TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025149941
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2025048279
出願日
2025-03-24
発明の名称
二次電池用セパレータ及び二次電池用セパレータの製造方法
出願人
三洋化成工業株式会社
代理人
主分類
H01M
50/446 20210101AFI20251001BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】耐熱性、耐電位性及び耐電解液性が良好であり、かつ基材とコーティング層との接着耐久性に優れ、充放電を繰り返しても電池性能が低下せず高温耐久性にも優れた電池を製造可能な二次電池用セパレータを提供する。
【解決手段】多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられたコーティング層とを備える二次電池用セパレータであって、前記コーティング層は、接着性樹脂及び無機微粒子を含有するコーティング剤組成物からなり、前記接着性樹脂は、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体として含む重合体であり、前記重合体の重量に基づく(a1)の含有量が3~50重量%、(a2)の含有量が50~97重量%であり、前記接着性樹脂のTgが-40~-5℃、重量平均分子量が70,000~200,000である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられたコーティング層とを備える二次電池用セパレータであって、
前記コーティング層は、接着性樹脂及び無機微粒子を含有するコーティング剤組成物からなり、
前記接着性樹脂は、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体として含む重合体(A)であり、
前記重合体(A)の重量に基づく前記ビニルモノマー(a1)の含有量が3~50重量%であり、前記ビニルモノマー(a2)の含有量が50~97重量%であり、
前記接着性樹脂のガラス転移温度が-40~-5℃であり、
前記接着性樹脂の重量平均分子量が、70,000~200,000であることを特徴とする二次電池用セパレータ。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記コーティング剤組成物中の前記接着性樹脂の含有量がコーティング剤組成物の固形分重量に基づいて3~25重量%であり、前記無機微粒子の含有量がコーティング剤組成物の固形分重量に基づいて75~97重量%である請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
【請求項3】
前記接着性樹脂の引張破断伸び率が1000%以上であり、
前記引張破断伸び率は、ASTM D882に準拠した引張試験において試験片が破断するまでの伸び率を下記式によって算出した値である請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
引張破断伸び率(%)=[(破断時試験片標線間距離-試験前試験片標線間距離)/試験前試験片標線間距離]×100
【請求項4】
前記ビニルモノマー(a2)が、前記炭素数4~36の分岐アルキル基(前記一般式(1)中のR
2
)の分岐数が1であるビニルモノマー(a21)であり、前記ビニルモノマー(a21)の分岐点指数が0~0.5であり、前記ビニルモノマー(a21)の分岐長比指数が0.35~1.00であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
【請求項5】
前記多孔質基材の厚みに対する前記コーティング層1層あたりの厚みが4~33%であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
【請求項6】
前記コーティング剤組成物を有機溶剤と混合して固形分20~50重量%に調整する工程と、調整後のコーティング剤組成物を前記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に付着させる工程を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の二次電池用セパレータの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用セパレータ及び二次電池用セパレータの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
二次電池を構成する部材の一つであるセパレータには、電池の内部が高温になっても容易に破損、又は電極と剥離しない耐熱性が求められる。
セパレータの耐熱性を向上させる方法として、バインダー樹脂中に無機微粒子を混合したスラリー組成物を多孔質基材にコーティングする方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この際、スラリー組成物の中に含まれた無機微粒子が適切に分散していない場合、無機微粒子の間に凝集が起こり、多孔質基材の表面上に均一にコーティングされず、基材との接着力が減少し得る。スラリー組成物が基材に十分に接着されていない状態でコーティング層を形成すると、充放電が行われるにつれてコーティング層を構成する無機微粒子間、あるいは無機微粒子と多孔質基材との間の脱離が発生し、二次電池の物性が低下し得る。このため、セパレータコーティング用のスラリー組成物に分散剤を添加して無機物粒子間の凝集を防止する技術が検討され、カルボン酸系分散剤、リン酸系分散剤等を添加することが提案されている(例えば特許文献2)。しかしながら、かかる従来の分散剤を投入する場合、スラリー組成物の分散性は向上するが、電池の充放電が繰り返されるに伴い、セパレータを構成するコーティング層と基材との接着力が低下し、電池の性能が低下するという問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開第2000-030686号
国際公開第2009/096451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであり、多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられたコーティング層とを備える二次電池用セパレータであって、耐熱性、耐電位性及び耐電解液性が良好であり、かつ基材とコーティング層との接着耐久性に優れ、充放電を繰り返しても電池性能が低下せず高温耐久性にも優れた電池を製造可能な二次電池用セパレータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本発明は、多孔質基材と、上記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられたコーティング層とを備える二次電池用セパレータであって、上記コーティング層は、接着性樹脂及び無機微粒子を含有するコーティング剤組成物からなり、上記接着性樹脂は、カルボキシル基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)
CH
2
=C(R
1
)COOR
2
(1)
[式(1)中、R
1
は水素原子又はメチル基であり、R
2
は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
で表されるビニルモノマー(a2)を必須構成単量体として含む重合体(A)であり、上記重合体(A)の重量に基づく上記ビニルモノマー(a1)の含有量が3~50重量%であり、上記ビニルモノマー(a2)の含有量が50~97重量%であり、上記接着性樹脂のガラス転移温度が-40~-5℃であり、上記接着性樹脂の重量平均分子量が、70,000~200,000であることを特徴とする二次電池用セパレータ、及び、上記コーティング剤組成物を有機溶剤と混合して固形分20~50重量%に調整する工程と、調整後のコーティング剤組成物を上記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に付着させる工程を有することを特徴とする上記二次電池用セパレータの製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多孔質基材と、上記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられたコーティング層とを備える二次電池用セパレータであって、耐熱性、耐電位性及び耐電解液性が良好であり、かつ基材とコーティング層との接着耐久性に優れ、充放電を繰り返しても電池性能が低下せず高温耐久性にも優れた電池を製造可能な二次電池用セパレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
分岐点指数と分岐長比指数の算出に必要なパラメータ(R
end
、R
root)
の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<二次電池用セパレータ>
本発明の二次電池用セパレータは、多孔質基材と、上記多孔質基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられたコーティング層とを備える。
【0010】
本発明において多孔質基材とは、内部に空孔又は空隙を有する記載を意味する。このような基材としては、微多孔膜、繊維状物からなる多孔質シート(不織布及び紙等)が挙げられる。本発明においては、セパレータの薄膜化及び強度の観点から、微多孔膜が好ましい。微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった膜を意味する。
多孔質基材の空孔の孔径は特に限定されずミクロ孔、メソ孔、又はマクロ孔を含んでよい。いくつかの好ましい実施形態において、空孔は微細孔であり、平均孔径0.1~1.0μmであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る