TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025145879
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024046358
出願日2024-03-22
発明の名称排水処理方法および排水処理装置
出願人水ing株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C02F 11/04 20060101AFI20250926BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】メタン発酵の効率を向上させる方法及び装置の提供。
【解決手段】余剰汚泥にアルカリ剤を添加して、余剰汚泥に含まれるアンモニウムイオンをアンモニアガスに変換するアンモニア変換工程と、アンモニアガスを含む余剰汚泥を内部に中空部を有する気液分離膜と接触させ、気液分離膜の中空部で無機酸とアンモニアガスとの反応によりアンモニウム塩を生成させ、アンモニウム塩を余剰汚泥から気液分離する第1分離工程と、第1分離工程からのアンモニウム塩と、アンモニアガスとの反応で消費されなかった余剰の無機酸と、を含む気液分離膜からの分離物を回収して、アンモニウム塩と無機酸とに分離し、無機酸を再生する第2分離工程と、前記第1分離工程からのアンモニアガスが除去された余剰汚泥に、前記第2分離工程からの再生無機酸を添加して易分解化汚泥を得る酸処理工程と、前記酸処理工程からの易分解化汚泥を嫌気性消化処理工程に供する方法とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
生物処理後に発生する余剰汚泥を嫌気性消化処理する嫌気性消化処理工程を含む排水処理方法であって、
前記余剰汚泥にアルカリ剤を添加して、余剰汚泥に含まれるアンモニウムイオンをアンモニアガスに変換するアンモニア変換工程と、
アンモニアガスを含む余剰汚泥を、内部に中空部を有する気液分離膜と接触させ、気体分離膜の中空部に無機酸を供給して、無機酸とアンモニアガスとの反応により生じるアンモニウム塩を生成させ、アンモニウム塩を余剰汚泥から気液分離する第1分離工程と、
前記第1分離工程において、アンモニウム塩と、アンモニアガスとの反応で消費されなかった余剰の無機酸と、を含む気液分離膜からの分離物を回収して、アンモニウム塩と再生無機酸とに分離する第2分離工程と、
前記第1分離工程で分離されたアンモニアガスが除去された余剰汚泥に、前記第2分離工程で分離された再生無機酸を添加して易分解化汚泥を得る酸処理工程と、
前記酸処理工程からの易分解化汚泥を嫌気性消化処理工程に供することを特徴とする排水処理方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記アンモニア変換工程は、60℃以下で行うことを特徴とする請求項1に記載の排水処理方法。
【請求項3】
前記第1分離工程における滞留時間が、0.01時間以上24時間以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の排水処理方法。
【請求項4】
前記第2分離工程で分離した再生無機酸を第1分離工程に導入して無機酸として再利用することを特徴とする、請求項1または2に記載の排水処理方法。
【請求項5】
前記酸処理工程において、前記余剰汚泥のpHが5以下となるように再生無機酸を添加し、余剰汚泥中の微生物の細胞外高分子物質を細分化して易分解化汚泥として、前記嫌気性消化処理工程に供することを特徴とする請求項1または2に記載の排水処理方法。
【請求項6】
生物処理後に発生する余剰汚泥を嫌気性消化処理する嫌気性消化処理槽を含む排水処理装置であって、
前記余剰汚泥に含まれるアンモニウムイオンをアンモニアガスに変換するために余剰汚泥にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、
アンモニアガスを含む余剰汚泥を導入し、無機酸と接触させてアンモニウム塩を生成させ、アンモニウム塩が除去された余剰汚泥を形成する第1分離装置と、
前記第1分離装置内に設けられている気液分離膜であって、アンモニアガスを含む余剰汚泥を無機酸と接触させて、無機酸とアンモニアガスとの反応により生じるアンモニウム塩を生成させ、アンモニウム塩を余剰汚泥から気液分離するための内部に中空部を有する気液分離膜と、
前記気液分離膜からのアンモニウム塩と、アンモニアガスとの反応で消費されなかった余剰の無機酸と、を含む分離物を回収して、アンモニウム塩と無機酸とに分離する第2分離装置と、
前記第1分離装置からのアンモニアガスが除去された余剰汚泥に、前記第2分離装置で分離された再生無機酸を添加して易分解化汚泥を生成する酸処理槽と、
前記酸処理槽からの易分解化汚泥を嫌気性消化処理する嫌気性消化処理槽と、
を備えることを特徴とする排水処理装置。
【請求項7】
前記第2分離装置で分離された再生無機酸を前記第1分離装置に導入する再生無機酸導入経路をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の排水処理装置。
【請求項8】
前記酸処理槽内の余剰汚泥のpHが5以下となるように再生無機酸の添加量を調節する再生無機酸添加手段をさらに具備することを特徴とする請求項6または7に記載の排水処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排水処理方法および排水処理装置に関し、特に、アンモニアを含有する有機性排水の処理において、余剰汚泥からアンモニアを除去することによって後段のメタン発酵阻害を緩和し、余剰汚泥からのアンモニア回収に使用した余剰の無機酸を有効活用する排水処理方法および装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
汚泥の減容化やメタン発酵の効率化を図るため、メタン発酵槽に導入する汚泥を可溶化する方法が用いられている。汚泥の可溶化技術としては、マイクロ波、オゾン、熱、超音波、アルカリ処理などを利用する方法が知られている。
【0003】
たとえば、汚泥の可溶化技術として、酸と熱を利用したメタン発酵前処理技術が挙げられる。特開2004-275813号公報(特許文献1)には、酸加熱後の汚泥の嫌気性消化を二段階で行う場合に、一段階目の処理液を固液分離し、得られた有機酸溶液を酸加熱工程に戻すことで、添加する強酸の量を減らすことができるとの記載がある。特開2016-221491号公報(特許文献2)には、汚泥をpH11以上のアルカリ性雰囲気で40℃以上100℃以下に加熱することにより汚泥を可溶化処理した後に、嫌気性生物処理することにより、可溶化汚泥の分解によるメタンガスを発生させ、嫌気処理におけるメタンガス発生量を向上させることが開示されている。ただし、これらにはアンモニアに関する記載はなく、メタン発酵の後に高濃度のアンモニアの除去が必要となる。
【0004】
アンモニアを除去する方法として、アンモニアストリッピング法、蒸発濃縮法、触媒湿式酸化法などが知られている。アンモニアストリッピング法は、アンモニア含有排水にアルカリ溶液を添加、加湿後、放散塔に通して、蒸気および空気に接触させて、排水中のアンモニアをガス側に移動させ、さらに高温で触媒酸化させる処理方法であり、放散塔の設備が大型となり、高温での処理が必要となり、触媒酸化時に窒素酸化物が発生するなどの問題がある。蒸発濃縮法は、アンモニア含有排水を加熱、蒸発させ、生成したアンモニア含有蒸気を凝縮し、アンモニア水として回収する処理方法であり、蒸発させるための加温エネルギーコスト、蒸発器などの伝熱面のスケール付着などの問題がある。触媒湿式酸化法は、触媒存在下で100~370℃の温度と圧力をかけてアンモニア含有排水を処理する方法であり、高温、高圧処理が必要となり、安全性およびコストの問題がある。
【0005】
メタン発酵の後にアンモニアを除去する技術として、特開2014-050767号公報(特許文献3)には、消化槽の後段に好気性条件下で生物処理することでアンモニア態窒素を窒素ガスに変化させる技術が記載されている。また、特開2017-018876号公報(特許文献4)にはメタン発酵の消化液に対してアナモックス微生物を用いて脱窒処理を行う方法が記載されている。ただし、これらは消化液中のアンモニア態窒素の除去であり、余剰汚泥からのアンモニア除去は検討されていない。
【0006】
さらに、メタン発酵処理の前処理として事前にアンモニア態窒素を除去してメタン発酵阻害を抑制する技術として、特開2009-50800号公報(特許文献5)には、アンモニア性窒素を含有する有機性廃棄物を加熱処理し、加熱処理された廃棄物からストリッピング操作でアンモニアを回収できることが記載されている。また、特開2002-177994号公報(特許文献6)には、嫌気性消化槽の前にpH10以上および35~100℃の熱アルカリ前処理を行うことによってアンモニアを除去する技術が開示されている。ただし、これらは熱処理によるアンモニア回収であり、熱エネルギーの利用が必須である。
【0007】
さらに、特開2016-83609号公報(特許文献7)には、アンモニア含有排水を処理して硫酸アンモニウム溶液として回収するアンモニア含有排水の処理装置および処理方法が開示されている。アルカリ処理によってアンモニア態窒素をアンモニアにし、それを膜分離後に酸で回収する技術が開示されている。ただし、回収に使用する酸の処理が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-275813号公報
特開2016-221491号公報
特開2009-50800号公報
特開2017-018876号公報
特開2009-50800号公報
特開2002-177994号公報
特開2016-83609号公報
【発明の概要】
【発明の概要】
発明が解決する課題
【0009】
本発明は、熱エネルギーの利用を必要とせずにアンモニア含有排水からアンモニアを分離し、無機酸を使用してアンモニウム塩として回収する際に、使用済みの無機酸を再利用してメタン発酵の効率を向上させる方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意研究した結果、有機性排水および余剰汚泥中のアンモニア態窒素をアンモニアガスに変換し、膜分離による分離後に無機酸と反応させてアンモニウム塩として回収し、アンモニウム塩および余剰の無機酸から分離した再生無機酸をアンモニア除去後の有機性排水および余剰汚泥に添加して、これらを易分解化した後に嫌気性消化処理に供することによって、メタンガス発生量が増加することを知見し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

水ing株式会社
廃溶液の処理方法
1か月前
水ing株式会社
排水処理方法及び装置
1か月前
水ing株式会社
排水処理装置及び排水処理方法
1か月前
水ing株式会社
排水処理方法および排水処理装置
1か月前
水ing株式会社
メタンガスの抑制方法及び装置、ならびにメタンガス抑制剤
1か月前
水ing株式会社
水中設備のメンテナンス方法
1か月前
水ing株式会社
排水処理方法及び排水処理装置
2か月前
水ing株式会社
有機性廃水の処理装置及び高分子凝集剤
1日前
株式会社げんき
液体活性化装置
15日前
株式会社ウィズアクア
水質浄化装置
1か月前
三浦工業株式会社
汚泥乾燥加熱釜
28日前
株式会社ライトアース
水循環式水質浄化システム
22日前
名古屋メッキ工業株式会社
溶存金属析出装置
26日前
スタンレー電気株式会社
流体除菌装置
20日前
三浦工業株式会社
精製水供給システム
28日前
栗田工業株式会社
電気イオン濃縮装置
26日前
栗田工業株式会社
逆浸透膜装置の運転方法
15日前
栗田工業株式会社
超純水製造装置の制御方法
1か月前
オルガノ株式会社
UV照射装置
14日前
有限会社フリーウェー
浄水装置
14日前
栗田工業株式会社
電気脱イオン装置の運転方法
27日前
WOTA株式会社
液性判定システム及び液性判定方法
26日前
株式会社神鋼環境ソリューション
貯留槽
1か月前
水ing株式会社
廃溶液の処理方法
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
軟水化装置
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
軟水化装置
1か月前
個人
海水の塩分除去装置と淡水製造方法
今日
パナソニックIPマネジメント株式会社
電解水生成装置
1か月前
三浦工業株式会社
汚泥減容システム
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水処理装置
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水処理装置
1か月前
竹鶴油業株式会社
残渣処理プラント及び成形物の製造方法
14日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水処理装置
1か月前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水処理装置
1か月前
株式会社ヘルスカンパニー
浴用剤の使用方法
26日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水処理装置
1か月前
続きを見る