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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025149252
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-08
出願番号
2024049786
出願日
2024-03-26
発明の名称
フルオレン骨格を有する環状オレフィン化合物、およびその重合体
出願人
大阪ガスケミカル株式会社
,
国立大学法人 名古屋工業大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C08G
61/08 20060101AFI20251001BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】フルオレン骨格を有し、かつ結晶化し難い重合体(オレフィン系樹脂)、および前記重合体を形成可能な環状オレフィン化合物(フルオレン化合物)、ならびにそれらの製造方法および用途を提供する。
【解決手段】スピロ[シクロペンテン-4,9’-フルオレン]と、ベンゼン環の水素の少なくとも一つが脂肪族炭化水素基で置換されたスピロ[シクロペンテン-4,9’-フルオレン]及び/又は置換されていてもよいシクロペンテンを開環メタセシス重合した後、脂肪族不飽和基を還元または水素化して得られる重合体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1H)で表される第1のフルオレン単位と、
TIFF
2025149252000027.tif
51
153
(式中、R
1a
およびR
1b
は、独立して水素原子または置換基を示し、
R
2a
、R
2b
、R
2c
およびR
2d
は、独立して水素原子または置換基を示す。)
下記式(2H)で表される第2のフルオレン単位および下記式(3H)で表されるアルキレン単位から選択される少なくとも一種の構成単位とを含むオレフィン系樹脂。
TIFF
2025149252000028.tif
61
153
(式中、R
3a
およびR
3b
は、独立して水素原子または置換基を示し、
R
4a
、R
4b
、R
4c
およびR
4d
は、独立して水素原子または置換基を示し、
A
1a
およびA
1b
は、独立して脂肪族炭化水素基を示し、n1aおよびn1bは、独立して0~4の整数を示し、n1aおよびn1bのうち、少なくとも一方は1以上の整数を示し、
R
5a
およびR
5b
は、独立してA
1a
およびA
1b
とは異なる置換基を示し、m5aおよびm5bは、独立して0~4の整数を示し、
n1a+m5aおよびn1b+m5bは、独立して4以下の整数を示す。)
TIFF
2025149252000029.tif
40
153
(式中、R
6a
およびR
6b
は、独立して水素原子または置換基を示し、
R
7a
およびR
7b
は、独立して水素原子または置換基を示し、pは、1以上の整数を示す。)
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記式(1H)において、R
1a
およびR
1b
は、独立して水素原子または炭化水素基を示し、
R
2a
、R
2b
、R
2c
およびR
2d
は、独立して水素原子または炭化水素基を示し;
前記式(2H)において、R
3a
およびR
3b
は、独立して水素原子または炭化水素基を示し、
R
4a
、R
4b
、R
4c
およびR
4d
は、独立して水素原子または炭化水素基を示し、
A
1a
およびA
1b
は、独立して飽和脂肪族炭化水素基を示し、n1aおよびn1bは、独立して0~3の整数を示し、
R
5a
およびR
5b
は、独立してハロゲン原子、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基を示し、m5aおよびm5bは、独立して0~3の整数を示し;
前記式(3H)において、R
6a
およびR
6b
は、独立して水素原子または炭化水素基を示し、
R
7a
およびR
7b
は、独立して水素原子または炭化水素基を示し、pは、1~20の整数を示す、請求項1記載のオレフィン系樹脂。
【請求項3】
前記式(1H)において、R
1a
およびR
1b
は、独立して水素原子またはアルキル基を示し、
R
2a
、R
2b
、R
2c
およびR
2d
は、独立して水素原子またはアルキル基を示し;
前記式(2H)において、R
3a
およびR
3b
は、独立して水素原子またはアルキル基を示し、
R
4a
、R
4b
、R
4c
およびR
4d
は、独立して水素原子またはアルキル基を示し、
A
1a
およびA
1b
は、独立してアルキル基、シクロアルキル基またはこれらが二種以上連結した基を示し、n1aおよびn1bは、独立して0~2の整数を示し、
R
5a
およびR
5b
は、独立してハロゲン原子、アリール基、アラルキル基を示し、m5aおよびm5bは、独立して0~2の整数を示し;
前記式(3H)において、R
6a
およびR
6b
は、独立して水素原子またはアルキル基を示し、
R
7a
およびR
7b
は、独立して水素原子またはアルキル基を示し、pは、2~6の整数を示す、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂。
【請求項4】
前記第1のフルオレン単位と、前記第2のフルオレン単位および前記アルキレン単位の総量との割合が、前者/後者(モル比)=20/80~98/2である、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂。
【請求項5】
前記第2のフルオレン単位を少なくとも含み、
前記第1のフルオレン単位と、前記第2のフルオレン単位との割合が、前者/後者(モル比)=20/80~98/2である、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂。
【請求項6】
前記アルキレン単位を少なくとも含み、
前記第1のフルオレン単位と、前記アルキレン単位との割合が、前者/後者(モル比)=20/80~98/2である、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂。
【請求項7】
非晶性高分子である、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂。
【請求項8】
ガラス転移温度が、70~170℃であり、
屈折率nDが1.6~1.65であり、
吸水膨張率が、0.01%以下である、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂。
【請求項9】
下記式(1)で表される第1のフルオレン化合物と、
TIFF
2025149252000030.tif
55
153
[式中、R
1a
およびR
1b
、ならびにR
2a
、R
2b
、R
2c
およびR
2d
は、それぞれ請求項1記載の式(1H)に同じ。]
下記式(2)で表される第2のフルオレン化合物および下記式(3)で表される環状オレフィン化合物から選択される少なくとも一種の環状オレフィン化合物とを含む重合成分を開環メタセシス重合する重合工程、および
TIFF
2025149252000031.tif
63
153
[式中、R
3a
およびR
3b
、R
4a
、R
4b
、R
4c
およびR
4d
、A
1a
およびA
1b
、n1aおよびn1b、R
5a
およびR
5b
、m5aおよびm5b、ならびにn1a+m5aおよびn1b+m5bは、それぞれ請求項1記載の式(2H)に同じ。]
TIFF
2025149252000032.tif
45
153
[式中、R
6a
およびR
6b
、R
7a
およびR
7b
、ならびにpは、それぞれ請求項1記載の式(3H)に同じ。]
得られた開環メタセシス重合体を還元または水素化する還元工程を含む、請求項1または2記載のオレフィン系樹脂の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の式(2)で表される第2のフルオレン化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、フルオレン骨格を有する環状オレフィン系化合物(シクロオレフィン系化合物)およびその重合体[フルオレン骨格を有するオレフィン系樹脂(オレフィン系ポリマー)、特に、開環メタセシス重合体の水素付加物(水素化物または水添物)]ならびにその製造方法および用途に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
撮像レンズには、高透明性、高耐熱性、高屈折率、低複屈折、低吸水性などの特性が求められている。透明性、耐熱性、複屈折の観点から、シクロオレフィンポリマー(環状オレフィンポリマー)やフルオレン骨格を有する縮合系ポリマーが、スマートフォン向けの光学レンズに応用されている。例えば、環状オレフィンポリマーとして、テトラシクロドデセン類(特公平02-009619号公報、特許文献1)や、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン(国際公開第96/10596号、特許文献2)の開環重合体の水素化物(水添物または水素付加体)が提案されている。フルオレン骨格を有するプラスチックレンズ用ポリエステル樹脂として、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、特定量以上の9,9-ビス(4-ヒドロキシC
2-4
アルコキシフェニル)フルオレン骨格を有するジヒドロキシ化合物と、C
2-4
脂肪族グリコールとからなる実質的に線状のポリエステルが提案されている(特開平7-198901号公報、特許文献3)。
【0003】
また、複数のレンズを組み合わせて色収差を補正する方法が知られており、例えば、シクロオレフィン樹脂製のレンズと、縮合系ポリマーであるポリカーボネート樹脂製のレンズとを組み合わせる方法があるが、各樹脂間の吸水膨張率に差があるため、使用環境下において吸水した際にレンズの大きさに違いが生じて、レンズの性能が損なわれることが知られている(国際公開第2018/181157号、特許文献4)。低吸水性の樹脂組成物として、フルオレン骨格やビナフタレン骨格を有するポリカーボネート樹脂などの縮合系ポリマーと、シロキサン構成単位を含む樹脂とを組み合わせた樹脂組成物が検討されている(特開2022-032702号公報、特許文献5)。
【0004】
なお、ノルボルネン誘導体の製造に用いる原料のシクロオレフィン類として、スピロ[フルオレン-9,4’-シクロペンテン]が記載されている(特開2006-225316号公報、特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特公平02-009619号公報
国際公開第96/10596号
特開平7-198901号公報
国際公開第2018/181157号
特開2022-032702号公報
特開2006-225316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の開環重合体の水添物は、透明性や耐吸湿性(低吸水性)などに優れた光学材料として有用であるものの、屈折率が低く、用途が制限される場合がある。
【0007】
一方、フルオレン骨格を有するポリカーボネート樹脂などの縮合系ポリマーは、高い屈折率を示す。しかし、特許文献1にも記載されているように、ポリカーボネート樹脂などの縮合系ポリマーは、耐熱性は良好であるものの吸湿性(または吸水性)が高く、分子構造上、加水分解性を有しており、吸水性または吸水膨張率を低減し難いことが多い。
【0008】
また、光学材料には高い透明性が要求される場合がある。特許文献1の実施例2には、ポリエチレンやポリプロピレンを射出成形したところ、他の樹脂とは異なって成形時に白化して光学材料として不適当であったことが記載されている。ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂は結晶性高分子であるが、結晶性高分子は、成形、使用および/または保管時などの環境に応じて結晶化し、生成した結晶部分と、結晶化していない非晶部分との間に屈折率差が生じるためか、一般に透明性(または光透過率)が低下し易い傾向がある。そのため、光学材料には通常、非晶性の高分子が用いられることが多い。
【0009】
従って、本開示の目的は、フルオレン骨格を有し、かつ結晶化し難い重合体(オレフィン系樹脂)、および前記重合体を形成可能な環状オレフィン系化合物(フルオレン化合物)、ならびにそれらの製造方法および用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特許文献6には、シクロオレフィン類としてスピロ[フルオレン-9,4’-シクロペンテン]が記載されているが、この文献の実施例では、ノルボルネン誘導体を合成するための原料として使用されており、スピロ[フルオレン-9,4’-シクロペンテン]そのものを重合成分とすることは何ら記載も示唆もされていない。本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討し、後述する参考例1で示すように、スピロ[フルオレン-9,4’-シクロペンテン]の重合について検討したところ、得られた重合体は結晶性であることが示唆された。本発明者らが、前記課題を達成するためさらに鋭意検討した結果、スピロ[フルオレン-9,4’-シクロペンテン]由来の構成単位に対して、特定の化学構造を有する構成単位を組み合わせると、重合体(オレフィン系樹脂)が結晶化し難いことを見いだし、本発明(または本開示)を完成した。
(【0011】以降は省略されています)
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