換領域を覆う基板表面に撥水膜があるため、微小物体を含む液体を基板上に滴下する際も、液体が多孔膜の細孔内に侵入するのが撥水膜によって阻止されて、多孔膜の細孔内に空気が保持され続けるようになる。このため、マイクロバブルの生成の核となる空気を従来のように新たに生成する必要がなくなり、光熱変換領域に照射するレーザー光の強度を高くすることなく、マイクロバブルの近傍に微小物体を捕集することが可能となる。この結果、微小物体の捕集装置の使用上における利便性が向上する。
【0009】
また、本発明は、
空気を保持できる複数の細孔を有する多孔膜を基板表面に形成する工程と、
多孔膜を覆う基板表面に、光源から照射される光を熱に変換する光熱変換領域を形成する工程と、
基板表面を所定温度の雰囲気下でシランカップリング剤の蒸気および水蒸気に所定時間曝して、撥水性を有する撥水膜を光熱変換領域を覆う基板表面に形成する工程とを備える、
多孔膜を浸す液体中に分散した複数の微小物体を捕集する微小物体の捕集基板の製造方法を構成した。
【0010】
本構成によれば、基板表面を所定温度の雰囲気下でシランカップリング剤の蒸気および水蒸気に所定時間曝すことで、光熱変換領域の表面の親水基が疎水基に置換されて、光熱変換領域を覆う基板表面に撥水性を有する撥水膜が形成される。このため、この撥水膜により、上記のように、微小物体を含む液体を基板上に滴下する際も、液体が多孔膜の細孔内に侵入するのが撥水膜によって阻止されて、多孔膜の細孔内に空気が保持され続けるようになる。このため、本構成によっても、マイクロバブルの生成の核となる空気を従来のように新たに生成する必要がなくなり、光熱変換領域に照射するレーザー光の強度を高くすることなく、マイクロバブルの近傍に微小物体を捕集することが可能となる。この結果、微小物体の捕集装置の使用上における利便性が向上する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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