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公開番号
2025138257
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-25
出願番号
2024037245
出願日
2024-03-11
発明の名称
沈砂池排砂方法及び沈砂池排砂システム
出願人
中国電力株式会社
代理人
弁理士法人維新国際特許事務所
,
個人
,
個人
主分類
E02B
8/02 20060101AFI20250917BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】大掛かりな工事を必要とせず、堆積した土砂等を沈砂池から効率良く排除することが可能な沈砂池排砂方法とそれに用いられる沈砂池排砂システムを提供する。
【解決手段】本発明の沈砂池排砂システム1である取水ダム2は、河川に面した護岸部に設けられた取水口3と、この取水口3の下流に設けられた沈砂池52と、この沈砂池52に河川と繋がるように設けられた沈砂池排砂ゲート56と、沈砂池52の導流壁に隣接して設けられた導水路53と、沈砂池52の下流において導水路53に設置された取水口ゲート54と、河川に設けられた取水堰58と、この取水堰58及び導水路53にそれぞれ設置された水位計59a、59bと、この水位計59a、59bによってそれぞれ検出されたダム水位及び水路水位に基づいて沈砂池排砂ゲート56及び取水口ゲート54の開閉動作を制御するゲート開閉機構4を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
河川に面した護岸部に設けられた取水口と、この取水口の下流に設けられた沈砂池と、この沈砂池に前記河川と繋がるように設けられた沈砂池排砂ゲートと、前記沈砂池の導流壁に隣接して設けられた導水路と、前記沈砂池の下流において前記導水路に設置された取水口ゲートと、前記河川に設けられた取水堰と、この取水堰に設置されてダム水位を検出する水位計と、を備えた水路式水力発電用の取水ダムにおいて、前記ダム水位に基づいて前記沈砂池排砂ゲートと前記取水口ゲートの開閉動作を制御する沈砂池排砂方法であって、
前記ダム水位が自動制御スイッチONレベルに達すると前記沈砂池排砂ゲートの開動作を開始して前記取水口ゲートを全閉状態にする前に前記沈砂池排砂ゲートを全開状態にするとともに、
前記ダム水位が前記自動制御スイッチONレベルよりも高い取水口ゲート全閉レベルを上回った段階で前記取水口ゲートを全閉状態にすることを特徴とする沈砂池排砂方法。
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【請求項2】
河川に面した護岸部に設けられた取水口と、
この取水口の下流に設けられた沈砂池と、
この沈砂池に前記河川と繋がるように設けられた沈砂池排砂ゲートと、
前記沈砂池の導流壁に隣接して設けられた導水路と、
前記沈砂池の下流において前記導水路に設置された取水口ゲートと、
前記河川に設けられた取水堰と、
この取水堰に設置されてダム水位を検出する水位計と、
前記ダム水位に基づいて前記沈砂池排砂ゲートと前記取水口ゲートの開閉動作を制御するゲート開閉機構と、を備え、
前記ゲート開閉機構は、
前記ダム水位が自動制御スイッチONレベルに達すると前記沈砂池排砂ゲートの開動作を開始して前記取水口ゲートを全閉状態にする前に前記沈砂池排砂ゲートを全開状態にするとともに、
前記ダム水位が前記自動制御スイッチONレベルよりも高い取水口ゲート全閉レベルを上回った段階で前記取水口ゲートを全閉状態にすることを特徴とする沈砂池排砂システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路式水力発電所用の取水ダムの取水口の下流に設けられた沈砂池に堆積する土砂等を排除する沈砂池排砂方法に係り、特に、大掛かりな工事を必要とせず、堆積した土砂等を沈砂池から効率良く排除することが可能であり、さらに、取水できる時間が長くなることにより発電出力の増加も期待できる沈砂池排砂方法とそれに用いられる沈砂池排砂システムに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)
【背景技術】
【0002】
水路式水力発電所用の取水ダムには、取水口から取り込まれた水に含まれる土砂を沈殿させる目的で取水口の下流に沈砂池が設けられている。この沈砂池に土砂が堆積すると、導水路の取水口ゲートから単位時間あたりに取り込まれる水の量が減少し、発電の効率が低下してしまう。そのため、沈砂池の土砂を定期的に取り除く必要がある。
【0003】
ここで、水路式水力発電所用の取水ダムの構造について図4を用いて説明する。図4(a)は水路式水力発電所用の取水ダムの平面図であり、図4(b)は図4(a)に示した導水路53の構造を模式的に表した断面図である。なお、図4(a)では河川50にハッチングを施している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、河川50を矢印の向きに流れた後、河川50に面した護岸部50aに設けられた取水口(図示せず)から取り込まれた水は、管理所51の下を通って沈砂池52に流れ込む。この水には、流木や落ち葉などの河川流下物や土砂が混ざっているが、土砂は沈砂池52において沈殿する。しかし、流木や落ち葉などの河川流下物は、導流壁52aを越流する水と一緒に導水路53に流入するため、この河川流下物を取り除く目的で導水路53には取水口ゲート54の上流にスクリーン55が設置されている。そして、堆積した土砂を流水の勢いによって河川50の方へ押し流すための沈砂池排砂ゲート56が沈砂池52に河川50の側へ開口するように設けられている。また、河川50にはダム排砂ゲート57を有する取水堰58が設けられており、取水堰58と導水路53にはダム水位及び水路水位を検出する目的で水位計59a、59bがそれぞれ設置されている。なお、ダム排砂ゲート57の開閉動作はダム排砂ゲート開閉機構(図示せず)によって制御されている。
【0004】
ここで、ダム排砂ゲート57の開閉動作について図5及び図6を用いて説明する。なお、図5及び図6はダム排砂ゲート57に対するダム排砂ゲート開閉機構の処理手順を示したフローチャートである。また、以下の説明において、自動制御スイッチONレベルL
2
及び自動制御スイッチOFFレベルL
1
は、ダム排砂ゲート57に対するダム排砂ゲート開閉機構による自動制御をそれぞれON及びOFFにする基準水位を表しており、自動制御スイッチON上限レベルL
3
及び自動制御スイッチON下限レベルL
4
は、自動制御スイッチONレベルL
2
に不感帯の水位を加えたレベル及び自動制御スイッチONレベルL
2
から不感帯の水位を減じたレベルをそれぞれ表している。また、ダム排砂ゲート開閉機構は自動制御スイッチがONの場合に開動作開始モードと閉動作開始モードのいずれかを選択してダム排砂ゲート57の開閉動作を制御する機能を有している。
図5に示すように、ダム排砂ゲート開閉機構はステップS1においてダム排砂ゲート57が全閉状態であると判断すると、ステップS2の処理に進み、ステップS2においてダム排砂ゲート57の自動制御スイッチがONになっていると判断すると、ステップS3の処理に進む。さらに、ダム排砂ゲート開閉機構は水位計59aによって検出されたダム水位が自動制御スイッチOFFレベルL
1
以下であるとステップS3において判断すると、ステップS4においてダム排砂ゲート57の自動制御スイッチをOFFにした後、ステップS1の処理に戻る。
なお、ダム排砂ゲート開閉機構はステップS1においてダム排砂ゲート57が全閉状態でないと判断すると、ステップS10(図6を参照)の処理に進む。また、ダム排砂ゲート開閉機構はステップS2においてダム排砂ゲート57の自動制御スイッチがONになっていないと判断すると、ステップS5の処理に進み、水位計59aによって検出されたダム水位が自動制御スイッチONレベルL
2
以上であるとステップS5において判断すると、ステップS6においてダム排砂ゲート57の自動制御スイッチをONにした後、ステップS7の処理に進む。さらに、ダム排砂ゲート開閉機構は水位計59aによって検出されたダム水位が自動制御スイッチON上限レベルL
3
以上であるとステップS7において判断すると、ステップS8においてダム排砂ゲート57を10cm開き、ステップS9において処理を3分間休止した後、ステップS1の処理に戻る。
なお、ダム排砂ゲート開閉機構は、ステップS3においてダム水位が自動制御スイッチOFFレベルL
1
以下でないと判断した場合、ステップS5の処理に進み、ステップS5においてダム水位が自動制御スイッチONレベルL
2
以上でないと判断した場合及びステップS7においてダム水位が自動制御スイッチON上限レベルL
3
以上でないと判断した場合、いずれもステップS1の処理に戻る。
【0005】
図6に示すように、ダム排砂ゲート開閉機構はステップS10においてダム排砂ゲート57が全開状態であると判断すると、ステップS11の処理に進み、ステップS11において取水口ゲート54が全閉状態になっていると判断すると、取水再開まで排砂を促進するためにステップS12においてダム排砂ゲート57を全開状態のまま、誤作動防止のため、ダム排砂ゲート57の制御を手動に切り替える。
なお、ダム排砂ゲート開閉機構は、ステップS10においてダム排砂ゲート57が全開状態でないと判断した場合及びステップS11において取水口ゲート54が全閉状態になっていないと判断した場合、いずれもステップS13の処理に進む。
そして、ダム排砂ゲート開閉機構は水位計59aによって検出されたダム水位が自動制御スイッチON下限レベルL
4
以下であるとステップS13において判断すると、ステップS14の処理に進み、ステップS14においてダム排砂ゲート57の開度が10cmであると判断すると、ステップS15においてダム排砂ゲート57を10cm閉じ、ステップS16において処理を3分間休止した後、ステップS1の処理に戻る。
なお、ダム排砂ゲート開閉機構はステップS13においてダム水位が自動制御スイッチON下限レベルL
4
以下でないと判断すると、ステップS17に進み、水位計59aによって検出されたダム水位が自動制御スイッチON上限レベルL
3
以上であるとステップS17において判断すると、ステップS18においてダム排砂ゲート57を20cm開いた後、ステップS16の処理に進む。また、ダム排砂ゲート開閉機構はステップS14においてダム排砂ゲート57の開度が10cmでないと判断すると、ステップS19においてダム排砂ゲート57を20cm閉じた後、ステップS16の処理に進み、水位計59aによって検出されたダム水位が自動制御スイッチON上限レベルL
3
以上でないとステップS17において判断すると、ステップS1の処理に戻る。
【0006】
このようにダム排砂ゲート57は、水位計59aによって検出されたダム水位に基づいてダム排砂ゲート開閉機構により開閉動作を制御されている。一方、取水口ゲート54については、ダム水位が取水口ゲート54の天端を超えてしまうと、取水口ゲート54による水路水位の調節が不可能となるため、従来、ダム水位が予め定められた取水口ゲート全閉レベルL
6
に達すると、取水口ゲート54を全閉にするとともに沈砂池排砂ゲート56を全開にして沈砂池52に流れ込む水を河川50に放流していた。しかしながら、局地的な集中豪雨などにより大量の土砂が沈砂池52に流入した場合、上述の方法では取水口ゲート54に向かう水流が発生しないため、沈砂池52に流れ込んだ水に含まれる土砂が十分に沈殿しないうちに、導流壁52aを越流する水と一緒に導水路53に流入して、そこに堆積することになる。この土砂を取り除くには、重機などを搬入する必要があることから、多くの時間と費用がかかってしまう。また、土砂の取り除き作業をしている間は発電できないという問題もある。
【0007】
沈砂池の土砂を排斥する技術に関しては、例えば、特許文献1に「排砂機構」という名称で、河川の水を取り込む取水路の上流側域と下流側域の間に設けられた沈砂池から排砂するための機構に関する発明が開示されている。
特許文献1の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献1には、取水口の下流に設けられた沈砂池2と、この沈砂池2の主たる水流の方向と交差する方向に沿って、かつ、沈砂池2の外方に向かって延びるとともに、沈砂池2とは開口部14を介して連通した排砂通路3と、開口部14を開閉する排砂ゲート15と、沈砂池2のうち最も下流側の領域にて底部9の一部を上方に隆起させることで形成された段差部11と、沈砂池2のうち段差部11よりも上流側に位置するとともに、一方側が開口部14に連なっており、段差部11以外の底部と段差部11の底部9の境界に位置する段差立面12が主たる水流の流れに対して障壁となり、この段差立面12に沿って開口部14に向かって流れる副次的な水流が形成される排砂用窪部13と、この排砂用窪部13よりも上流側に配置されて沈砂池2に向かう主たる水流の向きを左右方向に偏流させることができる水流左右方向偏流装置17を備えた排砂機構が記載されている。
このような構造によれば、沈砂池の水位を段差部の底部が水面に相対的に近接するように調整することにより、段差部の段差立面が沈砂池を流れる主たる水流に対する障壁として機能する。また、この段差立面に沿って開口に向けて流れる副次的な水流を排砂用窪部に形成した場合、水流左右方向偏流装置によって主たる水流の向きの一部を土砂側に偏らせて、沈砂池の上流側の底部上に堆積したままの土砂を副次的な水流の流域まで押し流すようにして副次的な水流に乗せるとともに排砂ゲートを開くことで、開口部から沈砂池外に土砂を隈なく確実に排出することができる。
【0008】
また、特許文献2には「水力発電所用の揚砂装置」という名称で、混気型ジェットポンプと渦動排砂管とを組み合わせた揚砂装置に関する発明が開示されている。
特許文献2の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献2には、取水口沈砂池の取水口側に設けられた1次スクリーン11と、取水口沈砂池の導水口側に設けられた2次スクリーン12と、取水口沈砂池の底部に設けられた第1乃至第6の渦動排砂管21~26と、取水口沈砂池内に設けられた第1及び第2の開閉器31、32と、取水口沈砂池内に設けられた第1及び第2のジェットポンプ41、42と、取水口沈砂池内に設けられた第1及び第2の圧力水ポンプ51、52と、取水口の上部に設けられた砂分離槽60を備えた水力発電所用の揚砂装置10が記載されている。
このような構造によれば、取水口と導水口が堆積土砂によって閉塞されるという事態を回避することができる。
【0009】
さらに、特許文献3には「水力発電用取水沈砂池の沈砂排出装置」という名称で、沈砂池全面の沈砂を機械的に排出する装置に関する発明が開示されている。
特許文献3の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献3には、上流に取水路2、下流に排砂路7が配設されている沈砂池1において、沈砂池全面に水流に沿い排砂路7の近傍まで延びる仕切壁14により仕切って形成された複数の水路15a~15eと、各水路15a~15eの下流端にそれぞれ設置された仕切ゲート19a~19eと、水路15a~15e内に水流方向に走行可能に装架され走行による下端吐出流により沈砂を舞い上がらせる舞砂ゲート17と、舞砂ゲート17を各水路15a~15e上に横移動させる舞砂ゲートトラバーサー18を備えた沈砂排出装置が記載されている。
このような構造によれば、沈砂池全面の沈砂を機械的に排出できるため、排砂作業の省エネルギ化と省人化が達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2011-6995号公報
特開2005-146603号公報
特開平4-371606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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