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公開番号
2025149942
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2025048352
出願日
2025-03-24
発明の名称
導電性接着剤、二次電池用電極及び二次電池
出願人
三洋化成工業株式会社
代理人
主分類
H01M
4/13 20100101AFI20251001BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】自立型電極活物質膜と集電箔とを、高沸点かつ環境負荷の大きな溶剤を使用せずに接着可能であり、かつ耐電解液性、導電性及び耐電位性が良好であり、サイクル特性に優れた電池を製造可能な導電性接着剤を提供する。
【解決手段】二次電池用自立型電極活物質膜と集電箔との間に使用する導電性接着剤であって、接着性樹脂と導電性フィラーを含み、前記接着性樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体として含む重合体であり、前記重合体の重量に基づく(a1)の含有量が3~50重量%、(a2)の含有量が50~97重量%であり、前記接着性樹脂のTgが-41~-5℃、重量平均分子量が100,000~200,000である。
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
二次電池用自立型電極活物質膜と集電箔との間に使用する導電性接着剤であって、
前記導電性接着剤は、接着性樹脂と導電性フィラーを含み、
前記接着性樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体として含む重合体(A)であり、
前記重合体(A)の重量に基づく前記ビニルモノマー(a1)の含有量が3~50重量%であり、前記ビニルモノマー(a2)の含有量が50~97重量%であり、
前記接着性樹脂のガラス転移温度が-41~-5℃であり、
前記接着性樹脂の重量平均分子量が100,000~200,000であることを特徴とする導電性接着剤。
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記導電性フィラーが導電性炭素フィラーであることを特徴とする請求項1記載の導電性接着剤。
【請求項3】
前記自立型電極活物質膜が乾式電極シートであることを特徴とする請求項1記載の導電性接着剤。
【請求項4】
前記ビニルモノマー(a2)が、前記炭素数4~36の分岐アルキル基(前記一般式(1)中のR
2
)の分岐数が1であるビニルモノマー(a21)であり、前記ビニルモノマー(a21)の分岐点指数が0~0.5であり、前記ビニルモノマー(a21)の分岐長比指数が0.35~1.00であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項5】
前記接着性樹脂のガラス転移温度が-40~-25℃であることを特徴とする請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項6】
前記接着性樹脂とアルミ箔とを貼り合わせた試験片を用いてJIS K6854-2に規定の180度剥離試験を行った際の平均剥離力が4N以上であり、かつ前記集電箔がアルミ箔、表面処理アルミ箔又は銅箔であることを特徴とする請求項1記載の導電性接着剤。
【請求項7】
前記自立型電極活物質膜と前記集電箔が請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性接着剤で接着されてなる二次電池用電極。
【請求項8】
請求項7に記載の二次電池用電極を備える二次電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性接着剤、二次電池用電極及び二次電池
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、高エネルギー密度、高出力密度が達成できる二次電池として、近年様々な用途に利用されており、また、各種電池部材の検討が進められている。
【0003】
リチウムイオン電池用電極の製造において、水や有機溶媒等の液体中にバインダー樹脂及び電極活物質や導電助剤などの粉体成分を溶解又は分散させてスラリーとし、得られたスラリーを集電箔上に塗工・乾燥後にプレスすることによって電極を作製する方法(湿式プロセス)が一般的に行われている。
一方、近年、水や有機溶媒などの液体を用いない方法(乾式プロセス)で電極を製造することも行われている。例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)に剪断力をかけフィブリル化したものをバインダーとして用い、電極活物質及び導電助剤と混合した電極粉末を作製し、プレスして電極活物質膜(シート)を得る方法が行われている。
【0004】
上記乾式プロセスで製造した電極活物質膜(シート)は、構造的には、金属箔(集電体)がなくても活物質層だけで形状を維持できる自立型電極活物質膜である。(自立型電極シートと呼ばれることもある。)自立型電極活物質膜を用いたリチウムイオン電池用電極は、ハンドリング性がよく、集電体に起因する、製造可能な電極及び電池の大きさ・形状の制約がなくなる等のメリットがある反面、自立型電極活物質膜と集電箔との接着方法が確立されていないという課題がある。
自立型電極活物質膜と集電箔を接着する方法としては、電極活物質膜表面及び/又は集電箔表面に接着層を塗布することが検討されており、例えば特許文献1では、正極用の集電箔であるアルミ箔の表面に、N-メチルピロリドン(NMP)にポリビニリデンフルオライド(PVDF)を溶解させ、カーボンナノチューブ(CNT)を分散させたスラリーである接着剤を塗布した後、シート状正極合剤を載せ、120℃条件下で真空乾燥させることにより接着している。特許文献2では、正極用の集電箔であるアルミ箔の表面に、N-メチルピロリドン(NMP)にポリビニリデンフルオライド(PVDF)を溶解させ、カーボンブラックを分散させたスラリーである接着剤を塗布し、120℃で乾燥させた後、正極合剤シートを貼り合わせることによって接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-103141号公報
特開2023-99667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1及び2の方法では、自立型電極活物質膜と集電箔との接着性に改善の余地があり、接着部分が電解液に浸ると接着性が低下するという問題があった。また、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)を溶解させるために、安全性及び環境への影響の観点から規制が強められているNMPを溶媒として使用しているという問題があった。NMPは沸点が高く、乾燥温度を高温にする必要があるため、NMPを乾燥させるために多大なエネルギーを要したり、電極の構成原料に高い耐熱性が求められるため、使用できる原料の制約が大きいという問題があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであり、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池等の二次電池用自立型電極活物質膜と集電箔との間に使用する導電性接着剤であって、自立型電極活物質膜と集電箔とを、高沸点かつ環境負荷の大きな溶剤を使用せずに接着可能であり、かつ耐電解液性、導電性及び耐電位性が良好であり、サイクル特性に優れた電池を製造可能な導電性接着剤を提供することを目的としている。
なお、本願において耐電解液性が良好とは、電解液に浸漬後も接着性が低下しにくいことを意味する。上記高沸点の溶剤とは、沸点が180℃以上の溶剤を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、二次電池用自立型電極活物質膜と集電箔との間に使用する導電性接着剤であって、前記導電性接着剤は、接着性樹脂と導電性フィラーを含み、前記接着性樹脂は、ビニル樹脂であり、前記ビニル樹脂が、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体とする重合体であり、前記ビニル樹脂のガラス転移温度が-41~-5℃であり、前記ビニル樹脂の重量平均分子量が100,000~200,000であることを特徴とする導電性接着剤、及び、前記自立型電極活物質膜と前記集電箔が前記導電性接着剤で接着されてなる二次電池用電極である。
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自立型電極活物質膜と集電箔との間に使用する導電性接着剤であって、自立型電極活物質膜と集電箔とを、高沸点かつ環境負荷の大きな溶剤を使用せずに接着可能であり、かつ耐電解液性、導電性及び耐電位性が良好であり、サイクル特性に優れた電池を製造可能な導電性接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
分岐点指数と分岐長比指数の算出に必要なパラメータ(R
root
、R
end)
の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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